第85話 シアの気遣い
今回は投稿を7時にしてみました!
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サラとの仲が何も発展しないまま、俺が学園へ入学するのにあと二日まで迫っていた。
このままだと、サラがみんなと馴染めなくて学園で一人になってしまう。
サラのおばあさんの願いは叶えてあげないと。
「行ってきまーす!」
「シア様!行ってらしゃいませ!」
俺は王都にきてからも、ある程度の行動自由は与えられていた。
一人誰かを連れて行くという条件付きで。
そして今回連れて行くのはシルヴィア。
本当はセレスを連れて行きたいんだが、能力とかバレると、あとあと面倒なことになる気がしたから、そのことを知っているシルヴィアを連れて行くしかなかった。
「それを聞くと、遠回しに私と出掛けるのが嫌だと言っているように聞こえなくもないいんですけど…」
「その認識で間違いない」
「ガーン!」
「じゃあ、行こう」
「うー、シア様〜」
シルヴィアは泣きそうな顔をしながら俺について行く。
今回は、こんなシルヴィアと街に出ます。
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「おばあさん、バラヘラアイスください!」
「はいよ。ちょっと待っておくれ」
「うん!」
そしておばあさんはバラヘラアイスを作り始める。
「はいよ、お待たせ」
「うん、ありがとう」
そして俺はバラヘラアイスを食べ始める。
まずは舐めて味の確認。
ペロッ
「うーん、おいしっ」
「あのーシア様?」
これは何回食べても飽きないぞ。
どういうトリックを仕込んでるんだ?
(トリックも何もありません)
「あのーシア様。私を忘れていませんか?私も食べてみたいのですが?新手の放置プレイですか?シア様にそれをされるのは少し、いえ!、結構悪くないんですが、割と本気で無視されるのはつらいですぅ。ハァハァ」
「ん?ごめんなんか言った?」
俺は強めにシルヴィアを睨む。
「ゾクリッ。シア様が睨んでもただ可愛い子がてーイタタッ痛いです!すみませんシア様、もう言いません!なんでもございませーん!」
「ふんっ」
「ガビーン!」
シルヴィアとのことはこれまでにしといて。
サラのことをおばあさんに聞かないと。
「おばあさん。サラは今どこにいるの?」
「サラかい?サラはどこかに出かけていったよ」
「そうなの?何処だかわかる?」
「いや、聞いてないから分からないねぇ」
「そう…何処にいるんだろう?」
俺は頭を悩ます。
「うーん……まぁいいや、適当に探せば。おばさんごちそうさま」
俺はおばさんに買った分のお金を払う。
「シルヴィアいくよっ」
俺は先に歩き出した。
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《シルヴィア視点》
「シルヴィアいくよっ」
シア様は私を置いて歩き出した。
「…ぁあ!シア様待って!」
私はシア様を追いかけようとした。
がそのとき。
「ちょっとお待ち」
おばさんに話しかけられた。
私は早くシア様のところまで行かなきゃいけませんのに!
「何でしょう?」
私は少し機嫌が悪そうな顔をしてそのおばさんを睨む。
「そんな睨まなくていいよ。ただこれを渡すだけさ」
そしておばさんは、私にバラヘラアイスを一つ作って差し出した。
「あの…おばさんこれは?私お金払ってませんよ?」
「いや、もらったよ。あのシアっていう娘に」
「えっ?シア様が?」
「そうだよ。というか、追いかけなくて大丈夫なのかい?」
「あっ!おばさんありがとうございます!」
そう言って私はシア様を追いかけた。
その時の私の顔はとてもニヤニヤしていました。




