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第23話 マタロンって名前は酷くない?

9/24 誤字訂正しました。なぐさま→慰め

 遠くで爆発の音が聞こえた。分かっている、平原で爆発魔法をぶっ放す馬鹿なんてオマイ位だ、どうせ川が邪魔で通れないならぶっ放して見ました、ははははっとヘラヘラしながら笑っているんだろう。


 俺は揺らさない様ゆっくり進んで欲しいとお願いすると御者のおじさんに銀貨1枚を手渡した。賄賂と言えば賄賂だが、フロンティアでは賄賂の事を潤滑油と呼ぶ事もある。まあ、高価な残業代だと思って貰えればいいのだが。


 夕方、定刻より3時間遅れで次の駅に着く。幸いな事に今回の駅は宿だった。


 怪我人を休ませるベットがあるのが助かる。それに貴族の子供も休ませてやらねば。まあおまけだが。


 こじんまりした玄関の先にはテーブルが一つ置いてあり、そこには俺の指示通り、既にオマイとアンナが座っていた。


 ラヘルとクックは部屋だろう。取り合えず見つからない様に大人しくしていて欲しいと願いつつオマイ達の横を通り過ぎる。


俺は3部屋を依頼した。姫様と呼ばれる少女と傷毒に苦しむ護衛男に1室。次にサラ侯爵令嬢用に1部屋。最後に俺の部屋である。


3部屋分の支払いを澄ますと先ずはサラを連れてくる。気丈にも歩くが足取りがフラフラだ。


「あら、そこの方。具合が悪そうね。私こう見えてもBランクの白魔導師なの。見てさし上げましょうか?」


よし、上々な台詞だ、アンナ。


サラが何か言いかけたが、俺が先に言う。


「本当か!?じゃあ、頼む。熱がある見たいなんだ。それと馬車の中に怪我が悪化した男が居て危なそうなんだ。今から部屋に運ぶから後で部屋に来てくれ。」


「御代は一人銀貨5枚だよ。」


ちっ俺から金をとるのか?


「くー、仕方が無い。ほら銀貨10枚!もってけ。」


サラの事はアンナに任せてもう一人の怪我人を運ぶ。しかし本当に大丈夫かこいつ?今にも死にそうだぞ。


「お前、名前は?」


「いっ言えん。」


「イエンさんね。はいはい。このまま放って於くと死ぬけど如何する?」


「姫様をお守りしなくては。」


「何処まで?」


「地獄の果てまでも」


あーもう、一瞬死んでいいやって思ってしまった。


「具体的にカモン」


「せっせめてレイバンまで逃げれれば、仲間が…」


「分かった、任せろ。だからユックリ傷をなおせ。」


「マタロン、我を於いて死ぬのか?許さぬ。許さぬぞ…」


小さなお姫様もそろそろ事の深刻さが分かった様だ。しかしなあ、その奇妙な実名は目立ちそうだ。


「こいつの名前はイエン!お前の名前は、えーっとオシエンだ!いいか、イエンとの約束でレイバンまで無事逃がしてやる。だが、俺は貴族が大っ嫌いだ。偉そうにしたら狼に食わしちまうからな!」


「はははは、こらこらガ…じゃなかった、誰だっけ?」


オマイと居ると緊張感が台無しだな。


「呼び名はガブでいい…」


「はははは、デュじゃなくてガブ君。」


こいつワザと間違えようとしているのじゃ無いのか?


「はははは、先のお嬢さんは治療が終わって、今はベットで休んで貰っている。次はその男の治療だが、すこし荒っぽい事になるので、二人共出て行って貰って良いかな?」


 オマイの荒療治って爆破か感電しか思いつかないんですけど、もしかして針でも刺して雷魔法を落とす気では無いだろうな?本当に死んで終うぞ?


 俺はオシエン(仮名)と二人で玄関をウロウロしていたが、だんだんオシエンが泣きそうになって来たので仕方が無くサラの部屋へ連れて行く。そこで俺はオシエンにタオル交換の仕事を言いつけた。何かしている方が気が紛れるだろう。


「なんで、我がこのような仕事を…」 これだから貴族のガキは…。ブツブツ言っていたから言ってやった。お尻を打たなかっただけ優しいと思え。


「働かざる物食うべからずだ。そしてお前はそんな事しか出来ない無力な子供なの!」


すみません。やっぱ言い過ぎました、わんわん号泣されたもん。


 あー、子供って難しい。いや、村の子供は足持ってぶん回していれば大喜びで簡単だった。そうだ、都会の女の子だからだ。扱いが難しい!


 おかげでサラが起きてしまったぞ。


 てっきり怒り出すかと思いきや。なんと泣いているオシエン(仮)を抱き寄せ慰め始めたでは無いか。あれ?ちょっと見直した。 


「よしよし、怖いお兄さんですねー。」


 薄いシャツ1枚でオシエンをそっと抱きしめると、そう大きくは無いが形の良い胸にオシエンの顔が埋まる。うっ。羨ましいぞ、オシエン!


「わっ我は子供ではないぞ!」


 当のオシエンは子ども扱いされたと思い腕を振りほどいて横を向く。代ろうか?なんならお兄さんと代ろうか?


「はいはい、では涙を拭いて。小さなレディー。」


まあ生暖かい目でその様子を見守っていたがそろそろ夜も遅い。


「オシエンそろそろ寝る時間だ。明日イエンの容態が良ければ出発する。サラも寝るんだ、まだ治りきっていなのだからな。」


急にサラの目つきが胡散臭い物を見る目に変わった。


「私、名前何て一度も口にして居ないわよ?!」


そう?


さて、この場合何と答えれば切り抜けられるのだろうか?


① はい、貴方のお父上に言われて跡をつけて来ました。

② そんな名前かなと予想しました。

③ 実は貴方が好きです。大好きです。


「うーん、答えは③の実は貴方が…「私が教えたのよ。サラ」」


「アンナさん!名前は隠して旅しているんです。治療してくれた貴方だから正直に告げたのに。」


「そうねごめんなさい。でも呼び名は必要でしょ?それにこの人は見ず知らずの貴方やイエンさんを助けようと必死になっていたわ。少しは信じて上げても良いんじゃない?」


 アンナ。最近胸が大きいなだけのダメッ娘化していたがナイスフォローだ。やっぱりお前はやれば出来る娘だったんだ。


「そっそうね。有難うガブさん。」


素直になったサラはドキッとする程可憐で美しかった。


「じゃあ皆もう寝る事。おい、オシエン。お前はイエンの部屋だ。何か有ったら隣にいるからな?

鍵は開けとくから…」


翌朝思ったよ、やっぱ田舎でも鍵は締めなきゃダメだって。はぁー。

何時も読んで頂き有難うございます。

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