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うまくいってた
「 そんな言い方ないだろ?おれたちだって働こうとおもえば働けるが、世話してくれるっていうのをはねつけるほど、無粋じゃねえってことさ」
さらに自論を続けようとしたらしいが、真ん前に腕を組んで立ちはだかったクラークをみあげ、自分がいま《はなすべきこと》を思い出したらしい。
「 だから、ええっと、 その、―― ジュディとおれは、すごくうまいこといってた。 おれは彼女の《理想》なんだから、当然だけどな。 ジュディは、おれと結婚したがってたんだ。そうすりゃ、自分が夢みる生活が手に入るだろうって思ってた。 ―― 彼女の家、みたことあるか?どうみても、きれい好きって感じじゃないし、片付けも得意じゃなかったみたいだ。 彼女はおれと結婚できれば、そういう片付けも、自分でしなくて済むと思ってたみたいだよ。 まあ。おれとしては、ぎりぎりまで彼女に夢をみさせてやって、いつも通りに消える予定だった。 ―― 彼女に《メッセージ》が、とどくまでは」
「みたのか?」
隙間もなく発せられたクラークの質問に、目だけあげた。




