「蛙」 「なぜ」
「蛙」
蛙が闇に飛び込む音が聞こえる。
微かな音。
どんな音かももう忘れてしまった。
反響音すら残らない。
音は静かに闇に溶けた。
蛙はどこへ行っただろう。
どうでもいいことなのに、どうでもいいことなのに。
「なぜ」
なぜだなぜかどうしようもなく
さよならだけがともだちで
ふりかえることなくすぎていくじかん
ふたしかさゆれていく
ゆらぎのなかでたちあらわれるもの
すべからくすぎていく
さきのみえないみらい
じかん
おわり
なぜだなぜかなになんで
どうにもならないとわかって
しらないことをしってしまって
もとにもどらない
かこはもどらない
みらいが
とほうもないみらいがめのまえに