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その季節  作者: あかあかや
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軌道エレベータの基部港

 3月のインド洋のガン島沖は、まだ季節風の影響が強くて大荒れの状態だった。波の高さは数mはあろうか。それらが無数に重なり合い、生き物の肌のように連動して見事な模様を描いている。上空高くから見下ろすと、青い大沙漠の砂丘の紋様にも見えるだろう。その海域を数隻の巨大なタンカーや作業船が波を派手に砕きながら行き交っている。

 このガン島は、インドの南海上にあるモルディブを構成するサンゴ礁の島で、ちょうど赤道直下に位置しており、周辺には島がない絶海の孤島である。インド洋の海流をさえぎる島が他にないので、ガン島周辺の海流はかなり激しい。

 その海上を波の高さに合わせて滑るかのように、2人の人影が空中に浮かんで、南の方角へ飛行している。グライダーのような飛行器具は一切使っていない。あまりにも低空の飛行なので、2つの人影は高い波に隠れてしまい、なかなか見つけることができない。


「ナン、このくらいの高度の飛行でいいのかい?もっと低く飛んでも構わないよ。障壁を使えば、波を突き抜けて真っ直ぐに飛ぶこともできるし」

 2人のうちの1人が、口を開いた。背丈は150センチ程度だろうか。筋肉質な体格で顔も四角く彫が深い。長年フィールドワークをしてきたのだろう。汚れが目立ち擦り切れている部分も目立つ武骨なジャケットに、これまた年季の入った丈夫そうなズボンをはいている。癖のある茶髪はメチャクチャに風にかき回されてすごいことになっているが、本人は全く気にしていないようだ。40歳くらいの見た目だが、その割に赤い瞳には無邪気さが色濃く残っているのが分かる。しかし、よく見ると、この世界の人間の顔ではない。

 そして、その武骨な男にナンと呼びかけられた、もう一方の男が、飛行しながら振り向いた。

「まあ、ウィザード幻導術の認識阻害の魔法を使えば良いのだけどね。せっかくの魔法禁止世界だ、この不自由さを体験するのも、また一興だと思ってくれ、クー博士」

 そういった顔もまた、この世界の人間のものではなかった。彼の身長はさらに低く、130センチ程度しかない。ひょろりとした姿で、ジャージにサンダル履きの、何とも気楽な服装である。年齢も50歳前半のように見え、坊主頭がよく似合っている。その細い目が微笑んだ。

「今年は、嵐になる日が多くてね。海面温度も例年になく高めだよ。そのくせ上空の冷気も、これも例年になく強力になってきている。だから、ほら。積乱雲だらけだ」

 ナンが、そう言って話を続けるが、クー博士は天気の話には関心がなさそうだ。しばらくの間、南の方角を見て波乗りをするように飛行していたが、急にその赤い瞳が輝いた。

「お?あれがそうかい?」

 ナンがうなずく。その顔から微笑みが消えた。

「ああ、そうだな。あれだよ」


 波高5mの水平線の向こうに、不自然な1本の柱が立っているのが見えてきた。柱の上端は雲に隠れて見えないが、相当に高くて巨大な構造物なのは一目で分かる。タンカーや作業船も、どうやらその柱を目指し、そして出立する航路をとっているようだ。

 次第に大きくはっきりと見えてくるその柱を、興味深い顔でじっくりと観察しながら、クー博士が感心したような声をあげた。

「なるほど。これが地球と宇宙を結ぶ、軌道エレベータかい。さすがに巨大だな、ナン」

 坊主頭のナンも同じように見上げた。しかし、表情からは感情が複雑に交差している様子が伺える。

「まだまだ、コスト高で産業誘致には苦労しているそうだよ、クー博士。しかし、この世界の人間文明初の宇宙への架け橋ではあるな。稼動して1年経ったけれど、それなりに人工衛星や企業コロニーも増えたし、最近では月面やラグランジュ点での大規模開発も始まったようだよ」

 クー博士が、ナンの感情を読み取ったのか、冷静な表情に戻った。

「そうかい。我々の世界では、このようなものがなくても気軽に転移術で宇宙まで行けるが、この世界では、ようやく初期段階か」

 そう言って、ナンの顔をじっと見る。しかし、その赤い瞳の好奇心の輝きはいささかも衰えていないようだ。

「どうだい、ナン。間に合いそうかい?彼らが地球から避難する道としては」

 ナンの表情がさらに複雑さを増して、細い目がさらに細くなった。

「さあ、どうだろう。それもあって今日、クー博士が採集に来ると聞いたので同行したんだよ。さあ、ついたよ」


 2人が着地したのは、巨大な軌道エレベータの基部だった。幾重にも並んだ防波堤と消波ブロックが、このインド洋外海の荒波を見事に鎮めているので、港の中では波打ち際もいたって静かである。その静かな水面上に、数隻の巨大なタンカーが横付けされていて、物資の搬入と搬出が盛んに行われているのが見える。おかげで相当に騒がしい。

 ガン島とは直接接してはいないようで、この巨大なエレベータはインド洋の海面に浮かんでいるようだ。巨大な浮島といったところだろうか。しかし、この激しいインド洋の海流に流されていないところを見ると、ガン島の海中部分にアンカーなどが渡されているのだろう。

 ナンとクー博士がてくてくと歩いているタンカー用の桟橋は外海の激しさとはうって変わって静かな波面を見せている。見上げると、数十階建てもある巨大なサイロや倉庫がそびえ立ち、その奥には企業群が収まっている摩天楼がいくつも見える。それは軌道エレベータという大樹を取り囲むアリの巣のような印象を与える。アリの巣と異なるのは、明かりがまばゆく灯り、資材搬入の轟音が延々と鳴り渡っている点だろうか。

 と、普通の人であれば思うのかもしれないが、クー博士は全くそれらには関心を示さず、ナンの後ろについて歩いている。彼の顔の前の空間には、ぼんやりとした球体のディスプレーが浮かび上がっており、それが示す情報に意識を集中しているようだ。前を歩くナンも、あまり軌道エレベータの施設には関心がないようであるが、とりあえずクー博士に説明しようと思ったのか、口を開いた。

「この世界の幸運だった所は、この軌道エレベータのあるこの場所に、ガン島という島があったことだね。おかげで、大きな構造物をいくつも建てる事ができている」

 ナンが、てくてくと護岸を歩きながらクー博士に説明する。

「恐らくは、この世界で最も重要な場所になるだろうからね。政治的な駆け引きが長く続いたらしいよ」

 上の階層には、空港があるのだろう。数分おきに巨大な貨物機が轟音を上げながら空へ飛び出していくので、ナンの声がよく聞こえない。しかし、クー博士もナンの話を適当に聞いているのだろう、意に介していない様子である。


 やがて、1隻の巨大なタンカーの甲板上に2人が進み出た。作業員は、数名のインド系の人達しか見当たらないので、資材の搬入と搬出は、全て自動化されているようだ。直径3mもある巨大なパイプが、何本もタンカーの船体に取り付けられて轟音を響かせていることから、大量の物資が流れているのが分かる。

 その騒がしい中を、散歩でもするような足取りで2人が進んでいく。不思議と作業員も気づかない様子だ。そして、不意に坊主のナンが立ち止まった。

「この下のバラスト槽だよ、クー博士」

 クー博士も、そうかとうなずく。

「では、見てみようか」

 そういった途端に、2人をぼんやりとした光が包んで、エレベータの箱のような形になり、2人をその中に乗せたまま、そのまま金属でできた巨大タンカーの甲板の下へ音もなく沈み込んでいった。何らかの魔法による空間移動術だろう。そのまま適度な加速度をつけながら、2人を包んだ光の玉が、巨大タンカー内のいくつもの階層を通り抜けて下へ降りていく。

「ほう、確かに巨大な船だな。この世界でも、これだけの大きさの輸送船が運航していたのか」

 クー博士が、頑丈そうなジャケットの内ポケットから、大きなつば付き帽子を取り出して、頭にかぶりながら、感心した様子で周辺を見やった。ぐしゃぐしゃな髪はそのままである。

「南インドの港湾都市へ向かう定期便だそうだよ。今や、熱波と洪水で世界中が食料不足だからね。宇宙産の食料もようやく注目されるようになってきたというところかな。まだ単価の高い魚介類と鳥肉類が主だけどね」

 ナン坊主が、クー博士の視線を追いながら説明すると、クー博士が少し考えるような仕草をした。

「そうか。その定期船のバラスト槽で見つかったということは、そのインドとやらでも発生しているかもしれないなあ」

「そうだね、クー博士」


 そう2人が話している間に、光のエレベータは、無事に目的地である船底に到着した。バラスト槽なので照明機器は設置されておらず、普段は真っ暗なのだろうが、今は光るエレベータが発する明かりで隅々までがよく照らし出されていた。そこには、奥行き1キロはありそうな巨大なバラスト槽の壁一面に、真っ黒い藻がべったりと張り付いている様子がはっきりと見える。その風景に顔をしかめる博士と坊主。

「これは、また。大量に発生しているな」

 博士がエレベータからひょいと降りて、そのまま空中を浮遊して黒い壁に近寄る。博士の周辺の空間がピリピリと青く輝きだした。

「ほう。相当な毒性を持つ胞子を放出しているようだ」


 そのまま、博士がジャケットの中から、大きな雑巾状の布を取り出して、壁の黒い藻をごっそりと無造作に拭い取った。よくやっていることなのだろう、手馴れた手つきである。

 雑巾には、どうやら測定機能もついているようで、すぐに藻の正体を暴き出し、その情報を博士に伝えた。鼻音が多く、聞き慣れない言葉である。まるで雑巾が話しかけているような気にもさせる。次いで、空間に3次元ディスプレーが浮かび上がった。これにも詳細な観測生データが洪水のように表示され、それらがグループ化していき、グラフと分子構造式、遺伝子情報だろうか螺旋状の立体図が表示された。そこに記述されている文字も不可解な形をしている。その文字は、細かい幾何学模様のバネのような図形が寄せ集まった形で、それが時間の経過と共に互いの位置を変えて全体の姿を絶えず微妙に変化させている。その集合図形のような文字周辺には衛星のような無数の細かい粒子が雲のリングのようになって取り囲み、層を成している。これが一つの文字で、それらが文章を成してつながっている。何となくたんぱく質や酵素の分子模型を想起させるような、ぐしゃぐしゃしているが秩序立っている立体的な文章である。

 その3次元ディスプレーの情報を一目で理解したのだろう、クー博士がナン坊主の方を振り返る。

「君の予想通りだね。確かに発生を確認したよ。何年ぶりになるかな?ナン」

 それを聞いてナンの表情が落胆に変わった。

「そうだね。この世界の標準時間で12,961年ぶりかな、クー博士」

 クー博士が、それを聞いて、すぐに彼の故郷の異世界の時間に変換して、少し昔を振り返るような感じで記憶を呼び覚ました。空中の3次元ディスプレーも彼の思考に連動しているのだろう、サーチしてその当時のデータを呼び出している。そして、ものの数秒で、その当時の藻のデータとの照合が完了して、近似値が算出された。彼の赤い瞳に強い光が灯る。

「ああ、あの時か。確かにあの時の藻の仲間だね。かなり遺伝的な変異を遂げているなあ。細胞膜の受容体の分子構造なんか別物だよ」

 武骨な風体でも、やはり博士と呼ばれるだけありそうな知的なふるまいをする。しかし、雑巾をジャケットの中に無造作に突っ込む仕草は、再び博士のイメージを壊すのに十分だった。

「こいつは、滅多に出てこない希少種だからね。採集できて良かったよ」

 そう言って、クー博士がにこやかな顔で笑った。赤い瞳が無邪気に輝く。

 一方のナンの表情は相変わらず落胆したままだ。

「クー博士。あの時のように世界中に蔓延しそうかい?」

 クー博士は、当然とでも言いたげな表情をして、壁から離れた。博士を包んでいた青い光が消える。

「だろうな。最近誕生した植物は、こいつに対する免疫を持っていないはずだよ。何せ13,000年近くの間一度も姿を見せずに隠れていたんだから。まさしく、イチコロだろうね。氷河期を体験した植物以外は全滅かもな」

「そうか。ということは、この世界の人間の食料作物も標的になりそうだね」

 ナンがそうつぶやくと、クー博士がうなずいた。

「この藻を食べて繁殖を抑えていた、海中生物が何かのはずみで絶滅したんだろうね。これは海の藻だから、直接陸上の作物を侵食することはないだろうけど、これを餌として増えるカビがいるはずだよ。それが問題だな。毒素がカビの中で濃縮されることになる。濃縮された毒素のおかげで、そのカビは他の微生物の餌にならなくなるから海岸で大発生して、世界中に毒の塊の胞子をばら撒くだろう。その後は、この間の出来事の通りだな」

「うむむ。またあのカビの登場かね。今回は黒カビか。世界がまた煙たくなるなぁ。まあ、ダニの大発生よりはマシだけど」

 ナン坊主が、辟易した様子で壁の黒い藻を見る。それだけで、視線の先の藻が消滅して下地の金属の壁が現れた。それを見てクー博士が苦笑する。

「おいおい、ナン。ここは魔法禁止の世界じゃなかったかい?」

「はは。うっかり気を抜いてしまった。大丈夫、この程度なら、因果律崩壊までには至らないよ」

 ナンも苦笑して、すい、と手を振る。すると壁が元通りに黒い藻で覆われてしまった。そして、思い出したかのように懐から古風な懐中時計を取り出して、ふたを開けた。

「ああ、そうだな。嵐が起こる時期に差しかかっているなあ」

 落胆した声でつぶやくナン。

 クー博士が興味深い顔をしてナンの懐中時計をのぞき込んで感心する。

「へえ。時計かい?それ。全然そうは見えないけど」

 ナンが落胆したままの表情でクー博士を見上げてうなずいた。

「時刻を正確に刻むという点では時計としては失格だけどね。非線形な事象の周期を測るには最適だよ」

 クー博士が、懐中時計に顔を近づけて、降参したような声を上げた。

「うう。文字やプログラムが解読できないなあ。エンシャント系かい?」

 ナンが懐中時計をクー博士から遠ざけてうなずいた。

「そうだね。ウィザード魔法使いが認識できる範囲では、これはハイエンシャントのプログラムで動いていることになるのかな。あまり不用意に近づかない方が身のためだよ、クー博士。君たちにとっては呪いのアイテムに属するからね」

 博士が苦笑する。

「それはそうと、ナン。このことは他のウィザードには見せたのかい?魔法世界もたくさんあるし、エルフやノームらの世界の精霊使いの動きは全く分からないんだよ。研究発表しても先を越されると時間と金と労力の無駄になってしまうからね」

 ナンも苦笑して質問に答えた。

「そうだね。私の知る限りでは、クー博士が最初の発見者だと思うよ。不正規の空間転移ゲートを使用する人までは分からないけれど」

 クー博士が満足気な顔をした。

「ナンがそういうなら、まず私が一番乗りだな。私のようなウィザードは正規のゲートを使用しないと論文の査読を受けられないし、ソーサラーどもは不正規のゲートを使いこなすだけの術式をまだ開発していないからね。精霊使いが気がかりだったけど、まだ来ていないなら勝ったな」

 ははは、と笑うクー博士。あきれた視線を博士に送るナン。


 どうやら、他に多くの平行世界が存在していて、その多くはクー博士のような魔法使いが住む世界らしい。他にはエルフやノームといった種族が住む世界があるようで、世界間の交流は空間転移ゲート魔法の制約のせいであまり盛んではないようだ。ただ、学術研究の世界では互いの世界はライバル関係にあるのだろう。一方、この世界はなぜか魔法禁止になっている。

 魔法使いには大きく分けて2種類あって、クー博士のようなウィザードと、ソーサラーとに分けられるらしい。博士の口ぶりではソーサラーはウィザードほど魔法に長けてはいないようである。真偽のほどは部外者には分からないが。


 轟音がバラスト槽の壁を揺るがした。巨大タンカーのエンジンが始動したようだ。どうやら出航するらしい。

「ナン、では戻ってくれ。帰ろう」

 それを聞いてナンがうなずく。

 光のエレベータが、今度は水平に動いて、黒い藻で覆われたバラスト槽の壁をすい、と突き抜けて巨大タンカーの外に出た。そこは海中だったが、エレベータの中には浸水してこないようだ。そのまま、エレベータが上昇して海上に出る。


「今回の文明は、結構良い線までたどり着いたが」

 ナン坊主が残念そうな顔でつぶやいた。再び頭上を4発ジェットの巨大な輸送機が離陸していく。

 クー博士は、早くも論文の作成に取りかかったようで、顔の前に出現させた3次元ホログラフを凝視している。あまりナンの話を聞いていないようだ。

 ナンは少し感慨深そうな様子だったが、思い出したかのようにクー博士に訊ねた。

「そうだ、クー博士。他に採集に行きたい場所はあるかい?」

「いや、もういいよ。この世界で大発生している赤潮、青潮、黒潮の藻類は、この前スリランカとかいう島で採集したしね。あれも、なかなかの毒性を発揮するよ」

 そう言って、手をプラプラと振るクー博士。神経毒なのだろう。

「その3種類の藻類も、恐らく今回の黒い藻と同様に、毒性の強いカビ発生の下地になるだろうな。そうすると、今回は4種類のカビが発生することになるかもね」

 ほとんど他人事のような口調で淡々と話すクー博士に耳を傾けるナン。

「さて、採集は以上だな。帰るとするよ、ナン」

 ナンがうなずいた。ようやく微笑みが戻る。

「ああ、同行して良かったよ。そうだクー博士、この時計によると、そろそろ森が消える頃になりそうだ。関連しそうな世界の連中に伝えてもらえないかな?」

「ああ、いいよ。そうだな、森の住人あたりが興味を持つかもしれないな。チャンネルはかなり細いけれど当たってみるよ。しかし、いいのかい?ナンの本業は正規ゲートの管理だろう?」

 ナンが微笑んで片手を適当に振った。

「それは大丈夫だよ、クー博士。きちんと休暇の枠内で収まるように調整しているから」

「それならいいか。ま、ナンの趣味にあれこれ口は出さないよ。大変助かるし。ではまた」

 そう、挨拶を交わして、かき消されるように、クー博士の姿がフイとなくなった。

 足元に浮かぶ巨大タンカーも出航し始めて、護岸からゆっくりと離れていく。南インドの港湾都市へ向かうのだろう。そのゆっくりした動きを眺めながら、ナンがつぶやいた。


「そうか。もう、嵐の季節か」

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