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その男はポール


「『追いかけてた』のは、はっきりしてるんだ。 そんで、こいつがほんとうにコート州の失踪か殺人の事件に関係してるなら、《この男》が、つぎの被害者かもしれないだろ? だから、―― さっさとぜんぶ吐きな」


 いらだったように力のこもった女の腕に、いつのまにかそばによったクラークが、そっと手をおいた。

 

 ゆっくりとサリーナの腕をおろし、銃をしまうように静かに指示する。


「 ―― まあ、からかわれてるようでおまえが頭にきてるのは、よくわかる。 だが、安心していい。あそこにいる《コウモリ》をよくみてみろ。 不安そうな視線、おちつかない態度。自分より力がある相手に追われる羽目になって、おれたち警察官に助けをもとめるギャングの下っ端と同じ状態だ。 やつは逃げないし、ジョーのおかげで告白する気まんまんだ。 -― それに、あいつがおいかけていた、《あそこに立ってる男》は、いまのところ無事だから安心しろ」



「なんだって? クラークの知ってる男かい?」

 サリーナがぽかりと口をあけてクラークをみあげた。



 それにはこたえずに口元をさすった男は、「そっくりとかいうレベルじゃねえなあ」とコウモリをみて口をゆがめた。


「 おまえらはどうやら知らないみたいだな。 いいか、《あの男》は、ポールだ。 ジャンの兄貴で、コート州の警察官。どっからどうみても、《ポール・クレイグ》だ」



 紹介された『男』は、警備官たちが見覚えある雰囲気の笑顔をみせていた。




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