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第136話 試合の前の裏で

大変お待たせいたしました!




《シャルル視点》


シトレアとココロのことがあった時間から少し遡った時のこと。


「シャルー、試合はどうしたのー?」


「いやー、ちょっとその前に野暮用があってなーって。あははははっ」


私はクラスメイトの女の子にそうさらっと答えた。


「そうなんだ〜じゃあ、楽しみにしてるから頑張ってね!」


「おう、ありがとな」


「うん!じゃあね!」


そしてクラスメイトの女の子は去っていった。


「はぁ…」


私は一つため息をついた。


本当はそんな用事なんかない。いや、本当にあるっちゃあるんだけど…

一番の理由は、妹のサラから逃げたいっていう思いからか。たったそれだけ。


サラに会うのが怖い。あの日、お母さんとお父さんを失ってしまった時から。


私には怖いどころか、まず、会う資格なんてない。だってあの時、私がしっかりしていれば、お母さんとお父さんは死ななくても済んだかもしれないから。


それから私は、サラの前にいることがつらくなり、自分から離れていった。


自分から妹の前から去る、そして親を殺したも同然の私なんかが、サラと会う資格なんてない。ずっとそう思ってきた。


そんなことを思っていたある日のこと。


学園の寮の帰り道に、知らない女の人から話しかけられた。


「ちょっとそこの貴方、私のお願いごとを聞いてくれない?」


「私か?」


「そうよ、貴方にお願いがあるの」


「一応話を聞こう」


「うふふっ、どうもありがとう」


その女の人は、そう言ってからポケットに入っていたであろう手紙を取り出して私に差し出した。


「これを貴方の妹さんに渡してほしいの」


「サラ…に?」


「?たぶんその子で間違いないわ。そろそろ気づかれちゃうかも…じゃあ、頼んだわよ!」


「ちょっまっ」


その女の人は、私が話そうとする前に手紙を渡してからすぐさま何処かへ行ってしまった。


「はぁ…」


また一つ妹への重りが増えたか…


そう思いながら、今さっき渡された手紙を見る。


だけど、これはサラに渡すことはできない。


だって私がサラに会うことができないから。


でも私は一つ思ったことがあった。


この手紙を読めば、少しはサラのこともわかるはず。そしたらサラと仲直りだってできるかもしれない…


私は、サラに申し訳ないと思いながらも、その手紙を開封した。だが、その手紙にはそんな趣旨のことは書かれていなかった。書かれていたのはただ一言だけ。


「明日、学年トーナメントの試合の前に地図の記されているところで待つ?…どういうことだ…?」


宛名もあの女の人の名前も書いていない。結構怪しいところはたくさんある。


私が行くしか、ないのか…?


結局私は、手紙に記されていた場所に行くことにした。





そして学年トーナメント当日。


私は試合が始まる前に地図に記されていた場所へと向かった。


「ここが地図で記されていた場所…」


辺りを見渡すと、広々とした自然が広がっているが、全くと言っていいほど人気のない場所だ。


「すぅー…」


私は大きく息を吸った。


その時だった。


「あらあら、ちゃんと来てもらえたかと思ったら、妹ちゃんの方じゃなくてお姉さんの方なの?困ったわねー」


「!お前は昨日の!」


「そうよー?昨日の女の人でーす。で、あの手紙は妹ちゃんのところに渡してくれたのかしら?」


「………」


「はぁ…妹ちゃんがここにいないからもう分かってるけど。で、私の妹ちゃんをここでさらってある人に手渡すっていう計画が一気に壊れたんだけど?どうしてくれるのかしら?」


「やっぱりか!!」


「あら?予想付いてたの?なら仕方ないわねー。どうしようかしら…?あっ、お姉さんの方を攫えばいいじゃない!そうすれば妹ちゃんが釣られて助けに来るじゃない!私ってば天才ねー!」


「私が攫われても、妹は助けにこないぞ」


「はぁあ?来るに決まってるじゃない!変なこと言ってないでさっさと済まさせていただくわよ!」


そして猛スピードで私に向かって来る。


「くっ!」


私は急いで剣を構えた。そして、抵抗するように剣を振ったが……剣は届いていなかった。


どこにいる!?


「あらー、残念ねー?私の速さには勝てなかったみたいねー?」


「後ろ!」


「私の速さについていけるわけがないじゃない!」


そして、私は剣を振り下ろしていくが、全く持って相手には当たらなかった。


「くっ…!」


「そろそろ遊びは終わらしてもらうわ!」


「何だと…!?…ぐぁああっ!」


「あはははっ!無様ね!妹ちゃんを庇うつもりでここに来たのに逆にやられているじゃない!大馬鹿ものね!」


「…サ、ラっ…」


私の意識はそこでなくなった。









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