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第6話 ミッションインポッシブル(達成不可能?)

ガブ、何か忘れてない?

村人より先に村に戻ると俺は皆を出迎えた。


 自作自演であるがマスクマン・デュークを呼んだのはガブって事にしてあるから凄く感謝されて気持ち良かった。まあ、何時も皆の仕事を手伝っているという土台があっての事かもしれないが。


 若い村男達からはアンナと知り合いなのか根ほり葉ほり聞かれたが、面倒なので知らぬ存ぜぬで押し切った。


 アリバイ工作が終わると直ぐにソニンの町へ行く。


 町外れのあばら家に隠してあるマスクとコスチュームに着替えると冒険者ギルド・ソニン支部へ足を運ぶ。表のマスクは顔に当てるタイプである。白木を掘った木製で顔の上半部を隠している。これだけだともろバレなので、更にその下に絹の黄色い全面マスクをもう一枚覆っている。このマスク、今は無地だが余裕が出来たら色んな刺繍を入れたいとも画策している。

 上着は薄手の白い生地に職人さんが黄色や赤の刺繍をカラフルに施してくれた物で結構なお値段だった。とても気に入っている。


 さて冒険者ギルドの建物は支部という事もあり一階平屋建ての小さな建物である。


 先ずは入って右側のカウンターに行くとバーのマスターに水を一杯注文する。うまい!森の井戸で汲まれた水らしいが、いつ飲んでも旨い。ちなみにこのバーのマスターは引退した冒険者で娘さんと一緒にギルドが経営するこのバーで食事や飲み物を提供している。


「ご馳走様。30ギタ置いとくね。」「毎度ありー」


 続いて中央のテーブルを囲み座って居る古参メンバーに挨拶すると自身のPTメンバーを待ちながら掲示板を眺める。


 薬草の採取   10kg(乾燥後):3千ギタ    推奨ランク:E以上  期限:2週間以内

 暴れ野牛の退治      1匹:4千ギタ    推奨ランク:C以上  期限:2日以内

 (※ 肉買い取ります。1kg=60ギタ)

 逃出した猫の捕獲 1匹  :5万ギタ    推奨ランク:B以上  期限:3日以内

 (※ 怪我をさせない事。体長2mの大型種に付き注意!)

 

 牛の報酬が極端に少ないが、500kgにも及ぶ事も有る野牛の事だ、肉が300kgあったとして報酬と合わせて2万ギタ以上が手に入る計算になる。但し運ぶ手段が必要になるのでうちのPTだとちょっとなあ。

 猫は別に大きくても大丈夫だがオマイとかすぐ火炎弾撃っちゃうか...。もし焦げ焦げの状態で渡したらどうなるんだろう、罰金かな?やっぱこれもパス。


 オマイとアンナが一緒に入って来た。そういえば此奴らは出会った時から一緒にいたし、いつも一緒に入ってくるよな?若しかして付き合ってたりする?うーん、アンナは俺に気がある素振りでもあるし良く分からない。


 すぐにクックも入って来て中央テーブルに座る。


 クックがくるとギルドメンバーのおっさん達がポップコーンやパンの耳を契って投げる。

それをクックが手を使わず空中でキャッチする。嘴で器用にキャッチすると皆が手を叩いて笑う。

ここはいつもこんな感じだ。アットホームってやつ?一人を除いて…


「デュークさん。南の開拓村救助の話聞きましたよ。」


 受付カウンターへには冷たい目をした麗人が姿勢よく座っている。マリアムさんだ。小柄な美人職員さんである。


 彼女の耳は天に向かって少し伸びていた。所謂エルフという奴である。クックの鳥人と共にこの世界では非常に珍しい種族なのだが、本来は森深く結界を張った場所で外部と隔離された生活を営んでいる。


 自分の事に関して余り語りたがらないマリアムさんなので、何故こんな所で職員をしているのだろうと不思議に思いながら聴けずにいる。


 そして、おもむろに掲示板から剥がした紙をカウンターに差し出した。


「ギルドの依頼って事にしてくれれば良い宣伝になったのに。ってデュークさん、聞いてます?」


 立ち上がった彼女の長い髪が揺れた。シルバーに近いゴールド。1つ1つが細い宝石で出来ているかの輝きを放っている。


 しかし天は人に二物を与えずという諺がある様に、美人で髪の毛が宝石の様な彼女だが敢えて残念な点を声を出さずにこっそりと指摘させて貰おう。


 そう、敢えて言おう!アンナと違って胸が全く揺れていない。どんなに激しく動こうとピッタリ密着しているご主人様忠実タイプである。しかしこれが良いんだ!と力説するおっさんの多い事といったら如何なっているんだ?俺が知る限りこのギルドは7:3でマリアムさん派が占めていて、俺には全く理解ができない。因みに残り3割の内大半はアンナの応援団だったりするが。


「すみません、考え事してました。それよりこのクエ受けさせて貰えるんですか?お金が要るんです。」


「えぇー無理ですよー。だってこれ30人以上でって書いてありますよね?」


 取って来た紙は可成り高額の報酬だったが、確かに募集人員に珍しく○○人以上でと記されてあった。


 はあ~。とため息が出た。


 座って前かがみになったにも関わらずチラリと見えた胸元は遥か闇までも水平線だし、そもそも彼女は胸元のボタンを1個しか外してない。この人はファンだというオッサン方が抱く淡い期待を何処まで理解しているのだろうか?


「所で、うちの支部って全員で何人でしたっけ?」


「…32人ですね。」 


「それってGMとマリアムさん、産休中のピエネイさんも入ってません?受けれないようなクエ何で掲示してるんですか?ギルド側のミスですよね?だったら参加条件位緩和してくださいよ、推奨ランクはクリアして居ますよね?」


矢継ぎ早に攻め立てるが美しい氷像と化したマリアムさんはガンとして揺るがない。


「ダ・メ・で・す。」


 くそー、貧乳のくせに生意気な!


「頼むよ。お金が必要なんだ。この通り!」 


「もうー。どーしてもって言うならマスターに聞いてみても良いですけど一つだけ条件があります。」


 あっそうか!今思いついた。ギルドのオッサン共はきっと、耳フェチなんだ。耳を見て密かに満足している。そうに違いない!


「なんだよ、金なら無いぞ?」


「簡単な事です、このクエストするなら私も連れて行って下さい。」


「は?」


 なんでそうなるの!?


読んで頂き有難うございます。


ハーレム,微エロ要素が本当に微々過ぎて申し訳ありません。少しずつでも改善して行きたいと考えています。


(改) 句読点を減らしました。

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