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支持を得ようとするなら、未来の約束ではなく過去の実績で訴えかける方が誠実だと思う

作者: ムクダム
掲載日:2026/01/21

 自分一人の力だけでは実行することができないプロジェクトに取り掛かる場合、特定の人間あるいは不特定多数の人間の支持・協力を得る必要がある。政府や自治体の政策や企業の事業といった大々的なものから、家庭内で子供が親に物をねだったり、夫が妻にお小遣いの値上げを求めたりといった比較的こぢんまりとしたスケールのものまで、様々な局面で人は他者の支持を得るための努力をすることになる。ワンマン経営の会社や独裁政権など、支持を集めることなくトップダウンで即断即決ができる組織もあるが、組織をそのような形に持っていく段階では何かしらの他者からの支持・協力があったと思われる。ちなみに一般的な日本家庭において、母親、妻といった立場の人間が独裁者の如き強権を持つに至った経緯は永遠の謎である。

 他人から支持を得るためには自身の考え、主張に納得あるいは同調してもらうことが必要となる。自分に賛同すればどのようなメリットがあるかを示して、他者を自分の側に引き寄せるという方法もある。その場合、多くの人間は将来の約束を持ち出すことが多いのではないだろうか。選挙に当選すればこのような政策を実行して社会をより良くするとか、この事業ではこのくらいの利益が見込まれるとか、相手にメリットがあることを期待させて支持を集めるという交渉術である。

 未来の約束というのは何となく前向きなイメージがあって選挙などでよく利用されている気がするが、将来のことなど後でいくらでも反故にされる可能性がある。そもそもまだ実現していないことであり、その場の支持を得るために口から出まかせを言っている場合も十分にあり得るのだ。そこまであからさまに言わずとも、約束はしたがまだ機は熟していないなどの言い訳で先延ばしにされることもある。日本の場合はそのパターンが多いかもしれない。政治家は企業献金の法規制に及び腰だし、私の倉庫の私物の片付けを後回しにしている。

 子供の頃はテストで良い点を取ったからお小遣いをあげて欲しいと言ったり、苦手なものを食べ切ったから玩具を買って欲しいと言ったりと、すでに成果が出たことを交渉の材料にすることが多かったように思うが、どういうわけか大人の方はまだ何も実現していないことをダシに交渉に臨みがちだ。大人になると出来ることがどんどん少なくなるからだろうか。

 成果や過去の実績と言ったものは多くの場合、何らかの形で現存するか記録が残っており、真偽の程を検証することが可能である。対して、未来の約束というのはまだ何ら具体的な形としては存在しておらず、ある意味で言ったもの勝ちな側面が否定できない。やると言っていたことにずっと手をつけないでおくという経験は誰でも心当たりがあるはずだ。

 〇〇を約束するから自分を支持して欲しいと主張する人がいるとして、将来やるということは、これまでにやってこなかったことであり、なぜその人がこれまでやらなかったのかを気にした方が良いだろう。その点に説得力ある説明ができれば、支持を得やすいかもしれない。

 将来のことばかり口にする人の言葉は安易に信じないほうが良いだろう。これまでに何をやってきたのかを説明できる人、あるいは何かやろうとしたが障壁があって実現できなかったと正直に話す人の方が誠実なように思える。

 選挙が近いからというわけではないけれど、自分の目的のために他人の支持や賛同を得ようと大きな声を出す人が

多い世の中で、変な流れに巻き込まれないよう気をつけておきたいものである。終わり 

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