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第35話 エリナは方向音痴


「エリナ、後何分くらいで着くの?」


「うーん、あと十分くらいだと思う…」


二人は手を繋ぎながら歩き続ける。と、その途中でシルヴィアに話しかけられた。


『あれはなんですか?』


「うーんあれはなんだろう?」


シルヴィアに聞かれて悩んでいた俺に気づいたエリナは、それについて話し始める。


「それはね、アイスクリームっていうのよ。」


『「アイスクリーム?」』


「私も詳しくは分からないんだけど、甘くて、冷たくて美味しいらしいのよ」


それを聞いたら黙ってはいられない。今の俺は甘いものに目がないのだ。食べられるならぜひ食べてみたい。


「その…アイスクリーム一つ食べてきていい?」


そしてエリナが悩んだ結果…


「うーん、しょうがないわね。一つだけよ?」


「うん!約束する!」


そして俺は猛ダッシュでアイスクリーム屋さんへ行った。


「すみません、アイスクリームください!」


と店員さんに声をかける。


「どの味にいたしますか?」


「味?」


エリナが聞き返す。すると店員は、丁寧に教えてくれた。


アイスクリームにもいろいろな味の種類があるらしい。結局、俺はチョコレート、エリナはバニラを買うことにした。


途中でシルヴィアも食べたいとうるさかったが…

俺たちは、近くにあった椅子に座って食べ始めた。


さてと。アイスクリーム、お手並み拝見といこうじゃないか!


俺は一口アイスクリームを舐める。


「んーーー!美味しい!」


何これ?超美味しいんだけど。しかも冷たいし。いくらでもいけそう。


「ダメです」


俺が思ったことにエリナが、口を出した。


なぜわかった!?


「そんなに名残惜しい顔してたら誰だってわかるわよ」


そうか、そんなに顔に出ていたか。以後気をつけようじゃないか。アイスクリームのためにも!そう言いながらも、エリナもアイスクリームを食べ始める。


バニラも美味しそうだな〜


そのとき、ピカーンと閃いた。


「エリナ、私と一口アイスクリーム交換しない?」


「ふえ?ええ!?」


エリナはなんか知らないけど顔を赤くしているが、我ながらとても良い案だと思う。


さあ、バニラアイスを俺にもよこせ!そして寄越さないなら…俺から出るのみ!


俺は、そのままエリナが持っているバニラアイスを一口かじった。


「あっ!!」


バニラうまい。


「はい。私も食べたから、ほら、あーん」


俺も食べたんだからお返ししないとな。


「ほら、腕が疲れるからー」


「うっ、うん、あーん」


ぱくりっ


エリナが俺のアイスクリームを食べる。そらからエリナはしばらく顔を赤くしていたが、「何にもないわよー!」しか言わないから、何も口出さないことにした。


そのあと俺たちは、ふたたび昼ご飯のために歩くのだった。




アイスクリームを食べ終えてから二十分くらい経っただろうか。

未だに着きそうにない。

涼しい顔で歩いているから、道に関しては、問題ないだろうと踏んで、俺は、エリナについていった。



そしてまた同じくらいの時間が経過した。これはおかしい気がする。


『なんか、同じ場所を何回も通ってございませんか?』


確かに。俺目線ばっか気にしててあまり気づかなかった。俺はエリナのそのことを伝えた。


「エリナ、ここは何回も通ったよ?」


そらを言った瞬間、エリナの顔は真っ青に染まり始めた。


うん、その顔を見て理解した。


君、方向音痴だね。


俺は一人で街に来て一回目で迷子になりました。


本当に勘弁してほしい…

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