第143話 セレスの身に起こっていること
おまたせいたしました。
俺は、セレスが放った剣の一撃をそのまま避けれないでいた。
(俺の人生もここまでか…今世も短かったなぁ)
そう思って目を閉じた。だが、一向にその剣が俺に当たることはなかった。俺は今の状況を確認するために、恐る恐る目を開けた。
「えっ…?」
なんとセレスの剣が、俺の頭すれすれで止まっていたのだ。
「シア…さ…ま」
「セレス…?」
「よけ…て、くだ…さい」
俺はそこで気を取り戻してセレスに強く言った。
「セレス、どうしたんだ!何が!」
「お願い…します…はや…く、うっ…うがぁあああーー!!!」
セレスは、何かに対抗するかのように叫び声をあげながら苦しそうにもがいている。
そしてその叫び声がやみ終わったと同時に、セレスは再び俺に向かって剣を振り下ろそうとした。
だが、二度同じヘマをする俺ではない。
でも、近くにいるココロを一緒に守るとなると少し厳しいかもしれない。
だがやるしかない。
そう思った時だった。
「シア伏せて!!」
俺はそれを聞いた瞬間に、ココロと一緒に地べたに伏せた。
「シザーウィンド!!」
その魔法によってセレスは強制的に、俺たちから遠ざかることになった。
それよりも…
「ママ!!」
そう、この魔法を放ったのはヨメナだった。
「シア大丈夫なの!?」
そのヨメナは、俺のことが心配らしく、魔法を放ってセレスが俺たちから遠ざかった瞬間に、すぐに俺たちのところまで駆け寄った。
「わたしは大丈夫。それよりもココロのほうが危ないかも」
「そう。ーーー確かに少し酷い怪我をしているわね。回復魔法かけとくわね」
「うん、ありがと」
そしてヨメナは、ココロに、そして俺についでに回復魔法をかけてくれた。
「じゃあシア、ある程度二人の傷は癒しといたから、ココロを連れてこの場からすぐに離れなさい」
「でもママ!」
「セレスはあなたたちで対応できるほど弱くないわ。ましてや普通のセレスは相手できても、今のセレスにはね」
「普通?今?」
「セレスは今、誰かの魔法によって洗脳されているわ」
「っ!?」
それは勘付いていた。だが、ヨメナの口から聞くと、知っていてもやっぱり驚きがあった。
「でも、法で人を洗脳する魔法は禁止されているわ。だから、セレスを洗脳する手段としてあげられるのは」
「固有魔法」
「そう、それしか無いわ。だがらセレスとは私がやるわ。さ、ココロを連れて行きなさい。シアには危険な目にあって欲しく無いの。だがら、ね?」
「…分かった。ママ、セレスのことをお願い」
「任せてちょうだい。私がセレスの目を覚まさせてあげるわ」
「うん!」
そして俺は、ココロを背負ってその場を離れた。
「さてと…私はセレスの目を覚まさせてあげないと」
ヨメナは、セレスとの戦闘に備えて魔法を唱えた。
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突然ですが、投稿済みの番外編を事情により除去させていただきます。ご了承くださいませ。
そのため、今後別の番外編を投稿する予定をしております。