第123話 勝負は最初から決まっている
大変お待たせしました!
「シア、ここが冒険者ギルドよ!」
ヨメナが俺に自慢するように何故か冒険者ギルドのことを自慢する。うん。てか知ってる。お前よりも俺が行った回数の方が多いくらいだぞ。と言ってやりたい。
そして俺たちは冒険者ギルドの中へ入る。うん。やっぱりいつも通りの何も特徴のない部屋だこと。
「すごい…
「初めて来ましたわ。結構良い雰囲気じゃありませんの」
初めて冒険者ギルドへ来たサラやココロには結構評判は良いみたい。俺も最初はそうだっただけな。
「あれ?クレア?」
「うん?ソニ…!?」
危ない危ない。ソニアに反応するところだった。ここで俺が反応すると俺の今までの苦労が全部意味がなくなってしまう。それは避けねばなるまい。
「お姉さんだーれ?多分人間違いだよぉ?」
「えっ?でもすごい似てるし…」
「全然似てない!たぶん偶然に似てただけ!うん、きっと。ね?そうだよ!」
「うーん?そうかしら?」
そうだよと肯定してくれ!ヨメナの怪しまれてる感じの目線がとても痛い!
「……でもそうよね。貴方が言うならそうなんだわ。あの子はオッドアイじゃなかったし。ごめんなさい。人違いだったようね」
ふぅ〜、助かった〜。何とかごまかせた。
「じゃあシア、それにみんなも冒険者登録するわよ」
「はーい!」
「わかりましたわ」
そして俺たちまず、冒険者登録からすることにした。
サラ、ココロの順番に登録が終わり、残りはあと一人、そう、俺の番になった。
ギリギリまでヨメナが俺の能力とかを見たいと駄々こねていたが、それは最大の個人情報。全てを教えるのは戦場で裸でいるようなものだ。決して親族であっても全てを知られてはならない。だから冒険者登録は俺一人で行えることとなった。
だがそこからだ。神様のいたずらなのか、俺の担当はソニア。
これは終わったな。
心の中でそう思いつつもソニアに言われた通りに冒険者登録を済ませていく。
「じゃあクレアちゃん、古いほうの冒険者カード出してくれる?確認するから」
「うん、わかった。…んっと…あっ」
バレた…
ソニアは私の勝ちねと言わんばかりに俺を見る。
「むぅ〜、なんだわかったの?」
「私に冒険者カード渡した時名前見られてたこと忘れてない?」
「あっ、そうでした…」
始まる前から負けでした…しくしく。
「とりあえず。二つ登録するのは禁止よ?だから古いほうは破棄します。そこで貯めていたお金とかは移しておくから」
「そんなぁ…せっかくここまで上げたのに〜」
「ママに黙ってたのが裏目に出たわね。これからは気をつけなさい」
「むぅ〜」
冒険者登録を終えた俺俺は、不満を持ちながらもヨメナのところへ戻った。
「ママー、おまたせー」
「シア遅かったわね?何を話してたの?」
「いや何にも!」
「そうなの?」
俺は思い切り縦に振る。そんな無理矢理感半端ない嘘を知っているセレス。
セレスさん、その目はやめてくださいませ!心が折れてしまますわ!
まぁ、茶番はここまでにしておくとして。(茶番じゃないけど!)俺たちはどの依頼を受けるか決めることにした。
「と言いたいところなんだけど、今回受ける依頼はこれが妥当だと思うのよ」
そうやって一つ依頼を提示する。
「マージ・ラビット?」
「そうよ。今回はこれが妥当だと思うのよ。みんなもいい?」
マージ・ラビットなら初心者でも害は無いはず。だから俺も頷いた。
そして俺たちの依頼は決まったのだった。
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眠い…