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侵入者にはご用心 2

相変わらず後宮での説明です。

 晴天に恵まれテラスでお茶会など洒落ていて女性なら誰でもテンションが上がるはず...しかしそれは気心知れた仲間内なら...という話。

 今のジャスティーンはこの苦痛でしかないお茶会が早く終わることを切に願う。

 煌びやかな衣装に宝石を身に着け自慢しあう側室たち。

 誰が一番国王のお気に入りなのかを自慢しあう場所に一度も王の訪問がない側室ジャスティーンは肩身の狭い思いをする時間。

 その思いは月に1度もしくは2度だけだと自分に言い聞かせて我慢した。


「ジャスティーン様、お加減はよろしくて?」

「ええ、おかげさまで最近は体調も良好ですの」

「そう、早く陛下のお相手ができるといいですね」

「いつまでもお手付きのない側室としてはいられませんものね」


 いつもの会話で笑いを取り、それから違う話題へと移る。

 そう、我慢するのだジャスティーンっと自分に言い聞かせて。


「そうですわ大臣の娘であるキャサリン・マーキー様が下賜されるという噂がありましたわよね?それが近々動き出すとか...」

「まあまあ、侍女たちから聞きましたわ」

「確かキャサリン様はお年が...という理由でしたわよね?」


 扇をパタパタと優雅に仰ぎながら嬉しそうに会話する側室たちにウンザリするジャスティーンは、話を聞いている振りをしているように数回頷いた。

 キャサリン・マーキー御年31歳。

 後宮に住まう側室は30歳過ぎると肩身の狭い思いをする。

 まだ女盛りだというのに、陛下の訪問があるのにも関わらず王の子を生さない者は臣下に下賜される確率が高い。

 まあ、王の寵愛を受けているなら話は別だろうが...

 しかし6年経った今、数多くいる側室の中で誰1人として王の子を身ごもった者がいないこの現実に異を唱える者は少なくなかった。

 初めて後宮入りした50人の側室がまた1人いなくなった。

 新しい側室が入ればいいのだが...国王陛下の考えが分からない今、誰でもいいので早く後継者を産んでくれと願わずにはいられなかった。

 まあ自分には関係ないけどね~とジャスティーンは考えていた。

 お茶会で皆の交流を兼ねているが、側室同士でけん制もしている。

 やはり早く自室に帰りたいと切に願うジャスティーン。

 しかし、平凡に生きていくためには大きな流れに逆らわない様に、生きることがベストだとジャスティーンは考えていた。

 皆の話題が今度の夜会へと変わった。

 この話題は重要だ。

 側室の皆さんがどういったドレスを身に着けるのか・・・とりあえずかぶらない様にしないといけない。

 後で嫌味言われるから。

 そんなことを考えていると側室たちが騒ぎ出した。

 それは、未だ正妃もいない、子供も生まれていないソレイユ国王だが、そんな国王の側室に1人だけ王の寵愛を受けている者がいる。

 それはお茶会に遅刻してきたイザベラ・マルフォイ子爵令嬢だ。

 ジャスティーンの家は男爵だがイザベラの子爵家の方が格は上なので何とも思わないけど、近隣諸国の王女様や侯爵・伯爵家の娘たちは良く思っていない者もいる。


「皆様、ごきげんよう」


 優雅に扇を仰ぎながら侍女が椅子を引きそこへイザベラは腰かけた。

 お茶会に遅れてきた件の謝罪は一切なし。


「おほほほ、ごきげんようイザベラ様」

「遅い出席ですわね?」

「それは申し訳ございませんでした。昨晩、陛下がなかなか眠らせて貰えませんでしたので、お茶会に遅れてしまいました」


 イザベラの言葉に他の側室の顔色が変わった。

 そりゃそうだ...国王の寵愛を一身に受けているだけでも面白くないのに、面と向かってケンカ売ってるものねともジャスティーンは思いながらティーカップを持ち上げ一口飲んだ。


「それはお熱いですこと。そうなりますと早々にお世継ぎが誕生しそうですわね」

「そうなればソレイユ国も安泰ですわ」


 「おほほほほっ」となど笑いあう側室たちの姿は恐ろしいとしか言えない。

 イザベラが後宮へ来たのは確か4年前だ。

 最初から後宮にいる者達にとって目障りな存在だが、世継ぎがいない以上他の側室と状況は変わらない。

 しかし...イザベラや他の側室を毎回見ると思う事だが...皆、羨ましいくらい胸が大きくて腰もくびれていて、はっきり言っていい体をしている。

 その中でもイザベラ様は美しい顔立ちだ。

 他の側室の方もそれなりにお美しいが...うん、私はイザベラ様の顔立ちが好ましいともジャスティーンが座る席から遠い位置に座るイザベラの体を思い出していた。

 ジャスティーン自身表向き病弱という設定なので、貧相な体の自分を有難いと思ったのはこの後宮に来てからだ。

 他の側室と寵姫のイザベラとが嫌味の応酬をしている間にお茶会はお開きとなり、あと今月末に模様される夜会を乗り切れば当分平穏な日々が続くと思っていた。




 その1週間後茶会で噂されていた大臣の娘キャサリン・マーキーと数名の側室は下賜される事が正式に発表され後宮を後にした。






侵入者は次回現れます。

※6/11本文を訂正しました。

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