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素人大魔導士  作者: カジ
1/16

一回目

 「サトウイチロウ」

 

 「スズキジロウ」

 

 「タカハシサブロウ」

 

 「タナカシロウ」

 

 中央の男が言う。

 

 男はいかにも殿様といった服装と、それに不似合いな程鍛えられた体。

 

 肩より下まで伸びた白髪を首の後ろで結っている。

 

 そのヘアゴム(の様なもの)にも金の装飾がされその男が高貴な身分、少なくとも金持ちである事がうかがえる。

 

 

 部屋の中には五人。男の他には青年が四人。

 

 一列に並ぶ青年達はピシリと背筋を伸ばし、拳を強く握りしめ、口は真一文字。

 

 部屋は暑くも無ければ寒くも無いが、額にはうっすらと汗が浮かぶ。

 

 ホコリ一つみつからない綺麗な木の床の上に、寝具と部屋の大きさの割に少ない調度品のみ。

 

 それ以外には何も無い部屋は実に質素なものだった。

 

 「間違ってないよね? これ」

 

 男の口角はやや上がり、深く刻まれた目尻のシワが浮かぶ。

 

 無駄のないこの部屋では声が良く響く。

 

 青年達がただ、頷いて答えると男は頷いて返した。

 

 「……ようこそオウコクへ」

 

 男が仰々しく片膝をつき祈るような仕草を見せて目をつむる。

 

 「あぁ、今のは秘密ね。『王が頭を下げるなんてとんでもない』ってうるさいのが大勢いるんだ」

 

 男は歯を見せて笑う。

 

 「大魔導士が四人も我が国へ。これは版図が動くぞ。これまでにない位大きくね」

 

 立ち上がった男が両手を大きく広げて笑う。

 

 状況が飲み込めない様子の青年達は、ただそれを見ながら無言で立ち尽くしていた。


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