七回目
以下、殿の話し要約。
今いる場所はオウ国。
オウ国は四つの国と接しており、その全てと関係が良くない。
この世界には魔導士がいる。
魔導士は『術』という精霊の力を扱う技が使える。多分、俺達が『魔法』と呼んでいる様なモノ。
『術』は魔導士としての血筋が強く影響し、歴史が長いほどその力は強い。
我々の世界の存在は認識しされていて『異界』と呼ばれている。
『異界』から来た者は、この世界の人間よりもはるかに強い力を持っており、大魔導士と呼ばれる。
周囲の四カ国はすべて大魔導士が居るがオウ国には居ない。
戦力的に劣るオウ国は金や資源、時には人を差しだす事と、八千年続く強力な魔導士の家系によってなんとか均衡を保っているが状況は厳しい。
そして、朝迎えに来た女性達が八千年続く家系の当代。彼女達に今後『術』の指南を受ける。
殿は話が長い。
殿は割と軽い。
他にも色々言っていたが、とっくに集中力は切れていた。
食事をしながらと聞いていたが、前半の前半で膳の上は空になり残った時間はただ足がしびれない様にこまめに態勢を変える事ばかり考えていた。
「少し長くなってしまったな。いや、すまない。今日は自由に過ごすと良い」
「明日からは忙しいが、国を守るためと思ってどうか頑張って欲しい! 本当に!」
殿は手をブンブンと振りながら足早に出ていった。