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第30話 家政婦さんの条件

 オシエンとイエンが潜伏出来る様に庶民区で1軒屋を借りた。ヨエはアンナに付いて行ってエルフの里を見て見たいと言っているし、最初から此奴に家事全般を期待して居なかったので家政婦さんを探しに商業ギルドへ出かける。


 「それはもう!Sランク冒険者ゴリアーテさんを倒した有名なデュークさんのご要望でしたら何なりと。」


 「口が堅くて料理と家事が上手くて子守歌の歌える女性。子育て経験があればなおよし!」


 マスクを被り今や伝説のマスクマン・デュークとして威風堂々と宣言した。


 「では此方の女性などいががでしょうか?ココナッツも一噛で粉砕。クルミ割り人形なぞ出番のないほど強力な口を持っています。料理と洗濯は普通にこなせますし、ワニ族なのでなんと子供を卵から200人以上育てた経験があるそうです。」


 似顔絵だと良く分からないが赤ずきんちゃんに出てくるおばさんに化けた狼に瓜二つだ。


 「次!」


 「次!」

 

 「次!」

 

「中々御めがねに叶いませんね。そうだ!住み込みでも宜しければ隣の奴隷商も見て行かれては?」


 勧められたので行ってみる。ラヘルの件で奴隷商と聞くと悪い感情しか湧かないのだが、借金奴隷では無くラヘルと同じように攫われて奴隷となった娘がいるかもしれない。それならば買い取って開放してあげたい気もする。


「いらっしゃいませ。どの様な奴隷をお探しで?」


恰幅の良い親父が出て来た。白い服に白いターバンを巻いてる。


「借金奴隷で無くて攫われてきた人間の奴隷が居たら見たい。」


親父は露骨に嫌な顔をした。


「冷やかしなら帰って下さい。そんなの扱ってたら捕まってしまいますよ。」


「ではじゃましたな。」


「ちょっちょっと、人間は居ないけど獣人なら攫われて来たってのが居ますよ。」


 ふうー。クックやピュレーンを連れて来なくて正解だった。きっと気を悪くした事だろう。


 クックはアンナに捕まって再認定試験の為に冒険者ギルドへ行っている。


「おい!こいつ男じゃないか?」


「旦那よくわかりましたね。奇麗な顔をしてたんで女の服を着せて見たんですが如何です?」


「奇麗な顔をしているなら何故サリーみたいに布を深々と被せて於くんだ?」


「そいつ売られて来た時から頭に布を被るのが好きな見たいで。」


「分かった。他に料理と家事が出来る奴はいないのか?」


「ではこちらの猫人なんかは如何でしょうか?猫舌で抜け毛がでる以外はパーフェクトです。」


虎娘の間違いで無いのだろうか?皿を洗うより粉砕して片付けてくれそうだ。


「今なら二人でたった金貨3枚!」


あれ?安すぎる。妙だな...、でも良いや。どうせイエンが回復したら自由にしてもらう積りだし安くて助かる事に違いない。


「買った!」



店に後にする俺を奴隷商の従業員が見送る。


「店長ーぉ!エルフと虎人をセットで金貨3枚って何ですか?大赤字ですよ!?」


「ふん。俺もとんでもない外れを引かされた物だ。いいか俺は耳が早いからな、これは誰も知らない事だが今度エルフと戦争になる事になった。いいか良く聞け、奴らが責めてくるんだぞ?そうなるとエルフの奴隷を持っている店がどうなるか分かるか?」


「...街の人に喜んで貰えるでは?」


「もっと頭を使え!戦に勝ってエルフの奴隷が増えればそれだけ商品価値が下がる。それくらいはまあいいさ、勝っている内はな。でももし劣勢にでもなってみろ!戦争の原因はエルフを攫って奴隷として売りさばいた俺達奴隷商だ。とたんに吊るし上げにあっちまう。だから今の内に売れるだけ叩き売って暫く商売代えだ。なあに戦争が終わればまた始めればいいだけの事だ。」



「おーい、帰ったぞー」


貸家に帰るとオシエンが飛び込んで来た。


「お腹減った!」


 帰りに市場で買って来た食材を大猫娘に渡す。男の奴隷も一緒に手伝ってなかなか上手くやっている。男の方は早々に自由にして貰おうかと考えていたが暫く手伝って貰っても良いかな?


 でっかい猫娘の名前がフォウ、種族をしらんが奴隷の男はアロンと言った。


 アロンは大方の亜人奴隷と同じく人間が嫌いの様だ。俺を見る目にも怒りが籠っている。


 そんなアロンにオシエンはノーガードで纏わりつく。


 カットしていた瓜を一口くれくれ、焼いてた肉を切っていても一口くれくれ、なんだろう?このお姫様。野生化が物凄い勢いで進んでいる気がして困るのだが。


 最初はうっとおしそうに相手していたアロンだが暫くするとオシエンには心を開いたかに見えた。


それで十分である。後は任せよう。


「いいかお前たち。この家に誰が住んでいるかと聞かれたら、年老いた老夫婦だと言え。子供の声が聞こえたと言われたら鶏だと答えろ。此奴らは追われている身だからお前たちが守ってやってくれ。決してこの二人の事を外に漏らすなよ。彼らの隠匿生活が終わった暁にはお前たちを自由にしてやるから頑張ってくれ。」


 イエンの前でフォウとアロンにそう言いつけるとイエンに当座の生活費を渡して俺は冒険者ギルドに向かった。さあてアンナのやつ稼いでいるかな?

読んで頂き有難うございます。

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