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〜ぜんぶ夢のなかに〜
心が壊れていく音がする。
ぽろ、ぽろ、ぽろろ、コトン。
伸ばした手は空を切り、冷たい地面に四肢が打ち付けられた。
ーああ、また駄目か。
気づくと、ベットから落ちた情けない私がひとり。
カーテンから漏れる月明かりから、まだ時刻が深夜だということを知る。
少女は重い身体を起こし、寝巻きを脱ぎ捨てて、制服に身を包んだ。
ー私を守ってくれる、唯一の存在。それこそが、この制服の存在意義なの。
狭い部屋の真ん中で、くるり、と一回転してみる。
ヒダのついた紺色のスカートが、パラソルみたいにふんわり舞った。
「なかなか、いいでしょう?」
少女は、鏡の前で得意げに笑うと、誰もいない1Rの部屋を後にした。
お初にお目にかかります。姫川です。
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