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縁側にて  作者: 新庄知慧
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夢の彼方のけたたましい音

 夢の彼方で、けたたましい音がした。


 くりかえし、くりかえし、その音は鳴った。それから、乱暴な音。何かを引っ張っては、バタンともとにもどし、またグイッと引っ張る金属的な音。それがくり返された。


 それから、キリキリいう嫌な音がして、ブチリと何かが切断された。


  僕は、ハッと目を覚ました。首だけあげて、玄関ドアの方を見た。今しもドアが開き、何者かが僕のマンションに侵入しようとしていた。


「!」


僕は身構えた。

ドアを開けて、一人の背の高い背広姿の男が入ってきた。家の中に僕がいるのを見て、びっくりしていた。それより驚いたのは僕の方だった。その男は、見覚えがあった。あの、ホストクラブのホストみたいな奴。


「・・・」


  お互いに顔見合わせ、驚愕の表情で睨み合った。

「・・・と。ちょっと・・・」


 面食らった表情で、男がもぐもぐ言った。それをきっかけに、僕は切り裂くように言葉を放った。


「誰だ!誰だあんたは!」


  相手は固まってしまった。


「不法侵入だぞ。ドアチェーンを切ったな。器物破損だ」いいながら、僕は電話に駆け寄り受話器をとった。「警察を呼ぶ!」


 男は慌てて、


「まちなさい!」

  といい、胸ポケットから手帳を出して見せた。


「刑事です。私が警察です」

「?」


今度は受話器を手にした僕が固まった。


「いえ、失礼。ひょっとして中で事故かと思い、とっさにチェーンを切断しましたが、判断ミスです」

  男は頭を下げた。


「そんなことは信じられない。とにかく警察に確かめる!」


 僕は警察に電話した。名前と住所と事の次第を述べたら、意外な返事がかえってきた。


「うちの署の●●がそちらにうかがっているところです」


  顔色を変えた僕を見て、男はニヤリと笑い「●●です」といってまた頭を下げた。



・・・つづく


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