下校
今、俺は咲夜と俊と一緒に下校している。会話のネタはやはり野崎さんのことだ。
ホームルームを終えた後の休憩時間、野崎さんの周りは人であふれていた。中には他のクラスから覗きに来る人までいた。
「野崎さんってなんで転校してきたの?」「可愛いよね!彼氏とかいないの?」「アドレス教えてください!」
あまりの光景に俺は茫然としていた。(こんなことってリアルにあるんだ・・・)
「にしてもマジで野崎さん可愛いよな!!」
俊がすごい楽しそうに話している。
「俊はたいていの女子にそう言うだろ。蓮はどう思う?」
咲夜が俺に話をふってきた。
「まあ・・・可愛いよね。でもレベル高すぎてなんか・・・一般人が絡んじゃいけない感じがする(笑)」
「どんだけだよ!!そういえば、蓮は野崎さんと掃除の班一緒だったぜ!掃除のとき話してみたら?」
また俊が俺に教えてくれた。(俊ってほんといろいろ知ってるよな・・・)
「うん・・・勇気が出たら話しかけてみるよ、じゃあ俺、ここで。また明日な!」
そういって十字路を曲がった。
(野崎さん朝のこと覚えてるかな・・・)気が付くと野崎さんのことを考えている自分がいた。
話しかけるかどうか明日のことを考えながら歩いていると俺は自宅に着いていた。
(迷うくらいなら話しかけてみるか、いい友達になれるかもしれないし!)そう決意して俺は家に入った。