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サイキッカー辛過ぎワロタ  作者: 鉄飛行機
エピソードⅠ
1/24

プロローグ 悩 (挿絵あり)

プロ目指して中学生の頃から物書きしてます!

どなたでも気軽に読んでいただけるとうれしいです!


この作品は、タイトル通り「どうせ誰も私の気持ちなんて…」ってって思う人たちに、この世界のどこかで自分みたいに悩んで闘ってる人たちがいるって事を知ってもらいたくて書きました。


少しでも多くの人に読んでいただけると幸いです。

プロローグ


挿絵(By みてみん)


俺は昔の夢を見ていた。

その過去は、俺の夢となって何度も降りかかる。

ただ、その日は妙に鮮明に景色や色がはっきりと見え、それはもしかして現実ではないかと思わせるような光景だった。


俺は夕日の差し込める学校の教室にいた。

規則正しく並んでいる机。それら所々の机上に点々と置かれている、赤や黒のランドセル。

そこがすぐに小学校の時の教室で、同時に俺はあの頃の夢を見ているのだと理解した。

そして意識だけの俺は、教壇の辺りから誰の干渉も受けることなく、ただ客観的にその光景を見渡していた。

この過去は忘れたくても忘れられない。

もううんざりだ。止めてくれ。

何度そう願っても、頭に染み付いて離れない。

そして今回も目の前に、あの日と同じ光景が広がっていた。

「もういい加減にしてくれ!」

小学五年生の時の俺だ。教室の隅で、クラスメイト10人に囲まれている。

ランドセルを取り上げられ、逃げ道も塞がれている。

俺はーーある日を境に虐められるようになった。

「お前また女子の着替え覗いただろ?いつも授業中とかも見てるんだろ?気持ち悪…」

男子の一人がそう言った。

勿論、目の前の幼い俺が言い返す。

「違う!俺はそんなことしてない!俺はそんなことーー」

「はぁ!?何言い訳してんの?まじお前みたいなのと一緒な教室嫌なんだけど」

「そんな……俺は、皆と同じに……」

「違えよ!お前みたいな気持ち悪い奴と一緒にするな!」

クラスメイトの一人がそれを言い放った。

やはり何度聴かされてもそれは絶望的なショックで、昔の俺は我を忘れるほど気が動転した。

「うるさい!俺が一体何をしたって言うんだよ!」

幼かった俺の叫び声が、教室内に響き渡った。

無我夢中で言い放った叫び。だがふと気が付くと、次の瞬間罪悪感と恐怖感が同時に襲ってくる。

囲んでいたクラスメイト半数がそれらを唖然と見つめ、残り半数は教室の向こうの方で痛みに耐えるように倒れていた。

まるで強い力で突き飛ばされたかのように。

「……ま、また……やってしまった…」

目の前のクラスメイトを突き飛ばしたいーー確かにそう思ったかもしれない。けれど、触れてさえいない。

でも……意思はあった。

……意思があっただけなのに。


遠くで、体あちこちを打ち付け痛み苦しむ表情。

そして俺の周りで、俺をまるで危険物を見るかのような視線。

クラスメイトの悲鳴が俺の胸に鋭く突き刺さり、全員が揃って放った台詞が、俺の精神を崩壊させた。


「〈化け物!〉」


 俺は何度も同じ夢を見る。

 そのトラウマはしつこく脳裏で再生され、その度に強く胸が締め付けられるようだった。

 

 ※


 『サイコキネシス』……または『テレキネシス』とも呼ばれ、意思の力だけで物体を動かす能力のことである。

 俺の家系は代々超能力者の家系で、俺――も例外ではなかった。

 小学3年生の時の話だ。

 赤いランドセルを背負う女の子に、背後から今にもバイクが衝突しようとしていた。

 運転手がどこかを余所見していて、全く女の子に気が付いていない。

 死が刻一刻と迫っている。そんな状況だった。

 俺はそれを遠くからいち早く発見し、防ぎたいと思った。

 だが声が届かず、勿論手も届かなかった。

 そんな時俺は強く念じたのだ。

 「バイク止まれ!」

 だが次の瞬間、俺から出た目に見えない強い力のようなものが、早い速さで宙を舞い、バイクに激突したのだった。

 バイクはすぐに隣の建物に激突した。

 その日を境に、超能力の噂が学校中に流れ、冷たい視線を浴びることとなる。

疎外感を感じ、俺の居場所が無くなった。


サイコキネシスは映画や漫画の中ではよく登場する。

 特殊な能力なんかは、敵ってものがいればそれは役に立つだろうし、重要な役割を担うだろう。

 だがこの平凡で、毎日何もない日常の中でははたして必要だろうか。

 遠くの物を取ろうとも、もし誤って力を強く使ってしまったら……おそらくその物を破壊しかねない。

 あのときもそうだった。ただ病院に行く相手が、女の子から運転手に変わっただけだ。

 俺はこの能力のせいで……


挿絵(By みてみん)

ご愛読ありがとうございました!


中学生の時友達からきっかけを貰って、ずっと書き続けてきました。

その日から、アニメや映画を見る度あっちの世界のお仕事がしたくてがんばって来ました。


これからも応援よろしくお願いいたします。

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