カレー対決
三つ巴のグルメ勝負が始まった。
俺は華麗なるカレーパン、カレー主はバーモンドもといオリジナルカレー、ドミノはドミノピザで、これらをお互いに食べさせ合い、最後まで残ったものがこの店を好きに出来る権限を手に入れる。
「で、いいな?」
俺が確認すると、ドミノが頷く。
「ああ、構わないぜ」
カレー主は、何でこんなことになったんだ…… と言いたげだったが、文句を言われる前に試合をスタートさせた。
「スタートだ!」
ドミノは即座に外に出てビザの入った白いケースを取り出す。
カレー主も厨房へと向かい、カレーの入った鍋に火を入れる。
俺は両者を伺いつつ、カレーパンを握り締める。
ドミノがテーブルにピザを置き、素早くピザカッターで三角形に切り取り、こちらへとダッシュ。
相手が繰り出すピザを、右、左と体を開いてかわす。
「ちっ、食えや!」
「そんな易々とは食いませんよ」
この勝負、普通の料理対決とは違い、相手の料理を口に入れる所から始めなければならない。
気が付くと、カレー主の方も準備が出来ており、食パンに挟まったカレーをこちらに突き出してくる。
無論、そんなものは食べない。
「……くそ、どうすりゃいんだよ」
カレー主が途方に暮れた隙を突いて、俺はアッパーを繰り出した。
手にはカレーパンを握り締めている。
「ぐっ……」
それが、カレー主の顎を捉え、グシャリ、という感触が手に残る。
クリーンヒットを受け、カレー主はその場に膝から崩れた。
ドミノが叫ぶ。
「なるほどな! 確かにそれも、食らうには違いないぜ」
カレー主を倒し、残るはドミノ。
すると、ドミノはピザを細切れに切り始めた。
それを宙へと放る。
「ピザの雨だ、避けらんねーぜ!」
「食べ物を粗末にしてはいけませんっ」
俺は右ストレートをドミノの顔面に叩き込んだ。




