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1編です
「切り取る世界への夢」
小さな窓の向こう側に
闇に染まった波は
穏やかに打ち寄せて
小さな私の身体を
さらに向こう岸にある
星空に届けようとする
二度とは届かない夢の天井に
目を向けた私
何もないわ、見えているだけよ
皮膚には伝わらない悲しみは
星の身体を食いつくした
私は窓の悪魔なのだ
路地から見上げた私の
無表情に
多くの「思い出」が詰まっている
窓枠はそんな私を切り取って
人の町に
私を誇張する
なんてことのない私
ただ漂いたいだけの私
できれば闇の水に身を任せて
一つの星となってみたい
少しタイトル長めでした
有り難うございました