第54話 俺に選択の余地はない
今日は早く終わった。
そういえば、ブクマ100超えてました。
ありがとうございます。
昼食は、セレスにサンドウィッチをあげた後も続いた。
みんなが個人の好きなように、サンドウィッチの具材を決めて楽しんで食べている。
だけど食事の風景は、どこかいつもと違う気がする。
食事というのは、三大欲求の中の一つ。みんなが人間として、最低限の欲求の一つだと俺は思う。
だって、お腹空くだろ?
その中で俺たちは、普段とは違う、それまた、以外な一面を見ることができる。また、気づくことができる。
ヨメナとエリナのお母さんが、サンドウィッチを食べながら仲良く喋っている。
また、オシエもその中に加わっているのも珍しい。
そんなように、人との関わりをもてる食事は、人間関係に多大な影響を及ぼす。
こんなヨメナが、いや、みんなが笑っている日々を俺は守りたいと、改めて感じた。
そして、楽しい食事時間が過ぎていった。
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食事を終えたあと俺たちは、エリナの家でその後ものんびり話していた。
そして、夕方になる前頃。オシエがいきなりある提案をした。
「そうです、みんなでお風呂に入りませんか!」
「でも、私たちの家のだと…」
エリナのお母さんは、少し申し訳なさそうにしている。
「打開策があります!温泉に行けばいいんです!」
と、自慢気にオシエが言う。その提案を聞いたみんなは、その提案に賛同し始めた。
なんか、みんな乗る気じゃないか…?俺はやだぞ。
だが、ヨメナもその提案に賛成して、俺の立場も変わってしまった。
「それはいいわね、温泉なんてなん年ぶりかしら?楽しみだわ。ね、シア?」
「え?私はちょっと…服とかもないし…」
それなりの理由を言っておけば断れる。そう確信していた俺だが、ヨメナは、そのことを想定していたらしく、少し自信ありげな表情を見せている。
「それがあったら問題ないのね?」
とエリナ。
「う、うん」
「私の魔法でさっき買った服とかもってるから大丈夫よ!」
と少し誇らしげに言うヨメナ。
「で、でも…」
この温泉に行く案で俺が嫌なのは、みんなで温泉に入ることじゃない。
じゃあ何かって?
それは、一人で着替えや身体を洗ったりすることができないのがバレること。
それだけは絶対に阻止しなければならない。
行くことになるのならば願わくば、最終手段は脱走して…
「シア様は、お一人で着替えたり洗ったりできないことが気になっているそうです」
「ギクッ」
なぜバレた!?てか、セレスさん、それ言ったらアウトだぞ!
「シア、そうなの?」
ヨメナが聞いてくる。
「そ、そうだよ」
チーン…終わったぜ。
俺が一人で着替えられないことがみんなに広がって行く…
「大丈夫よ、私が貸し切り状態にしてあげるから!」
ヨメナさん、それ、慰めになってないです。
てか、どんだけ俺を連れて行きたいんだよ、温泉に。
結局俺のあがきは無駄となり、みんなで温泉に行く羽目になった。
もちろん無理矢理。
今回の土日は、ペースを上げていきます。
ちなみにあと少しでこの章が終わって、学園編に入る予定です。
今月で終わらせればと思います。




