第27話 筋肉少女大尉
倒れた敵を観察する。
強かった。マジで負けるかと思ったし実際支援魔法無しなら負けていた。
それにしても物凄い筋肉だ。筋肉ってこういう風についているんだ?お手本の様に立派な体である。攻撃が物凄く重くて苦戦した。俺より強い奴なんていないと高を括っていたが見習って筋肉を鍛えよう。
そういえば自称少女だったな…本当か?
そうそう!それよりも戦っている最中の違和感。そっちを先にを確かめねば。
俺は敵を仰向けに寝かせると敵の胸板に手を当てそのまま真っすぐ下に降ろして行き違和感の正体を突き詰めようと意識を集中する。
「何触っているのよこのエッチ!」
アンナに後頭部を杖で打たれた。アンナそうでは無い。しかし今は集中しているので反論は愚か返事も出来ない。
あった!むき出しの臍の下にそれは有った。意識を集中させる事で敵の体から俺の掌へと徐々に移動させる。そら見ろ!体から黒い球体が浮かび上がって来た、大きさはソフトボールの球くらいであろうか。
禍々しくも膨大な魔力を感じさせるその球体の使い方を俺は知っていた。
なぜ知っている?
初めてみるこれを自分の体に叩き込めと本能が語りかける?
手が止まらない。
「はははは、ガブそれヤバそうだよ!あっだめっだめぇーそんな所に入れちゃ!」
俺はその球体を自分の臍にあてると一気に体内に押し込んだ。
体中に稲光が走った。この感覚は?
今俺は強さのステージを10段くらい跳び箱した。そう確信した。
ふと球体を抜かれた敵に目をやると彼女は見る見る内に小さくしぼんで行く。水着は完全にオーバーサイズとなって今や全裸で横たわる少女。むむっこれはっ!
幸いな事に?元の体は美少女であった。
「ガブ大丈夫なの?ガブって本当に強いんだね。」
美しい四肢を一生懸命目に焼き付けていると隠れていたサラが心配して駆け寄って来た。勝負は危うかったが今の所俺は大丈夫だ。敵の力を奪いもしたが巨大化しなかったし全身から毛が生えてもこない。
あっもう敵が気が付いてしまった様だ。縛り上げるのを忘れてた。原因は分かっている、観察時間が長すぎた。
敵はとび起きるなり悪態をつく。
「ひどい。私の体を返して!許せない、貴方に全てを奪われた!」
おいおい物凄く人聞きの悪い言い方は止めてくれ、君の暴走を止める為だから。
「なぜ?!なぜ最新型の私が負けるのよ!」
知るかっ!機体の性能にオンブに抱っこな〇〇〇だからさっ!
その時煙の向こうから黒龍が現れると背に乗ったスーツ姿の男が少女に手を伸ばした。
「大尉!」そして少女の手を取るとそのまま連れ去って行く。
「お前ら覚えて於け!」全裸少女の叫びが谷に木霊する。くそっ!真っ黒執事の野郎、全裸美少女と空中で二人っきりとか羨ましすぎるぞ!
ふふふふ、だ。しかし未だに覚えて於けとか捨て台詞を言う奴がいるんだ?
次会った時は絶対「お前誰だっけ?」と言ってやる。
◇
オマイとアンナは制止する間もなく並び立つ長屋の中に行ってしまった。他にも敵がいるかも知れないと言うのにせっかちな二人だ。
するとサラがピッタリ密着してくるでは無いか。さり気無く左手を腰に当てて見たが受け入れらたようだ。ふふふ、わが右軍はAフィールドに着地着岸せし、貴軍のシンガリが無防備だが食い止めれるかな?
…冗談はさておき。俺はサラをひょいとお姫様抱っこすると谷を楽々下る。右手がサラの胸に近い。むむむむ、こちらの味方の軍は丘へ攻め入る事を許可求めているであります!
却下だけど。
最初の長屋の中では長い髭面をした男達が沢山の鉱石を溶かしていた。片隅にはいくつかの銀インゴット。それは俺が隠し鉱山から頂戴した物とそっくりだった。つまり鉱山で取れた鉱石は態々ここまで運ばれて精製されていたという事だった。
俺が助けに来たと告げると作業していた男達は鉱石や石炭を投げ出して俺の足元に跪き礼を言う。
しかしオマイたちは何処へ行った?
暫く同じ様な精製長屋が続いたが今度の建物は女性ばかりいた。窓は少なく暗い室内にはお呪いに使う札や道具らしき物が所せましと置いてあった。銀色の髪も彼方此方に見受けられた。老婆の髪?いやエルフの髪か?いったい何の材料だ?
「おい、この中で王様を呪わなった奴は居るのか?」
俺が聴いても皆下を向いて黙っている。
「まあいい。俺はお前らを助けに来た。助かりたいなら外に出て待ってろ。」
そう言って次の建物へ行く。
そこでは兵達とオマイ達が戦っていた。
「あっガブ、丁度いいところに来た。こいつら倒して、私たちは奥を探すから。」
「あいよっ!」
6人居たが、アンナのリクエストにサラを地面に置いてから丁度10秒で全ての敵を気絶させました。
「ガブー!ちょっとこの建物の外で見張っててー!」
人使いの荒い事。仕方なくサラの手を引いて外に出る。サラは大人しく俺に手を引かれ付いてくる。
うーむ、このままもう一回暗い部屋に戻って見る?
「ガブ、貴方凄く強いのね。何だか私ドキドキして来ちゃった、変よね。」
ふふふふ 冷静に言おう。それは吊り橋効果に違いない!一緒に危険な目に会うと危険体験を共有した異性を好きになった気になるという物だ。
若しかしてもうひと押しな気がしたので押して見た。
「ふっ。所で俺の村で泊まる時ベットは一つしか無いが大丈夫だよな?」
「えっガブが床で寝ればいいんでしょ?もしくはラヘルん家に泊めて貰うから大丈夫」
「そっそうか…」
あれ? おかしいなあ。ドキドキしてたんじゃ無かったの?
「もっもしかするとラヘルも俺のベットで寝たいと言うかもしれんぞ、奴は寂しがり屋だからな。」
「うーん、その時は考えてみる。」
よっし!急いで村に帰りラヘルを説得せねば。
それに直ぐに俺のベットも大きく作り直さねば。そうすればぐふふふ。うおーっ、わくわくして来たぞー!
いつも読んで頂き有難うございます。




