3話 再びリイナの村案内
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「さてと、後はどうしようかな……、あっ、そういえばクエスト案内所を紹介するの忘れてたね」
リイナはそう言うと、マキナを連れてクエスト案内所へ向かった。
クエスト案内所は村の他の建物より立派だった。おそらく村長の屋敷と敷地面積は変わらないかもしれない。木造のおうちに比べて、レンガで造られているので、丈夫だと思った。
中に入ると、いくつかカウンターがあり、看板をみると、クエスト受注・完了報告する場所、冒険者登録やギルド登録・解散する場所でカウンターがそれぞれ2つずつあった。その他には休憩所や、ギルド集会用の会議室が3部屋ほどあった。2つは30人くらい入れる中規模、1部屋は50人以上入れる大規模のものだった。
「マキナちゃん!ここがクエスト案内所だよ。カウンターのこっちが受付。ここではクエストの受注と発注が出来るんだよ。発注はこのクエストを取りまとめるギルド協会へ依頼を登録してもらうこと。クエスト登録するのに登録料はかかるけど、登録料と支払う報酬金を合わせても、自分でやるよりは楽って思う時にはクエスト登録した方がいいよ」
「そうなんだ。それじゃあ、受注の方は?」
「受注は登録されたクエストに書かれた内容を受けること。クエストの中身は色々あって、魔物の討伐やダンジョンなどで採取できる素材の納品など。また、ランクが設定されていて、自分のランクより高いランクのクエストは基本的に受注出来ない仕組みになってるよ。受注したクエストをクリアするごとにポイントが貯まっていって、一定以上貯まると昇給審査が受けられるようになるんだよ。ランクアップすると、高難易度のクエストも受注出来るようになるよ」
「へぇ、最初はどのランクから始まるの?」
「始めは実力、経験共に無しと判断され、Fランクからスタートするの。でも、1ヶ月続けてかつクエストをひとつでもクリアしたらEランクに上がるわ」
「上のランクからスタートする方法はあったりする?」
「あるよ。例えば、騎士の仕官学校を卒業すればDランクスタートとか。魔術師学校卒業でも同様にDランクからスタート出来るよ。トップクラスの成績と特別試験を受けて合格するとCランクスタート出来るんだって」
どうやら、クエストにはランク制限というものがあるらしい。ただし、高ランクの冒険者とパーティーを組めば、自分よりランクが高いクエストにも挑めるようだ。
「そうなんだ。私はそういうところの出身じゃないから、Fランクスタートだね。クエスト受ける前には個人登録しないといけないのよね?」
「そうなんだよー。もし自分の記憶を探しにとかそういう理由で旅に出るとしたら登録しておいた方がいいよ。旅には当然お金がいるからね!クエストでお金を貯めないと宿に泊まれないし野宿生活になっちゃう」
「うーん、それは避けたいわね。でも、まだ旅に出るとは決まってないよ?だって、リイナさんみたいな素敵な人に出会えたんだもの」
「えへへ、そう言われると照れちゃうな……でも、リイナさんなんて他人行儀はやめて、リイナって呼んで欲しいなー」
「わかった!リイナちゃんって呼ぶね!リイナちゃんはかわいいから何となくちゃん付けしたい気分」
「も、もう……」
リイナは、顔がものすごく真っ赤になって照れていた。そんな照れているリイナをマキナはかわいいと思った。記憶を失う前は、女の子好きかかわいい物好きだったのだろうかとマキナは考えた。
「お、おほん……、後はね、登録するとギルド協会のカードが発行されて、報酬金とかをこのカードに集めることが出来るんだよ。現金かカードに入れるかはもちろん選べるよ。ギルド協会の加盟店であれば、このカードで支払いが出来るの。便利でしょ!」
「全店舗で使えないのは残念だけど、金貨とか銀貨とかたくさん手に持つと重いもんね。すごく便利かも」
「クエスト案内所で最後に案内するのはここ!会議室ね。パーティーを組んで、その仲間同士で会議する会議スペースなんかもこのクエスト案内所にはあるんだよ。」
「へえ、規模が大きくなってきたら宿屋でミーティングとか出来ないもんね。そういう時にクエスト案内所の会議室がつかえるのね。
そういえば、聞きそびれてしまったけど、リイナちゃんは冒険者登録はしてるの?」
「うん、実は半年前くらいに登録してて私は魔術師Eランクとして登録してる。この村でパーティー組むことは無いから、殆どクエストに行ってないけどね。大体はおじいちゃんと魔法の訓練、おじいちゃんのお世話かしら」
リイナはもしかして無職?とマキナは考えてしまった。年は17歳と聞くし、そろそろ結婚するのだろうか。
「リイナちゃんってそろそろ結婚とかしたり?」
「えっ?ええええ!? け、けっ、結婚とかまだ考えたこともないよ。同年代の男の子達にはあまり興味なくて……言い寄ってくる人はいたけど、おじいちゃんが全部返り討ちにしてたかな」
「ディルクさんが?」
「そうなの。孫と結婚したい奴はまずこのジジイと戦って勝ってからにしろ!ってね。おじいちゃん、魔術師のAランクなんだよね。だからいくら近接武器を持った人でも近づく前にやられちゃうんだよね。今ではみんな諦めちゃってる」
マキナは、ディルクさん、恐るべし……。きっとこれで村の跡取りはいなくなったに違いないと思った。
「さてと、この話はおしまい!おうちに帰って晩御飯の支度しなくちゃね」
リイナはそう言うと、クエスト案内所を後にし、屋敷に向かって歩き始める。
屋敷の前に何やら人だかりがあった。どうやら、村の人はディルクに用があるようだ。
なにやら、村長の屋敷付近が騒がしいようです。
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