第60話 シトレア、万が一を逃れる
60話突破しました!
ここまで来れたのも、読者の方々のおかげです。
ありがとうございます!
俺とエリナは、早速自分に合う浴衣を選び始めた。かといっても、俺が選んでもいびつなものを選んでしまうだけだが。
一方でエリナは、浴衣選びに積極的だった。鼻歌を交えながら、どれにしようか迷っている。
そして、しばらくしてエリナは、浴衣の一つを手に取った。
「シア、これ可愛くないかしら?」
エリナは、まさに女の子!という浴衣を見せてくる。だが、少しエリナには合わなそうな服装だ。
「……うん」
そのため、曖昧な返事をしてしまった。
「最初のためは何なのよ!まあ、自分に合う浴衣じゃないとは薄々気づいてたけどね…」
エリナはそう言ってからため息を一つつくと、その浴衣を元の場所に戻した。
そして、俺も自分が着る浴衣を選び始める。
できれば女用じゃなくて、男用に似ている浴衣を選んで着たい。
それにしても、この部屋には、たくさんの浴衣があるなあ。
そう思いながらも俺は、歩き回りながらも男の人用っぽい浴衣を探す。
と、歩いている時。
「シトレアはん、ここから先はダメでございます」
「なんで?」
俺は、少し強めに聞く。
「この部屋は、殿方の子ども用の浴衣も置いてありますゆえ、こちらからは殿方の子ども用になっているのでございます」
「私はそれを着たいの!」
「それはダメございます。私はいいのですが…」
「じゃあ…」
「いえ、ヨメナはんにそれだけはダメだと言われておりますゆえ」
またヨメナか…でも俺は諦めない!
そして俺は、キョウカさんを抜こうとしたが、
「行かせません」
大人の女性の力に、か弱い俺が勝てるわけもなく…
結局俺は、キョウカさんに抱っこされる形になった。
「では、私がシトレアはんの浴衣を選ばせていただきます」
「やーだー!」
俺は、キョウカさんの大きな胸の温もりを背中に感じながら、無意味な抵抗をする。
そんな時。
「シアー、ちょっときてー!」
その声が聞こえて俺は、キョウカさんを見つめる。
離せ、離せ、離せ!
そしてキョウカさんは一つため息をついてから言った。
「はぁ、仕方ありません。今は離してあげましょう。ですが、終わったらまたさせていただきます」
よっしっ!よくやったエリナ!一時的なものだが、この価値は高いぞ!
そしてキョウカさんは、エリナが俺のことを呼んでいるため、渋々抱っこするのをやめてくれた。
「シア、まだなのー?」
「今行く!」
そして俺は、エリナの方へ早歩きで向かった。
結局この回でも浴衣終わらなかった。
日中にも更新します!
今回が短いので、日中にでももう一回投稿します!




