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第15話 二人は親友です

 で、現在までスサノハさんに抱き付かれたまま過ごして居ます。


 「スサノハさん、そろそろ離れたら如何ですか?宿に付きますよ?」


 馬車内でアンナが言った。オマイとクックは御者席に居る。


 「デューク君がそう言ったら離れるわ。」


 「じゃあ、デュークが離れろって言わなければ、寝るのもトイレも湯あみも全部一緒に?」


 「そうね、そういう事になるわね。」


 なんだろう、スサノハさん。アンナをからかっているのかな?


 「PT内でそんなの不潔です」


 アンナがほっぺを膨らませた。


 「あら、アンナちゃんとオマイ君は一緒に寝てるじゃない?だったらアンナちゃんとデューク君で部屋交代しましょうか?」


 いやいや、俺のルームメイトはクックって決まっているから…


 「オマイと私はそういう関係じゃありません!」


 アンナが横を向いた。


 「じゃあ、どういう関係なの?」 とスサノハさん。俺も其れ知りたい。


 「しっ親友です!」 あっ親友ね。納得。


 「あら?男同士、女同士ならともかく、男と女で親友って中々難しい物があると思うんだけど。」


 「わっ私たちは特別な親友なんです!」


 「はははは、宿が見えました。」


 「じゃあ、私もデューク君、クック君と親友になれるよう努力するから一緒の部屋に泊まるわね」


 「クック!何か言いなさい!!」


 「親友ッポ!」


 アンナはガックリと崩れ落ちた。


 ◇ ◇


 宿にて。


 『体を拭いてあげるわ、上着を脱いで。』


 『…』


 「あら、これ逞しい。触っていい?ふふふふ」


 オマイとアンナは盗聴器で隣部屋の会話を盗み聞き中である。


 「あのエロばばあー」 


 「はははは、アンナ、その言葉遣いは良くないよ。いやらしいお姉さん位にしておこうねー。」


 『俺にも触らせろよ。おい!何で俺だけダメなんだ!』


 「はははは、オト〇だからだよ。」 オマイが呟いた。


 「なーんだ、トサカの話か。心配して損しちゃった。」 


 アンナが呟きながら盗聴器を置く。


 それを仕舞いながらオマイが言う。


 「さあ、こんな事していないでご飯を食べに行こう。」


 ”ガチャ”ドアを開く。


 「はははは、ご飯を食べにいこうよ…」


 俺は脱がされかかったズボンを押さえながら迫りくるタンクトップ姿のスサノハさんに鼻の下を伸ばしていた。クックは既にパンツ1枚で部屋の中で羽ばたいている。


 「はははは、鼻の下伸ばしすぎー!」


 「ぐぎゃーーーー!」


 裏切り者のオマイから詠唱破棄の雷魔法が降って来た。雷撃で骨が透けて見える俺を見てクックが大笑いする。


 「クック。貴方も早く服を着なさい!」 


 ◇ ◇


 食事が終わり、スサノハさんが湯あみに出かけたので久しぶりに4人で会議をする。


 「スサノハさんには抜けて貰いましょう。PT内がギクシャクするわ」 アンナが提案する。


 「でも実力はあるぜ?」 とフォローする。更に+色気もありますが。


 「じゃあ、代わりに私とオマイが抜けてもいいのね?」


 「…」


 せめて、西の都に着くまではという事で納得して貰った。はあー、人が増えると難しい。


◇ ◇


 西都はニオ家西域大公の領地を馬車で4日程横断した先にあった。


 怪我をした白竜は詫びの手紙を持たせて一旦ソニンの町で待つエルフのマリアムさんの元へ帰した。


 都に着いてスサノハさんにはこの先は4人で進みたいと申し出た。


 意外な事にスサノハさんはあっさり了承してくれた。すこし寂しかった。


 彼女は直ぐに騎士団のある建物に出向くと言う。俺たちは竜管理課のあるという石造りの立派な建物の前にいた。


 「ねえ、デュークは仕方ないとして、何でクックまで袋を被っているの?」


 アンナの疑問も当然である。


 「アンナ、クックは珍しい種族なんだ。バレると誘拐されるかもしれない。」


 「はははは、クックを誘拐するなんて無謀な人たちだね。」


 「それは、俺もそう思うが無用な面倒を引き寄せない為の知恵という奴だよ。これは。」


 前の人に続いて受付カウンターの前まで進む。


 「黒い竜の持ち主を調べたいのですが。」


 「…せん。」


 えっ?何て言った?


 「マスクを被った人は中に入れません。建物の外に出て行って。それじゃあ、そこのマスクを被って居ない二人、貴方達はここに申請内容を書いて向こうの窓口へ。」


 そして何と俺とクックは追い出されました。


読んで頂いて有難うございます。

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