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7話 黒いモヤの襲撃2

ここに来て黒い化物が自らをハイマと名乗る。マキナ自身は名乗ることができるほどの余裕が無かった。


 ハイマは余裕なのか、向こうからは攻撃してこない。なので、マキナは今、必死に両手で剣を持ちハイマめがけて振って攻撃をする。それらの攻撃はすべてハイマに受け止められる。時には相手からの攻撃を剣で受けながら、隙を探す。

……が、そんな隙は見当たらない。


 何度も通じる手ではないが、意表をつく攻撃なら通じるとマキナは思った。利用するのは自分自身にかけた強化魔法であるプロテクションとハイマッスル。プロテクションは物理防御をあげる魔法でハイマッスルは、物理攻撃(筋力)をあげる魔法である。物理攻撃と防御をあげることで、両手で振っていた剣を片手で取扱い、もう片方の手をフリーにする作戦である。


 マキナは両手で剣を持ち、再度ハイマの攻撃を受け止める。ここで片方の手を離し、もう片方の手はレッグホルスターから銃を抜き、急所めがけて引き金を引く。残念ながら急所は少し外れたようだが、ハイマに命中した。


「ぐわあああ!……よくも私を傷つけてくれましたね。死にたいようなら、お望み通りはいたぶってから殺すとしましょう。そうしましょう」


 冷静だったハイマが、攻撃を受けた瞬間、怒りに狂いだした。突如、ハイマの移動速度がこれまでの倍になった。マキナは相手を動きを何とか捉え対応してるが、パワーも先ほどに比べ、上昇したようで、防ぎきれずにハイマに攻撃を許してしまった。


「まずは1発、2発!」


 ハイマは、マキナを押し倒すと、太もも目がけて漆黒の槍を突き刺した。


「あ、あぁぁぁぁ!」


「どうです?痛いでしょう。もっとあげますからね。次、3,4 発目っ!」


「ああっ!痛い痛い!」


 今度は両腕に槍が貫かれる。地面に突き刺さっており、身動きが取れない。そして、激痛でマキナは意識が飛びかけていた。


 一方、一本の槍で太ももを貫かれ、地面に固定されたリイナは、ハイマがマキナを殺す宣言を聞いていたので、何とか助けようと痛みに耐えながら必死の抵抗をした。身体が動けなくとも、魔法は撃てるので、詠唱を始めてハイマに攻撃をした。


「無数の光よ!矢となりて敵を貫け!ホーリーランス!」


「くっ、小賢しい小娘め……、お前は後で実験体か餌にすると言っているではないですか。大人しくしていただきたいですねっ!」


 ハイマはマキナを一旦放置し、リイナの方へ近づいた。そして、リイナを思いきり殴り、リイナを気絶させた。


「さて、もう一人の小娘よ。後はお前だけですよ。両手足を貫かれて身動き出来ない気分はどうですか?今なら、お前に対してどんなことだって出来る。例えばこうとか」


 ハイマは動けないマキナの太ももを撫でまわした。傷口に触れて激痛が走るのも苦痛だが、表情の読めない、黒いモヤがかかったようなハイマの身体にマキナ自身の身体を触られるのが、心底気分が悪い。


「ははは、痛いでしょう。もっと苦しんでほしいものですね。そういえば、私は名前を名乗ったのに、あなたは名乗ってくれないんですねぇ」


「ぐっ……、マキナよ。」


「マキナですか、いい名前ですね。そして美しいですねー。殺してしまうのは勿体ない。私の従者になりませんか?」


「お断りよ!」


「おや、つれないですね。せっかく殺害から従者にランクアップしたのに拒否されてしまうとは。でしたら、やはりあちらの小娘同様、実験台あたりがよそそうですね」


 強気に返したものの、正直もう勝ち目はないとマキナは思っている。自分実験台か奴隷にされ、リイナもディルクの約束を守れずにこのままハイマの手に落ちてしまうのか。


「まだ、諦めてはなりません」


 突如、マキナの脳内に直接語りかける声が聞こえた。


「あなたは誰ですか?」


「私のことはどうでもいいのです。ピンチの時のお助けキャラだと思ってください。この状況を切り抜けたいですよね。でしたら、方法があります。あなたはハイマに見せていない技があるはずです」


 これまでの戦闘を思い返す。ハイマにした攻撃……、銃撃、斬撃、事前にかけた強化魔法により斬撃を片手で受け止め、銃撃。つまり、魔法による攻撃は一切行っていない。魔法が使えるところはまだ見せていない。


「もしかして、魔法攻撃ですか?」


「その通りです。想いの力をのせて、気持ちさえのっていれば、小声で詠唱しても攻撃出来ちゃいます。こっそり詠唱して上級魔法を使いましょう」


 謎の女性の声からアドバイスをもらったが、マキナは痛みがひどく、意識が飛びそうで、もはや限界である。チャンスは一度きりでやるしかないと思った。


 ハイマがマキナのところに向かい、腕を刃の形に変える。その時、マキナは小声で詠唱していた。マキナは心の中で、聞こえる声で詠唱する必要など最初からないと思った。


 当然、ハイマには私がぶつぶつ言ってるようにしか聞こえない。


「何をおっしゃってるのですか?命乞いですか?聞こえませんねえ。後でくっつけてあげますから、まずは手と足にさよならしましょうね」


 ハイマは、マキナの手と足を切断しようと刃物を構えた。


「数多の光よ槍の雨となり敵に降り注げ、ホーリーランスレイン」


 その時マキナの目の前に無数の光の槍が出現する。それらはすべてハイマ目掛けて飛んでいく。

 突如現れた無数の光の槍にハイマは回避できず、ダメージを負う。さらに、ハイマの腕、足らしき場所に無数の光の槍が刺さり、身動きがとれなくなっている。


「ぐっ、やりますねぇ……」


 更にマキナは止めをさすため、自分の身体から光を放つ魔法『シャイン』を使い、マキナに刺さっていた漆黒の槍を霧散させて身体の自由を得た。代わりに出血が酷くなった。


 意識があるうちにマキナは銃を構え、ハイマに向けた。


「待ちなさい、マキナ。勝負つきました、私の敗けです。命だけは……」


 ハイマは必死に命乞いをしようとした。しかし、マキナはハイマの話を最後まで聞かずに、引き金を引き、ハイマの頭を撃ち抜いた。


「ディルクさん……、リイナちゃんを守ったよ」


 直後、マキナは安堵からか、意識を失った。


読んでいただきありがとうございました。

戦闘シーンって書くの難しいですね。

冗長になったり、情景が浮かばないくらいに端折りすぎちゃったり、

バランスが難しいですね。


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