第5話 チームデューク・トライアングルフォーメーション
すみません、残念ながらそんな隊形は未だありません。
結局3人で砦に忍び込みました。
「はははは、ガブってばその出来の悪い被りもん取れば?暑苦しいし。」
今更取ったら何のために苦労しているのか分からなくなるのに嫌味な奴だ。
無視していると今度はアンナが被せて来た。
「オマイだめよ、ガブの事はデュークって呼ばなくっちゃ。壁に耳あり窓辺にゆとりって言うでしょ?」
全然間違っているが敢えて指摘しない。何処まで本気でボケてるのか分からない。
そして俺は何も言わず二人に笛を差し出す。
「えっ?これカブの? それって若しかして間接キッ…」
「いや、砦の野郎共の。それ吹いたら仲間だと思って襲われないから一応渡して っておい、踏むなよ。ほらぁー壊れたじゃないか。」
俺はオマイの傍によりヒソヒソ声で話す。
「あのさあ、アンナってカルシウム足りてない見たいなんだけど何かあった?」
オマイはヘラヘラ笑っている。ダメだ、俺がしっかり仕切らないと。何たってリーダーは俺だからな。
「とにかく行くぞ?敵は推定10人~15人。残った村人は全員中央にある柵の中。オマイは左周り。俺とアンナは右回り。よし、ゴー!」
俺はオマイに先行させると正面扉を開けに行った。
”どーん”
左で花火の様な爆発音と共に光と火花が飛び散った。撃ち上げ花火を失敗して地上で破裂させるとあんな感じになると思う。
耳を澄ますと敵達は大声を上げながらオマイの方へ集まって行く。
俺は急いで扉を開けるとアンナに村人の誘導を任せ、右回りでオマイを囲みつつある敵の背後から急襲する。
”どーん”
目の前が真っ黄色になり、そして赤から黒に変わった。
思いっきり吹き飛ばされた俺は服やらマスクやらがチリチリと燃えているのを地面をゴロゴロ転がって必死に消火する。
「はははは 、ごめーん。怪しいマスクだったからつい。はははは。」
オマイはいつも笑っているが語末で笑っているときは本気で楽しんでいる時だ。
こういう時は危ない。近づくと玩具にされるのが落ちなので回れ右をしアンナと合流後逃げ遅れた人を運ぶ事に専念する。
「早くしないと丸焦げだよぉー」
アンナがあたふたモジモジしていると、それを見た村の若者達が集まってきてこの非常時にも拘わらず口々に口説き始めた。
「助けてくれたお礼にオラの畑を見せてやる。」
「オラは牛を見せてやる。可愛いし乳も飲めるぞ。」
「おら、川で光る石を拾ってくるからそれをあげるよ。」
俺は必死に逃げ遅れたじーさんばーさんを運ぶ。やっとの思いで最後の一人を運んだ頃には砦は大きなキャンプファイヤーと化していた。
◇ ◇
「あんたが噂のデュークか?助かった有難う。」村長が礼を言ってくれた。いえいえどういたしまして。
「アンナさん有難う」「アンナさん、今度村にきてくれな。」「好きだ結婚してくれ。」
そういえばアンナは村に入った事が無かったんだな。大人気見たいだし今度招待してやろう。
「誰もクック様を褒め称えんのは何故クㇽッ?」
「ははははは、今度出番があるよ、きっと。」
結局敵を全滅させたのはオマイだったのだが未だ誰もオマイに礼を言っていない気がする。まあオマイもそんな細かい事は気にしない性格なのでいつも通りヘラヘラしているが。それでも親しき仲にも礼儀あり。俺は仲間に礼を言う。
「オマイ、クック、アンナ有難う。助かったし来てくれて正直嬉しかった。礼を言う。」
ちゃんとお礼を言った。すると、
「ははははは、本当?じゃあ、お礼に火炎龍の鱗を1枚取って来てくれない?杖に仕込むと炎系列の攻撃力が50%アップするらしいんだよねー。」
炎龍とか無茶ぶりすぎるわっ!俺は口を噤んだ。「…」
「わっ私は、デュークが望むならいいのよ!?」
何か誤解してしまうわ!俺は口を噤んだ。「…」
「クルッポー!」
「お前ハトと間違われそうだけど実は小っちゃなトサカついてるよね?」 口に出てしまった。
結局お礼はファイヤーリザードの尻尾、西都の絹スカーフ、煎り豆という事で納得して貰いました。
読んで頂き有難うございます。
中々登場人物の数が増えないので、話を進める様にします。
(改)句読点を減らしました。
(改)オマイの語頭抜けを追加しました。
(改)消化→消火 訂正しました。




