表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/77

第38話 ムラムラしない

(改)痛いと所を→痛いところを

「馬鹿!みんな滅んじゃえばいいのにっ!」


かわい子ぶっているが俺である。


 王国の東端に位置する東都でハッシュとヨエに服を見繕って貰っている。まあ着せ替え人形とも表現出来なくもなかった。


 女性専用店の中では他の客たちも皆人目を憚らずに試着している。つい1か月前なら小躍りして神に感謝していただろうこの状況に俺の新生児化した息子はノーリアクション、クールボーイである。


 えっ何?女性の下着姿?それがどうした?俺も今ブラジャーしてるよ。


 えっ生おっぱい?だから俺も二つ持ってるって。

 

 ムラムラしない?したした、今朝門番の若い衛兵を見たら、二の腕が逞しくてムラっとしちゃいました。


 もうどうして良いか分からない!!


 神は何故俺に此の様な試練を与えるのか?


「はい、完成。」


 いつの間にか仲良くなったハッシュとヨエからやっと解放された俺は新しく買った服を来て店を出ると馬車に乗り込む。


 水と食料を買い込んだら直ぐに出発である。


 せっかくだから宿に泊まってシャワーがしたいと駄々を捏ねる二人組を無視してクッ子と俺ははひたすら馬車を駆る。1回野宿して2日目の夕方に国境へたどり着いた。


 この国の国境に線は無い、勿論フェンスも。あるのは巨大なクレパスとそこを渡す大橋のみ。


 この橋を渡れば東国カナンである。


 国土の東を海に面したカナン国は大らかな気風の自由貿易国であり商業が盛んである。


 それを反映してか入国に際しても橋を渡ってすぐの建物で一人銀貨5枚の札を買って後はそれを携帯すれば良いだけとなっている。


 「まあアレだ。資金がほぼ底を着いた。何か仕事をする必要がある。」


 俺がそういうとヨエがブーイングを起す。


 「えぇー、大金持ちかと思っていたのにー。只の金遣いの荒い兄さんだったって訳ー?」


 本当は西都の銀行に行けばもう少し残っているのだが引き出す事を忘れて於いて来てしまった。


 「まあ煩いから黙ってろ。今まで散々飲み食いさせてやった恩を忘れたのか?」


 「私はその恩を感じる必要はなさそうね」


 ハッシュが無い胸を張って言うが、お前の場合そもそも敵なんだから生かしてやっているだけで感謝しろと言いたい。何故連れて来たかというともちろん黒ローブの男、マスター・エノッシュの行方を探す手伝いをさせる為である。


 衛星都市で安宿に1泊すると、翌朝俺とクっ子で冒険者ギルドへ行く。ハニーランドとシステムが同じなら良いのだが。


 私たちは宿で待って居るからお金を頂戴、じゃあ頑張って稼いで来てねと言って送り出されたクッ子と俺はギルド受付でハニラーンドの冒険者カードを見せながら登録したいと相談する。


 受付の女の子は少し胸元の緩い服装で、並ぶ男共は彼女が前かがみになるたび鼻の下を伸ばしていた。俺?興味ありませんよ。というか今は俺の方がバストがある。そして、今下品な男共の視線を俺とクッ子もヒシヒシと感じている。


 あぁ、俺は今までこんな不快感を女性に与えていたのか。何てこった!


 並んでいるのが苦痛で仕方なかった。


「他国のギルドカードですとそのままランクを転記する事が出来ませんので簡単な能力テストを受けて頂くことになります。銀貨30枚のコースと銀貨1枚のコース何方になさいますか?」


「もう殆ど金が無いから此処に来たんだ。そりゃあ当然銀貨1枚の方に決まっているだろう。」


そういって銀貨2枚を払うとやはり地下に連れていかれる。


どこも彼処もやっている事は同じで其処には闘技場があり賭場もあった。


「銀貨1枚の場合は高ランクの冒険者と戦って頂きます。本人と同行の方は賭けれませんので注意してください。代わりにギルドがその銀貨1枚をあなた方に賭けます。」


 てことはギルドとしてはどっちに転んでも損はしない訳か?


 てか、ふつうの実力の奴が銀貨1枚のコースを受けた場合、痛い目に会うだけって事になりそうだ。


 受付の女性は俺たちを地下闘技場受付へ引き渡すとすぐさま戻って行った。


 仕方が無く、二人で出番を待って居ると有難くない事に話しかけてくる輩が居る。


「おい姉ーちゃん達。商業ギルドにでも行って頑張って銀貨30枚稼いでくるか銀貨1枚払ってFランクで登録する事だ。」


 まあ言っている事はある意味妥当なのだろう。ちなみにFランクで受けられるクエストは簡単な雑務ばかりである。ため息が出てしまう事ながら、それではとてもあの大喰い共を養う事は出来ない。


 無視していると場内アナウンスが流れた。どうやら俺とクっ子がタッグを組んで戦うらしい。相手は可成りの巨漢らしいがどうやら一人だという。二人同時に攻撃しても良いのか尋ねるとなんと二人がかりでもOKらしい。これはもう楽勝以外の何物でもなかった。


 「おら姉ーちゃん。何処をよそ見してるんだ?」


 気が付くと知らない内にゴングが鳴らされていた様だ。振り向くと、クックはチャッカリとコーナーに戻っているでは無いか。


 身長3m近いゴリラ、いやゴリ男が突然後ろから羽交い締めにするとハアハァと生暖かい息を吐きながら俺の胸を揉みだした。


 「どうだ?気持ちい良いか?」


 がっかりした。マッサージだって凝って痛いところを優しく揉んでもらって初めて心地良いと言うのに、それ以外で気持ち良く感じる訳が無い。一体どういう思考からその様な暴言が出てくるのだろうか?


 「良いわけないだろー!ハアハア気持ち悪いんじゃ、このー!」


 以前の俺ならカッとなって全力でぶん殴っていただろう。そして殺して居たかもしれない。だが留まった。これが黒ローブの施した施術の効果なのかどうかは分からないが、取り合えず軽く2,3発殴ってロープ際まで後退させると早々とクっ子にタッチした。もう精神的に限界である。どっと疲れに押しつぶされた。


 ゴリ男は性懲りも無くクっ子にも抱き付きくと胸や尻を触ってぐへへと下品な笑いを垂れ流していたが、観客のオッサン共も概ね似たような反応である。


 しかしクっ子は更に上だった。行き成り自分からシャツを脱ぐと上半身裸になり、客の拍手喝采と野次の中、トップロープに登り両手を上げた。


 そして後ろから迫っていた大男に目がけ、そのままムーンサルトボディープレスを決めるクっ子。しかも倒れ間際に相手の側頭部に何発か手とうを叩き込んだのが見えた。


 『おーっと、クっ子選手の背面回転体当たりが決まったー。そして止めはおっぱいボンバーだー!!』

 

 もうね、勝手にネーミングしてろと思ったよ。


 無事Aランクギルドカートを貰えた俺とクっ子は取り合えず金になりそうな『ホワイト一角獣の角を捕獲』という紙を掲示板から毟り取ると受付の列に並ぶ。


 オッサンたちがクっ子に話しかけて来て正直ウザい。


 一方のクっ子は先ほどギルド内では裸にならない様にと注意を受けたので、少なくとも今日1日はギルド内で服を脱ぐ事は無いと思われた。


 「船はお持ちですか?」


 受付に紙を出すとまずそう聞かれた。


 「持っている様に見える?」


 「ではギルドで手配されますか?小型船は沈没保険を含めると1日銀貨30枚になります。」


 「馬鹿じゃない?!?そんなお金あったらこんな所に並ばないわよ!」

何時も読んで頂き有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ