初めての会話
掃除の時間に掃除の班の人にどんな話をしようか授業中に考えていると授業も耳に入ってこなかった。
ちなみに野崎さんの人気ぶりも健在で業間休みには他のクラスの男子が見に来る始末だった。
いろいろ考えているとあっという間に時間は過ぎて、気が付くと帰りのHRも終わり掃除の時間になった。
「蓮、俺と俊は買い物があるから先に帰ってるからな」
咲夜が俺にそう告げて去って行った。
(さあて、掃除すっかな・・・)
机を下げ、箒で掃いていく、ごく普通の掃除だ。掃除をしながら班の人といろいろ話した。教科担任の先生、最近のテレビ番組、流行の歌、アイドル・・・いろいろなことを班の人と話した。
ただ、一人話せてない人がいる。野崎さんだ。彼女は黒板を消していて、話す機会がなかったんだ。
「じゃあ掃除終わるから集まってくれ、よし、礼!」
掃除が終わるとみんな帰る用意をし始めた。すると俺は無意識のうちに野崎さんに話しかけていた。
「あ、あの、の、野崎さん、俺と昨日の朝会ったのわかる?」
「はい、もちろん。桜の木の下でお会いしましたよね。神坂 蓮くん」
「え、今俺の名前・・・」
「朝会った人が自分の教室にいるとは思わなくてすごいびっくりしたんです。で、気になって座席表見て名前調べちゃいました(笑)」
彼女が笑いながらおどけた調子で言った。(こんな表情もするんだ・・・)
「実は私も話しかけようと思ったんですけどきっかけがなくて・・・話しかけてもらえて嬉しいです」
「いや、俺も覚えてるとは思わなかったから・・・気付いてくれてありがとう」
「あの・・・よかったら私と友達になってくれませんか?男子の友達いなくて」
「俺なんかでよかったらよろしくな!あ、そうだ!メアド交換しない?」
そういって俺たちはメアドを交換した。
「今日メールしても大丈夫かな?」
「もちろん!メール待ってますから!」
「了解。じゃあまたな」
俺はそのまま教室を後にした。