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第12話 地獄の日々が待っている

よろしくお願いします!



「はっ、はっ、はぁ〜、つかれたー」


「シア、しっかり走りなさい!まだ二周目よ!」


俺はヨメナに言われながらも走り続ける。

いや、少し違う。

走り続けさせられている。

この身体は他の同い年の女の子よりも圧倒的に体力がない。

エルフだからっていうところもあるだろう。

ヨメナもエルフだからそのことを知っているはず。

なのにこの仕打ちはひどいと思うんだが。


「もう無理だよー」


「ダメよ。しっかりやるって約束したじゃない」


俺はぐだぐたになりながらも走り続ける。


なぜこうなったか。


時は二週間前の誕生日パーティーのところまで遡るー




ーーーーーーー




シアの誕生日パーティーがケーキからスタートしたそのあとのこと。


俺たちは、先に二つケーキを作って食べてしまったために、他の料理をたくさん食べることは叶わなかった。


被告人のヨメナさんは言った。


「テヘッ、ケーキ見てたらほかなの料理のこと忘れてたわ」


そう言って笑顔を見せる。


おい、テヘッじゃねーだろ!

どうしてくれるんじゃい!

楽しみにしてたのに…

判定はもちろんギルティ!


「ごめんね、シア」


ヨメナが上目遣いで、こっちに謝って来る。


かっ、可愛い!


まっ、まあ、ゆるそうではないか。

決してヨメナが可愛いとかという理由じゃないからな!

決して、決してだぞ!…たぶん。


結局残ったものは、明日以降に食べることにした。


そういえば、結局まだあのメイドの名前を知らないや。


まあ、明日以降にでも聞くとしよう。


俺はご飯を食べたあと、ヨメナとお風呂に向かう。


まだ、足がおぼつかないためにヨメナに抱っこされ、ヨメナに服を脱がされる。

本当は恥ずかしいことなのに、もう慣れてしまった…

これはいいことだと思うが、二十近い人が服を脱がされることを想像してみるといいだろう。

いろんな意味でやばいと思う…


あと女の身体を見るのに興奮しなくなってしまった。

男の威厳が失われた気がする。


ウェーン(涙)


そして、ヨメナが脱ぐと、俺たちは、ドアを開けて風呂に入っていった。

もちろん俺は、抱っこされているが。


そして俺は、ヨメナの膝に座って髪の毛を洗ってもらう。


「シアってこの一年ですごい成長したわね、髪の毛もこんなに伸びて、背も大きくなっちゃって…子供ってこんなにすぐ成長してくものなのね」


俺は、目の前にある鏡で自分の姿を覗く。

確かに背は伸びている。

髪の毛なんて、誰もが見てわかるぐらい伸びてしまっている。

一年放置した金髪は、傷一つつかず、今もなお輝きを放っている。


ヨメナが、俺の身体と自分の身体を洗いを終えると、俺たちは湯船に浸かる。


久しぶりの湯船は、温かくて気持いい。


「そういえばシア、誕生日プレゼントに何が欲しい?」


俺か…特に今欲しいものはないが…

だが、一つだけしたいことがある。


「ママ、私に剣と魔法を教えて」


「えっ、シアにはまだ早いわ、だってまだ四歳よ、危ないし…しかも六歳になったその次の年には学園に通えるようになるんだから、その時でいいじゃない」


ヨメナは俺に心配そうな顔を向けてくる。


だけど、俺は…


「だけど私は…自分の身のまわりくらいは、自分で守れるようになりたい、見てただママたちがやられていくのはいやだの!

私は、前みたいにならないように、強くなりたい!」


そう、俺は…キミの助けに、キミたちの助けになりたい!


俺はそう言って決意の顔を見せる。


ヨメナは、一つため息をつくと、諦めたようで俺に言った。


「分かった。だけど聞いて、特訓は厳しくいくわよ?どんなに喚いたって厳しくたって辞めないからね。分かった?」


「うん、わかった!」


俺は軽く返事をしてしまった。

この二週間後に、痛い目に合うことを知らずに。


これが俺の地獄の日々の始まりだった。




ーーーーーーー




そして現在に至る。


結局俺は、二周目で走ることを断念した。この家の裏庭は広いのである。

俺は一周目の、中間くらいでバテてしまった。


そして俺は現在、セレスといって、新しく入ったメイドに木下で膝枕されている。


なんとも膝の感触が心地よい。

気軽に女の子に膝枕をして貰うのは、小さい子の特権だ。


彼女は、オシエと違って亜人種ではなく、普通の人間である。

見た目は、結構可愛いと思う。

ヨメナほどではないが…


そのまましばらく休んでいると、ヨメナがやってきた。


「シア、今日はこれで終わりにしてあげるけど、一ヶ月はこの練習続けるわよ?五周走りきれるようにならないと、次には入りません!」


そう言ってヨメナは、その場から去っていった。


そういう俺は、これから続くであろう地獄にただただ怯えるだけだった。


こうなるなら、あの時簡単に返事をするんじゃなかった。


そう思いながら。






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よんでくださり、ありがとうございます!

今後もよろしく!

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