第67話 王都へ到着!
お待たせしました。
「シア様、見えてましたよ!」
「うん?ほんとだ」
俺は、少し乗り物酔いをしながらも、すぐそこまで近づいている王都へ目を向ける。
「やっと着いたわね!王都ヘスティアに!」
ヨメナも、すぐそこに近づいているゴールに喜んでいる様子だ。
ほぼ目の前まで来ると、俺たちは、検問のために少しばかり時間を待つ。
「次だ」
俺たちの番らしい。
「どんな目的できた?」
「近頃始まる学校に娘を入れてあげるためよ」
と、ヨメナが門番の人に言って、乗り物酔いで具合悪そうな俺を指差す。
「なんか怪しいぞ…お前名前は?」
「ヨメナ・シルフォリウムよ」
「シルフォリウム!?英雄だと!?申し訳ありません!お通りください!」
門番の人は、俺たちが英雄の関わりのある人だと知ると、態度を変え、俺たちをすぐに王都の中へと入れてくれた。
でも、そのおかげで、面倒を避けられたし、チャラにしてやろう。
「うわぁ、すごーい…」
「人がいっぱいいる…」
エリナやアリサたちは、王都の活気の良さに驚いている。
まあ、そこら辺の街より遥かに違うからな。
しかも、俺たちと同じように、王都の学園に入学するために、色々な町や村から来るため、いま王都は、いつも以上に活気に溢れている。
だから、俺からみても、結構驚く光景だった。
前世では邪神を倒すのに精一杯で、街の風景や街の様子なんて、のんびりみていなかった。
邪神との闘いで、死んでしまったという理由もあったが、今はこうしてのんびりと見ることができている。
そんなことを思うと、女神様が俺を、生まれ変わらせてくれたことに、ありがたいと感じる。
性別を変えられたのは、未だに根を持っているが。
今俺たちは馬車を止めて、ある人が来るのを待っていた。
そのある人とは、俺も知っていた。
「ヨメナ〜!久しぶり〜!」
「あっ、ティナ!」
そう、ヨメナと一番仲よかったルルティナだった。




