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第20話 逮捕されました。

 アンナ組のエルフ捜索は難航している様だ。俺はもう暫く時間を貰ってラヘル探しを続ける。奴隷として売られた先が判明したのであともう少しである。


 今日俺はスサノハさんと二人でリーネン侯爵家を訪ねて西都の南側に来ている。この辺り一帯は大きな屋敷が建ち並ぶ。


「一昨日書状を出しておいたわ。流石に侯爵家にいきなり訪ねて行ったら私でも逮捕されちゃうから。」


…スサノハさん有難う。スサノハさんが居なかったら絶対門を破って押し入っていた所でした。


メイドさんに案内されると侯爵家の下男が住まう家の一室に通された。


其処にはダークグレー色のスーツに身を固めた白髪混じりの男性が立っていた。


「あなたがラヘルのご家族ですかな?ラヘルに聞いた所、兄弟は居ないと言っていましたが。」


「若作りしていますが父です。会わせて貰えば分かります。」


 どうせもう二度と会う事の無い人物だ。嘘八百並べて見た。


「彼女が行方不明になったとの事ですが、彼女は借金の為売られて来たと言っています。貴方の借金では?」


「買い戻すお金を作って来ました。買われた金額の倍お支払いします。どうか会って話をさせて下さい。」


「ふむ、それでは最後にそのマスクは失礼には成りませんかな。正体を現さずに信用しろと言うのも身勝手に感じますが?」


「すみません火傷で大きな傷が有ってとてもお見せ出来るような状態では無い物で…」


「そうでしたか、失礼した。ではラヘルを呼んで来させます。」


ああ、やっとラヘルを探し出せた。


ラヘルは部屋に入って来ると俺を見て立ち止まった。


俺は少し迷ったが声を出してラヘルを呼んだ。


「ラヘル、俺だ、デュークだ。」


ラヘルは何も言わず飛びついて来た。こそこそ耳元で囁いて於く。


「ラヘル、俺は今お前の父親って事になっている。話を合わせろ。買い戻してやる。」

 

「どうやら知り合いであるのは確かの様ですな。さて、借金奴隷をお金が出来たからと言って売り戻す義務は当方に在りませんが、それを拒絶する事も侯爵家の名を汚す可能性があります。購入代金は金貨10枚、ハッキリ言って掘り出し物でした。その倍払うと仰いましたね?」


 ラヘルは俺の目を見ると涙を潤ませた。俺たち村人には到底準備出来ない金額だ。


「銀のインゴットで支払いたい。1本10kgだと何本で足りる?」


「ふむー。それですと銀貨100枚出来ますが、製作費用を引きますと銀貨80枚って所でしょうか?金貨20枚分ですと25本ですな。」



 俺は馬車に戻ると250㎏の銀塊を大きな木箱に詰めると一人で背負って戻って来る。


 そんなに重い物を背負える筈がない、見かけだけ銀のまがい物だと思った執事が1本1本確かめたが本物だったので心底驚た様子だった。


 「随分力持ちのお父様ですな。それでは確かに頂きました。これが奴隷証です、これを破ればラヘルは自由の身です。」


そう言って執事は俺たちの目の前で紙を真二つに引き裂いてくれた。しかし、


 「ちょっと待って!私に黙ってラヘルが居なくなるって本当なの!」


 ドアを粗々しく開けたのはラヘルより少し幼い美少女。ツインテールに豪華なブラウスを着た、とても気が強そうな貴族の少女だった。


◇ 


 「サラお嬢様、こんな所へは来ては行けません。」


 執事が窘めるが耳を貸さない。


 「ラヘル 本当に行ってしまうの?」 目を潤ませながら訪ねる。


 「お嬢様、良くして頂いたのに申し訳ありません。私はこの人と一緒に東の開拓村に戻ります。」


 「そこのマスク!名乗りなさい。それに我が屋敷内で顔を隠すのは失礼です。マスクを取りなさい!」


 「お嬢様、ゴニョゴニョ」


 「デューク!マスクは大目に見ます、でも私からラヘルを奪うとは事は許しません。覚えていなさい!」


 そう言って嵐の様に去って行った。


 「申し訳ありません。近頃お嬢様は屋敷の外には出れず、やっと年の近い従者が出来た所だった物で。」


 「気にしないで下さい。ではどうも有難う御座いました。」


 俺はラヘルの手を取るとさっさと部屋を後にする。すぐにラヘルが嬉しそうに体をすり寄せて来た。


 「ガブ、デュークさんの真似するとノイさんに怒られるよ。」


 「マスクを被って居るときはデュークと呼べ。それに何で攫われたってあのお嬢様に言わなかったんだ。あの様子ならきっと同情して開放してくれたのに。」


 「だって、奴隷商のおじさんがその事を話すと侯爵家様にも迷惑が掛かるから言うなって。」


 「全くお前って奴は」


 「ねえ、ラヘルちゃん。ラヘルちゃんはデュークさんのマスクの中の素顔を知っているの?本当に火傷があるの?」


 スサノハさんが興味深々で聞いて来た。


 「えっ?ガじゃなかった、デュークさん、火傷しちゃったの?大丈夫?」


 「馬鹿、方便だよ、方便。そうとでも言わないとマスクを取れって煩いから。」


 「よかったー」


 馬車に乗り込み馬を走らす。


 騎士団の宿舎に着くと明日ラヘルを送り届けるために俺一人で出発する事をスサノハさんに告げる。彼女は団長にそれを伝えに行った。


 馬車に僅かばかりの自分の荷物を積み込んで居ると人が大勢やって来た。ギルドマスターもいる。宿舎からも人が大勢やって来るがスサノハさんは未だ戻って来ない。


 「マスクマン・デュークだな?」


  騎士の一人が近づいて来た。


 「リーネン伯爵家令嬢サラ様を誘拐した罪で逮捕する。」


 えっ?まじで!?


いつも読んで頂き有難うございます。日々感謝です。


(改)誤字、句読点修正しました。

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