第48話 そして二年後
おまたせしました
いきなり二年後、シトレア六歳から始まります。
そろそろ展開を早めて行きます!!
PV30000突破
ユニーク6000突破
ありがとございます!
これからもよろしくしてくださったらうれしいです!
エリナが俺の家に遊びに来てから、約二年ほど経過した。
俺もエリナも六歳になり、かなり成長したと思う。俺なんて結構な優良物件になったんじゃないかってほど。
『おはよう、シルヴィア』
『はい、おはようございます、シア様』
このシルヴィアとの心の中でのあいさつも、もはや二年経った今では習慣となった。
俺は、重たい眼を擦りあくびをしてからベッドから起き上がる。
それに合わせてガチャッと部屋のドアを開けてオシエが入ってきた。
「失礼します。シア様、おはようございます」
「うん、おはよう」
あいさつを終えるとオシエは、俺の部屋の隣にある、俺専用の衣装部屋から取ってきたであろう一つの着替えを、空いているスペースに置いた。
それを見た俺は、ベッドから降りて、オシエのところまで歩いていく。着替えさせてもらうためだ。
「では、失礼します」
そう言って、俺の着替えを始めた。
もう、俺がシトレアとして生まれてから六年ほどが経過した。アキレアとして生を受けていたときにはみんなと同じで一人で着替えていたが、シトレアとして生を受けてからは、運動するときの練習着を着るときぐらいしか自分では着替えなくなってしまった。
いや、その練習着も最近はオシエやセレスにやってもらうようになってしまったが。結果的に、オシエやセレスに着替えさせてもらうのが俺の中では当たり前になってしまった。
そしてその代償はとても大きいものだった。
俺は着替えさせてもらっているその代わりに、自分で自分の服を着ることが出来なくなったのだ。
その証拠に、オシエに一人で服を着てみてくださいと言われると、ただ服を持つだけで何も着替えることは出来なかった。
結論。
そう、堕落した。残念なことに。
だから俺には自分が着る服を選ぶ権利がない。だから、いつもドレスみたいなものに着替えさせられる。
それも一、二年ほど前まではドレスやスカートといった女の子の服を着るのを躊躇っていたのだが、毎日毎日着ろと攻めたてられて諦めてから、いつのまにか慣れてしまった。
たぶん、今だと男用の服を着た方が違和感が出てくるだろう。俺の男の尊厳はどこにいったのやら。
「ではシア様、髪の方をお結びしますのでこちらにお座りください」
服の着替えが終わると、次は髪を結ぶ時間だ。俺は、オシエに言われたとおりに椅子に座った。
その時にちょうどいいタイミングでセレスが俺の部屋に入ってきた。
「失礼します。シア様、おはようございます。」
「おはよう、セレス」
そして俺とオシエのとこまでやってくる。
なぜオシエもいるのにセレスも必要なのかって?
理由は、俺の髪がとても長いため、一人ではすごく時間がかかってしまうからだ。
だからセレスは、ヨメナを起こしにいった後に、ほぼ毎日俺の部屋まできて俺の髪を結ぶのを手伝ってくれている。
みんなに聞いてほしい。
俺が成長してたのは、髪だけではない。
嬉しいことに身長が少し伸びたのだ。まだ全然小さいけど。
それでも身長が伸びるのは嬉しいんだよ!
まぁ、俺とヨメナの子供だしな。俺もヨメナもすごい身長が大きいというわけではないしな。
身長に関してはあまり期待はしていないというか諦めているが、それでも伸びるのを期待したい。
そして二年前と違い、俺の身体で一番変わったであろう場所。
俺の身体で一番成長したのは不本意だが、胸だろう。少し前までは男と同じくらいだったのに、今では少し胸のところが膨らんでいて柔らかい。
ヨメナたちによると、この歳で胸が成長するのは早いらしい。実際、俺と同い年のエリナはまだ胸は膨らんでいない。ヨメナたちが言うには、ヨメナも胸が大きいため、俺も遺伝で胸が大きくなるからじゃないかという。
胸が大きい女の人は、一個人としてはなのだが、自分が大きくなるというのはちょっとひけるというか虚しいというか…
こればかりはわからないから、そんなに大きくならないようになることを祈るしかない。
無謀かもしれないが…
「はい、シア様、髪を結ぶのが終わりましたよ」
「ん、ありがと、オシエ、セレス」
「では、朝食の支度をすぐにいたします」
「うん、私もいっしょにいく」
その後俺たち三人は、朝食の準備をしに一階へ降りていった。
そして朝食の準備が終わる頃に、ヨメナが降りてきた。
「おはよ〜ふはぁ」
「ママおはよ」
俺もヨメナにあいさつをする。その後にオシエとセレスも続いてあいさつをした。
そして俺たちは、揃って椅子に座って朝食を食べた。
朝食を食べ終えると俺は、特訓のためにオシエと部屋に行き、動きやすいスカートとシャツを着させて貰う。ちなみにスカートの中が見えてもいいようにスパッツ?を履いている。
二年くらい前には自分でこの着替えくらいはやってたのに、ラフな着替えも他の人にしてもらっている。
やっぱり慣れって怖い…
着替え終えると俺は特訓のため、いつものように裏庭に歩いていく。その隣にオシエもついてくる。
外では一人になるのは禁止されてているため、一緒に来てもらっている。ほんと敷地内くらい自由にさせて欲しいもんだ。
裏庭に行くと、すでにライラとアリサが剣の撃ち合いをしていた。
さすが、のんびりの俺なんかと違ってしっかりしているなぁ。
今の俺は、剣の特訓の日にちは、週に二回から三回程度に減った。
そのおかげか、体力を回復させる時間が増えて、寝込むことは少なくなった。
だが、その間にもアリサたちは色々な特訓をしているため、日に日に強くなって来ている。
まぁ俺も神界で一人で少し鍛錬しているが。
そう、俺は他の人たちよりも日々進化を遂げている。だがもちろん、そのことをヨメナやオシエたちは知るすべもないのだ。
そんなことを考えている時だった。
「シア〜!」
俺の名前を言いながら誰かが後ろから抱きついてきた。
「あ、エリナ!」
アリサはエリナに気づいて名前を呼ぶ。
二年前にこの特訓にいなかったエリナがなぜこの特訓に来ているのかというと。
それは一年前くらいまで遡る…
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