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第三話 目覚め

予約掲載を使う!!

「――封――を――」




…………




……




「うっ――」




 ながいながい変な夢を見ていたようなぁ……。




 ゆっくりと目蓋を開けえぇぇ――んんん? あれ!? ここは?


 目の前には真っ白な景色が広がっていた。




 ……また夢だな、そうに違いない。こういう時は自分の頬をつねる――だっけ?


 な、なぜだ? ぜんぜん手が上がらない!?


 足は?


 うおおぉぉおおおおーー!!


 あっ、ちょっとだけ動いた。


 口を動かし声を発しようとしたが、何かに当たって上手くできない……のか?




 体全体に意識を集中。…………鼻と口に何かが当たっている?


 そして今現在の状況が、現実である事の証明に、尿意が結構ヤバイ! もう一度確認するが、尿意がヤベエェ!!




……




 う~む? 少しの間、検証してみてわかったが、今の俺はたぶん赤ちゃん。()()()()()と照らし合わせるとそう結論できた。本当に死んで転生したようだ……。




 相変わらず景色は変わり映えのない白。そして、息苦しい。


 おかしいな、目の前に両親が薄ぼんやり見える展開でも、思い……だした……!な展開でもない、一体全体どうなっている。


 はぁ、む? よーく見ると布? ……真っ白な布だコレ!! 神の野郎が変な事を伝えてきていたな、“生まれるはずのない命”とか何とか……。




 生まれるはずのない命。




 死んでしまった命。




 脳裏に医者がご臨終ですと言って、白い布を顔に覆いかぶせる風景が浮かんだ。


 ヤバイヤバイ、ヤッバーイーー!!!


 燃やされるーーーたいおーーん!


 ……ヨシッ! たぶんある。生きてますって知らせねば、葬儀が始まる?――始まっている!?


 とにかく無我夢中で暴れようとするも、体がまったく言う事を効かない。


 どうづる゛おれ! どうじよ゛うおれ!!!


 転生して速攻で死ぬとか何の冗談!!! あぁ、目から汁が止まらない。だんだん意識も朦朧(もうろう)としてきた。涙が顔をつたって――つたって……?




 涙が目の前に落ちていった。




 これは、うつ伏せ?……うつ伏せかあ~~。はぁーー! なんかどっと疲れたーー!!




 冷静に状況を整理すると、赤ちゃんに転生してベッドか何かに、うつ伏せで寝てただけと。はぁ~、何を取り乱してんだか、穴があったら入りたい。とりあえず呼吸がしやすいように顔を横に向けよう。ちょっと目の前が霞んできたからな。


 ウンショっと、ヨイショっと、ほらよっと! あれれ、動かないぞ~?


 まじか! マジかっ!! 本当(まじ)かッッ!!!


 ああ……意識が飛びそう…………目の前が暗くなってきた。……けっきょく死ぬのか……もっと早くに…………イヤイヤ、死ねない。こんな所で!


「……ぅぇ……」


 俺は最後の力を振り絞り声を出した。




「きゃああぁぁあああ~~~~!!」

 ドタバタドコドキャ




 もの凄く()()()()()()、近づいてくる音がする……?


 ――誰かが抱き上げてくれた!?


 おかげで息ができるぞ! それに、とても柔らかい物に包まれているようなー。


 薄暗い視界で、命の恩人の顔が見えた。ボヤっとしているが女の人? この世界での母さん!? 


「……ぅぇ……ぅぇ……」


 だんだん呼吸が楽になってきた。涙も乾いて、目の霞も晴れ……。




 ――ドキン!!


 晴れた瞳でその人を見た!


 茶色の髪はすべてをやさしく守るようにウェーブ状に広がり。その顔の造形は芸術的かつ、見る者を癒してくれる。唇は天使の歌声を紡ぐのに相応しい完成された健康美。睫毛もこれでもかというくらいあちこちに広がり、ちょっとお茶目な感じが似合いそう。


 瞳は翡翠のようなグラデーションでとても大きく綺麗だ。


 そう! とても大きい、めっちゃ大きい、尋常でない位に大きい。アニメやゲーム、漫画等に出てくるデフォルメ顔。それが目の前にある。オタクなら泣いて喜ぶシチュエーションだ!




…………




……




 しーかーしー、今の俺は赤ちゃんである。想像してくれ。自分より何倍も大きい顔が近くにあるのだ。――綺麗だけど! はっきし言って巨人の顔が近くにある迫力!!!


 えーと!? 何が言いたいかって? それはその、怖かった――。


 ……漏らしてしまうくらいに――。




 漏らしたんだよ!!! 三十歳にもなるおっさんが、美女の前で、悪いかよ! っていうか誰に対して考えてんだ。恥ずかしさのあまり頭がおかしくなったか? 死にたい、誰か助けて――。


「ティアーーッ!! 何をされたのか、おわかりですか!?」


「ふえぇぇ~」


 母さん?が憤怒の如く何かを言っている!? まだ、漏れそうです! やめてくださ~い~!!




 誰に対して怒っているのだろう? そんな事を考え始めていたら母さん?が膝を曲げ、怒られていた人に俺の体を向けてくれた。


「ティアいいですかっ! まだ、首も座っていない赤ちゃんを、うつ伏せに寝かせてはけないのです。最悪の場合、……息ができなく、死んでしまうのですよ」


だっで(だって)~、エ゛イ゛ドが(エイドが)~。こうじゅいをがだ(こうすいをかた)づけで(づけて)っでい゛っだがらあ(っていったから)゛~。ヒッグ! ぎゅうに(きゅうに)、ヒッキュ! ぞの(その)、ヒック!!」


 きっと今の俺は、ポカ~ンとアホ面を(さら)していることだろう。目の前にいる幼女に釘付けで。


 その子の輪郭は丸みを帯びて非常に幼さを強調し、少し朱に色付いたほっぺには、ケーキの食べカス?が付着している。黄金の太陽のように人々を照らすであろう、明るい髪がさらさらと腰の辺りまで伸び。頭の後ろにはでかいレース状の赤リボン――中央に水色の綺麗な宝石――が付いていた。


 青く澄んだ瞳は涙に溢れているが、みんなから愛されるのが当然というほど大きく愛らしい。肌は純真無垢が似合うような真っ白。母さん?も白かったがさらに白い。体つきは幼女特有の細さである。ここポイントね!!


 幼女は頭がでかいのではなく体が小さいのである。ここ重要、本当に! ロリコンとして譲れない!!


 背は八から九歳――小学生二、三年――位? 服は水色と白を基調として、ほんのりピンクな甘ロリ衣装。ロングスカートにはフリルがたくさん施されており、リボンがあちこちに散りばめられている。腰にはメルヘンチックな大きなリボン。


 上もフリルにリボンたっぷりで、首元付近に水色の特徴的なブローチがあり、もこもこケープを羽織っている。ちょっとヤンチャなのか手袋は少し汚れていた。


 この子は誰なんだろう? とっても、タイプです!! 君のお父さんになってあげよう。


 ハーハッハッハーー!!!


「いいですか? 他人のせいにされてはいけません。普段からお片付けをされないのが悪いのです。それに赤ちゃんは繊細なんですよ?――」

う゛ん゛(うん)…………う゛ん゛(うん)……ごべんなじゃい(ごめんなさい)……わかっぢゃ(わかった)――」


 今は理解不能な言語のお説教をしているみたいだ。幼女は涙を流して(うつむ)き、スカートをその小さな手でギュッ!としている。この子は俺の姉かな~?

 

 しかし、この世界の住人は二次元みたいな容姿だな。でも、ここは三次元だよなあ~。あれかな? 架空のフルダイブVRに入ったような気分だ。死ぬ前にやっていた[ケイン・ナイカ]とは、やっぱり関係がなさそう。最後までプレイできなくて残念だな~。やりてえなぁ~~。


「このくらいでよろしいでしょう。次からはお気をつけを、いいですね!!」


「うん……」


 どうやら終わったみたいだ、俺を持ち直して立ち上がろうとしている――。


「これは!」


 母さん?が俺をどこかに移動させている。


 ベビーベッドなのかな? さっきまで俺が寝ていた所だ。


 ベッドに寝かされ、どこかに行ってしまう。その時に服が目に入った。


 メイド服だ!! 母さん?はメイドさん?




「う、あう」やっぱ喋れないか。ガックシ!




 手に何かを持って戻ってきた。あれは白い布?


 とうとうこの時がきてしまったのですね。赤ちゃんなら絶対に避けられないイベント。


 おしめ交換!!!


 この歳で、介護をされる体験ができるんですね? わかりますん。なんて手際がいいのでしょうか。さすが母さん?です。ササッと服を開けられ、おしめを取られ、俺の大事な場所を、綺麗な湿った布でフキフキ? フキ、フキ!?




…………




……




 あれ、おかしいですね? 俺の大事な場所、ちょっと小さすぎやしませんか? いやまさか、有るよね!? ま、まま、まさか無いとか!!! え? えぇ!?


 ええぇぇぇえええーーッ!!!




…………




……




「ねちゃったね」


「そうですね。まるで天使様のようです」


 意識を失った赤ちゃんを囲んで二人は話をしている。


「ティア様、お口にケーキがついてますよ」


 エイドが手鏡でティアを映す。


「そのように、お舌でお拭きになってはいけません」


「ふぇ、ごめんなさい」


 ぐ~~とティアから腹の虫が鳴った。


「まだお腹がお空きなのですか!? 仕方がありませんね。お部屋をちゃんとお片付けされたら、私の分も食べていいですよ」


「ヤッタァーー!!」


 ティアがお片付けするために部屋を見回す。


 そこには誰かが一直線状に破壊活動をした痕跡が深々と残っていた。


「も、申し訳ございません」


 破壊活動の主は顔を赤面、居たたまれなくなっている。


「いっしょに、おかたづけしよう、っね?」


 エイドのスカートをちょこんと引っ張る。


「そ、そうですね。ありがとうございます」


 二人は顔を見合わせると、お互いに笑顔を向け合った。




イベントクリア報酬

ゲットスキル

【九死に一生】

【勘違い】【変に前向き】が無かったら死んでたよ?

補正 防御力+10%UP ピンチ時全能力+20%UP


【ヘタレ】

女性に迫られただけで漏らすヤツ

補正 回避率+1%UP


【ポエマー】

ポエ、ポエ、ポエム? 君にはそう見えているのか~

補正 詠唱時間-10%


secret

【キモイ】 ⇒ 【キモイ+】

何が「君のお父さんになってあげよう」だ

補正 きっもお!


【心のち○こ】

体に無いから

補正 攻撃力+10%UP


ティア

【食いしん坊+】 ⇒ 【食いしん坊++】

パクパク ペロリ ぐ~~

補正 HP+3 <new>回復量+50%UP


エイド

【ポンコツ+】 ⇒ 【ポンコツ++】

どこか抜けている

補正 HP+3 <new>防御力+3




注釈 スキルは 無印<+<++<SP<EX の順で強くなります

創作日記:〈未来からの干渉により要約〉

服わからん。調べた。これから服関係どうしよう。


未来日記:今回の日記要素は『キャラの容姿』です。

前回と今回の違いは、できるだけ内面がわかるように描写を足したのと、後の話で出てくる特徴を追加しました。前よりかは良くなっているはず。

キャラの容姿みんな悩むよね~。今現在の見解はポエムで着飾っても、読者には何にも伝わらないです。

例えば、精霊に祝福されたような、この世に遣わされた天使のような、美の女神の生き写しのような、とか、そんなムダな言葉より美少女で十分です。主人公がポエマーならその描写でも問題ないですが。目がポエムポエム⇒ようは碧眼ね。髪がポエムポエム⇒金髪ツインテね。顔が体がポエムポエム⇒背がこれくらいで、胸がこれくらいね。で、美少女以外想像するか? 文字数のムダですね。流し読みされて特徴を()()()()切り取らす手間が増えただけですね。


続く。

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