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第53話 ドッコイセン仏神モード

 難しい話の後は着替えて戻ってきたドッコイセンさんがワッフルを焼いて来てくれた。


 「ドッコイセンさんて料理も上手なんですね。アンナ、ドッコイセンさんに勝てる所が胸囲だけになっちゃったな」


 「ガブゥ~?」


 アンナが口の中をワッフルで一杯にしながら睨んでくるが無視する。更に言うとその胸囲も武器となるのは若いうちだけだし油断すると直ぐに垂れてくるからな!


 「その点ハッシュやオマイ2号は将来性があるな?」


 俺は絶壁組を褒める。行き成り褒められた二人は不思議な顔をしていた。


 「ではご馳走様でした。そろそろお暇しますね。」


 カサムが帰ろうとするがコーヤが引き留めた。


 「待って、エノッシュを殺さないって約束するなら居場所を教えてあげるわ。」


 「別にお願いを聞いてくれるなら殺しまではしませんけどそれは奴次第ですよね。」


 「ガブ君。あれでも一応私たちの元研究仲間で不老者なの、約束して?殺さないって。」


 その言葉を奴の為に死んだ人たちにも言えるのかと聞きたかったが相手はこの国の女神様だ。おれは渋々約束する。ハッシュとアローケスが喜んでいる。


 「じゃあ娘たちが案内するわ。ルシ夫!起きなさい。昼間っから寝てたら夜寝れなくなるでしょ!お姉ちゃん達とお前も出かけるのよ!」



 出口は来た所と別だった。


 出ると其処は山深い地で正にキング級の魔物の巣窟だった。


 ヨエは勿論の事ナアさんとニジさんにもお留守番をお願いした事を良かったと思った。


 20mを超す巨大なキングリザード。小山程のキングクローラー(芋虫)。8mものクイーンアラクネ、これは蜘蛛の体に女性型モンスターがくっついている魔物だ。


 だがドッコイセンさん姉妹が行く先にはモーゼが通るが如く道が開けて行く。


 「この国の上位魔物は母上が生み出した物が多いので私達に攻撃する事はありません。」


 いや怖がっているだけでしょう?俺だって君達姉妹を一斉に相手したら負けちゃうよ?弟のルシ夫に至ってはずっとブルブル横で震えているからね?ってあれ?何で洞窟を離れたのに未だ力を感じるのだろう?あれは洞窟内限定で発揮できたのでは?


 「大丈夫ですよ、力の源を3女が持っていますから。」


 見分けが付かないが多分長女さんが言った。いや、ドッコイセンさんが長女だと仮定すると次女かな?俺は心を読まれた見たいで少しバツが悪かった。


 「私が背負っているリュックの中にその機械が入っています。えへっ。ガブさんとしゃべっちゃた。」


 「3女、抜け駆けは無しよ!」次女さんが参戦して来た。


 「あのー?御姉妹は何人なの?それと俺の何処が良いんですかね?」


 長女のドッコイセンさんそっくりな二人が頬を赤らめながら腰をくねらせる。


 「だってー。強いから~。」


 でもその強さって設計して作られたもの何なんだよね。しかも宿敵であるエノッシュの手で。


 「私たちは5人姉弟で一番下がルシ夫なの。上のお姉さんはルシ夫一筋だから放って於いて私達と良い事しましょうか?」


 良い事...良い事って何だろう?


 流石にカサムが割り込んで来た。


 「ちょっと!ガブは私の物だから許可なく良い事はしちゃだめ!」


 許可されればいいの?


 「ちょっとカサム!王族だからって特権振りかざさないでよ。ガブとは私達の方が付き合い長いのよ。先に私達の事が好きだったでしょう?ねぇガブ。」


 猫なで声でねぇって、先にわたしたちって言われてもなあ。確かにアンナの事は昔から好きだが隣で顔を赤らめているオマイ2号は新入りだぞ?

 

 「すまんが俺は縛られるのが嫌いなのだが?」


 「「「「「!」」」」」


 地雷。いや自ら燃料と爆弾を投下した上に着火行為を働いてしまった様だった。


 「ちょっとガブ!私達はトランプや持ち運び式娯楽遊具じゃないのよ?楽しみたい時だけ使って後は見向きもしないなんて耐えられないわ!」


 いやカサムさん、俺はそこまで極端な事は…


 「そうよ私達全員をちゃんと公平に愛してくれないと駄目よ!公平によ!」

 

 アンナ何でお前はそっち側にいるんだ?さっきまで対決姿勢だったじゃないか。


 「それじゃあ日替わりって事でジャンケンしましょうか?えっ?ハッシュ、貴方も参加するの?アローケスはパスね。分かった。」


 そもそも俺は結婚前にサラから逃げ出した身で誰かとお付き合いする資格など無いのだが...とにかく俺の話も聞いて欲しい。


 「さいしょはグー、ジャンケンポイ!相子でしょっ!」


 「ちょっと貴方達もう着いたわよ。後にしなさい。」


 ドッコイセンさんが指さす先にはこんな山中にポツリと立つ立派なお屋敷があった。


 「貴族の別荘ね。」


 ◇


 俺は無防備にドンドン進むとサクサク捕まえて帰ろうと思った。どうせ寝室は2階の奥だろう。


 窓から差し込む光を横切ると天井から槍が降って来る。片手を天に伸ばし氷魔法を撃つと一瞬で氷塊に固める。天上から垂れ下がった大きな氷柱は暫くは溶けないだろう。


 「ちょっとガブ。こんな大きな氷柱が落ちて来たら床に穴が開いちゃうでしょ!」


 ハッシュが文句を言って来たが無視した。殺さないという女神との約束があるから屋敷毎焼き払ったりはしない事を感謝して欲しいくらい。


 「きゃぁっ」


 次女さんが落とし穴に落ちた。後で回収だ。


 「うおっ!」


 ルシ夫が壁から飛び出して来た大きな手に捕まれ引きずり込まれた。


 「私が!」


 ドッコイセンさんがそれを追いかける。すこし過保護だがスルーして進む。


 俺は構わずどんどん進む。


 ふと気が付くとクックが居ない。


 「おいクックは?」


 「あれー?そう言えばジャンケンする前から見てないような?」


 「はははは、ねえガブこの笑うやつだけどもう許してくれない?」


 「ダメだ、それが無いと俺の調子が上がらないから全力で却下する!」


 「きゃぁ」


 今度はカサムだ。流石に彼女一人にさせるのは危険だがクックは居ないし。うーん、こいつら裏切りそうな気もするのだが背に腹は代えられない。


 「アローケス、済まないが頼まれてくれるか?」


 「ハッシュお姉さまが一緒なら良いわよ?」


 ハッシュも貴重な戦力だがここは許可した。

 

 2階の寝室を開けると座って居たエノッシュが此方を振り向いた。


 アンナとオマイ2号が構える。


 俺は床に膝を付き大きくため息を付いた。


 「ホログラムじゃ無いか…」


 ◇


 「ふん、少しは驚けば可愛げがある物を。行き成り剣で斬りかかってきて”スカッ”と言ったのを期待しておったのに。」


 「てめー!何処に隠れている?それだけ精密な画像でノイズが少ないって事は近くだろう?地下か!」


 「そんな事より今からお前の元にキャプテンシリーズの最新機である7号を送る。エネルギー効率が大幅にアップし従来より省エネルギーでの戦闘が可能になったにも拘わらず最大出力も30%アップした!」


 「エノッシュお前はTVショッピングのおっさんか?一体何がしたいんだ!」


 「種の進化を確かめたい。お前たちの創造は進化への挑戦だ。」


 俺は唇を嚙み締めた。殺意がムラムラと沸き起こり抑えられない。


 「お前の所為でラヘルは化け物に!」


 魔力が暴走し部屋中で小爆発が起こる。ハッとして後ろを振り向くとアンナとオマイはシールドで耐えていた。(面倒なので2号の事もこれからオマイと呼ぶことにする。)


 「すまん!奴は地下だと思うから少し離れて付いて来い!」


 俺は気配を探る。エノッシュは分からない。だがルシ夫の気配は分かる。地下への入口が分からないので一階に付くと床に氷魔法をドンドン打ち込む。


 轟音を立てて床が抜けた。その暗い竪穴に俺は飛び込んで行った。


読んで頂き有難うございます。

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