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第74話 エノッシュ捕獲

町の代表として大会に出れなくなる事に少し罪悪感を感じないでは無かったがこっちが優先なのは火を見るより明らかだった。


俺たちは再びエノッシュを追い詰めていた。


『エノッシュ!降伏しろ!』


降伏勧告にエノッシュはこの大陸のハッシュとアローケスを送り込んで来た。


「うわあ、不気味なほどそっくりね。悪趣味だわ。」


ハッシュが嘆くがパワーは向こうの方が上だった。俺とドッコイセンさんが参加して数で抑え込む。


倒して奪ったエネルギーはこちらのハッシュとアローケスに均等に渡すが全部入りき成らないようなので半分は俺の所に来た。


ドッコイセンさんが拝むような目をするので基地に残っていた僅かなエネルギー球体をお望み通りルシ夫に注入した。


驚いたことにルシ夫が一気に5歳くらいに成長した。


この調子でドンドンエネルギーを与えてやればもしかして貴重な戦力になるかもしれない。


さて、今回は旨くエノッシュを捕まえたのでみっちり尋問する。


俺の記憶もかなり昔まで遡り戻っていて、おれが実験を受けたのは少なくとも10回を超える事が分かっていた。


「次はコツヤを継いだネカマを襲撃したい。奴の兵は強力だし首輪を使うかならな、何処だ?」


ヨエのスケッチブックに地図が描き出される。


「お前たちの目的は?」


やはり口を噤むエノッシュ。


ヨエのスケッチブックを皆で覗き込むと大勢の人が笑っている。


「なにこれ?どういう意味?」


問われたヨエはトイレへ駆け込みオロオロ嘔吐中だ。


「人類の幸せを模索している。」


面白く無さそうにエノッシュが言った。


サラが怒ってエノッシュ目にナイフを付きつけて叫ぶ。


「あれ程人を殺して於いて何を言うの!?」


エノッシュはナイフを恐ろしそうに見ながら震えるばかりである。


「エノッシュ様の言う人類とは大陸の人では無く旧人類の事でしょうか?」


アローケスが言った。何それ?俺の記憶にもないぞ?いや俺の頭の中に詰め込まれた色々な知識がそれなのか?ハッシュとドッコイセンさんが顔を見合わせて驚いている。


「ドッコイセンなぜ我々を裏切った?その子供の為か?また死なす事になるぞ?!」


「あら?お父様とても肩が凝っているわ。」ハッシュが見た目にそぐわぬ万力の力で興奮したエノッシュの肩をやんわり揉むと一瞬で黙らせてしまった。


「いでででで、助けてくれ!」否、悲鳴に変わっただけであった。


「いいや未だだ。お前には聞きたいことが山ほどある。」


「大陸は全部で幾つあるの?」


オマイニーが訊いた。つまり2つじゃない可能性もあるって事か?


「9だ。今いるのがNO.8ステージ。順番に沈めては浮かび上がらせて次の準備を繰り返している。今NO.9では亜人を含む人類が小さな国家を形勢し始めた。このステージの100年前と同じくらいの状態だ。NO.7はお前たちのせいでリセットに失敗、NO.6は未だ海中で待機中。」


「旧人類って?」


「空で眠っている、鳥よりももっと何倍も高い場所だ。実験が終われば地上に降りてくる。」


「ゴールが見えないのだが?」


尋問している俺たちの脇を青と赤のクック達が鬼ごっこをしながら通り過ぎていく。まったく...緊張感の無い奴らだ。というか何故赤い方まで放し飼いになっている?!


「一つ断っておくが私は実験終結推進派だ。」


「じゃあ今すぐ終わらせろ!」


「それは...出来ない。コーヤが納得しない、他の不老者達もだ。」


「ならそこでお仲間が捕まって行く様子を眺めていろ」


俺たちはヨエの地図に描き出されたネカマの隠れ家に侵攻した。


◇ ◇


「力を感じる、人造帝国兵ね。でも今の私達なら負けないわ。」 アローケスの言葉に皆頷く。


念のため一斉に襲い掛かった。


勿論サラやヨエ達は遥か後方に待機させている。


「こいつ向こうのより性能がアップしてる!」


オマイニーが雷撃を躱されて焦っが、直ぐに敵をハッシュ姉妹が挟んでボコボコにぶちのめした。


倒した敵からは勿論エネルギーを奪う。ハッシュとアローケスはお腹いっぱいのポーズ。俺も試したが入りそうにない。後はクック達か?傍にはドッコイセさんと5歳くらいの可愛らしいルシ夫坊や。


「あんまり入れすぎたら体に悪く無いのか?」


「ガブ様、この子は貴方をモデルにして作られた特殊な子供なのです。コーヤ様が貴方を模倣して作った子供達は事極く失敗し、2代前にこの子の原型だけが生き残りました。そして前回私の可愛いルシ夫は...。この子は理論上誰よりも強く成る可能性を秘めているとコーヤ様は仰って居ました。この地獄を統べる王になれる器なのです。」


「なぜ地獄と言う?俺たちは生き残ったしこれから大陸を開放する。もう地獄じゃあないしこれからもそうだ。...まあ残念ながら天国でも無いがな。しかし俺が思うに地獄か天国かを決めるのは神では無くそこに暮らす人たちだと思うのだが?」


 ドッコイセンさんは悲しそうに目を伏せる。俺には彼女の気持ちが少しだけ理解できた、なぜなら記憶の亀裂から俺も垣間見たからだ。何度も何度もリセットの度に大陸が沈む。そしてそれを止めれなかった、そういう思いも入っているのだろう。


更なる黒体エネルギーを得て12~13歳まで成長したルシ夫坊やは生意気そうに言った。


「姉ちゃん、俺が何とかしてやるよ!」



 人造帝国兵は残り2体だけだった。


 そいつらを倒してネカマの元へたどり着いた頃には何だかんだでルシ夫は20歳くらいに迄成長していた。


 今や誰よりも高エネルギー体の筈だ。


「眠っているわ。」


「叩き起こそう。」


 ガラスの器の中で緑の液体に浮かぶネカマの首根っこをガラスを割った俺が掴むと奴は目を覚ました。


「きっ貴様ら!」


「残念だが兵は始末した。此方の質問に答えて貰おうか?」


◇ ◇


『エノッシュに続いてネカマとも連絡が取れなくなったわ。隠れ家に誰も居ないの! 私たちは実験の大幅な見直しを迫られている。』


『もう実験継続は不可能だ、我々は結論を出さなくてはいけない。』


『そうだ、ヘカテスの言う通りだ』


フルシュが賛同する。画面の先でカノーも頷く。


「ダメよ。もう一度だけガブリエルを捕まえてリセットするの!次のステージもギリギリだけど間に合うわ。今度こそ邪魔されない様に敵の制圧を完全に実施した後に沈めるの。」


『どうやって?今や敵が持つエネルギーの方が勝る状態だというのに?』


サリードの問いにコーヤは邪悪に微笑む。


「人間達を使いましょう。」


◇ 


 エノッシュ、ネカマという不老者達を連れてこの地を脱出しようと試みた俺達の馬車は現在人間達に追われている。野盗では無い。冒険者でも無い正規の鎧に身を包んだ軍兵隊達である。数はおよそ500、この地域の主力部隊であろう。

読んで頂き有難うございます。

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