第34話 エリナ
いつのまにか寝てました…
すんません。
こってりと女の人に怒られた後。
「そういえば…あなたお昼食べるところを探してるって言ってたわよね?」
「はい、そうです」
「じゃあ、私の家の食堂で食べるのはどう?」
「いいんですか?」
「別にいいわよ。とって食べたりしないから、大丈夫よ」
「ごめんなさい、ありがと…えっと?」
「ああ、名前ね。まだ言ってなかったわ」
彼女は髪を払うと、威風堂々と言葉を述べた。
「私の名前はエリナよ。よろしく」
「うん、さっきはありがと、よろしく、エリナ」
「やっと砕けた感じになったわね」
「?」
俺は、首をかしげる。いや、さっき怒られたのを根に持っているだけであって…
「別にいいわ。さあ、私もお腹すいたし早く行きましょう」
「う、うん」
俺は、エリナの近くまで駆け寄る。するとエリナは俺に向かって手を差し出しきた。
「???」
俺は首をかしげる。
「この手は?」
「はぐれて迷子になったり、誘拐されたら困るから、手をつないでいきましょ。という意味よ」
ああ、そういうことか。納得…いや納得してはならない!だってこれじゃあ、俺が子供扱いされてるっていうことじゃん!?
俺は、自分の容姿を考えて見て落ち込み、結局あきらめて手を繋ぐ。
うん、違和感がどこにもないか…残念無念。
人間はやっぱ嫌なことは避けられない。しょんぼり。
てか、エリナというか何回も思ったが、女の子の手は柔らかいな。今は俺も女だけど…
そのまま俺たちは、エリナの家の食堂を目指して、ふたたび街を歩き出した。
俺はまだこの時点で悪魔エリナに一番させてはいけないことをさせてしまっていることを知る余地がなかった。
次は12時です




