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第1章8



あれから、3時間したぐらいで模擬戦は終了になった。

僕の体力もなんとか歩く程度なら回復し、教室に戻ることになった。

次は、歴史の授業である。

歴史の先生は入元理久いりもとりく先生。

機械神に選ばれし者に与えられるものの内、中位ぐらいに位置するスキル「機械精通」。

機械についてはすごいエキスパートだ。

ちなみに、鬼本は未だに寝ている。

あいつは僕が脳を揺すったから結構なダメージが入ったはずだ。

…あのさ、すごーくすごーく右からの視線が痛い…え、僕なんかした?


「よし、この時武神が帯剣していた剣の名前を…蔵義姉、言ってみてくれ。」

入元先生が当てると、蔵義姉さんは立つ。


「五天神草剣、テセウスの秘剣の2つです。」

スラスラと答える姿を見て、話聞いてたんだ…と思ったのは内緒だ。

テセウスの秘剣は昔別の人がその剣を使ってミノタロスを倒したとかなんだとか…その次代にいたとは…


「さて、この剣を使ってこの五大神学園がある島に我々の国の軍艦を真っ二つにした、と文献には残っている。その文献の名は?答えてみろ、一途屋。」


「はい、不題禁書です。」


「そうだ、我々は五大神の素晴らしさに気づけず、そのような愚かな名をつけてしまった。」

…不題禁書…言葉の通り話題に出して時点で牢獄いきが決まる禁書指定されていた本だ。

現代では、最重要歴史書として残されている。

こうして、入本先生の話を聞きながら、右からの視線に耐え授業が終わっていった。

…フィオーナ様の話は、一度も出てこなかった。

これが、現代に続く運神軽蔑…本当に、信じられないことをしている。


















歴史の授業が終わると、次はお昼だ。

今日は模擬戦があったから、普通の授業は1限だけだ。

お昼は、食堂で食べる。

もちろんお金はかかるが…普通のお店よりも安い値段となっている。

庶民が食べるような料理から、三ツ星シェフが作った料理まで…

ここでは、僕の父さんが働いている。

正直、行くのが恥ずい。

そう思いながらも、食堂の扉を開ける。


「お?慎也か?」

筋肉がすごい量があるこのおじさんこそが、僕の父さんだ。


「父さん、それもしかして入ってきた人全員に言ってない?」

もしそうだとしたらすごく恥ずかしい。


「いや、言ってないぞ。んで、何食べるんだ?」


「…ハンバーグある?」


「あるぞ、中にチーズ入りだ。」


「…ならそれで。」


「まかせろ!!」

そう言って、厨房に戻っていく。

僕が一番好きな料理のハンバーグがあるなんて…ほんと、父さんに感謝しかない。

たまたまあっただけなのかもしれないけど。

席を探すために端っこの方に行く。

今はお昼なのですっごく人が多い。

食堂は授業中以外はたいてい開いている。

晩御飯もここで食べている。

ちなみに、父さんのスキルは「料理」…これは知識神のスキルだ。

これから予想するに、知識神は五大神の中の料理人だったのだろう。


「お、空いてる場所みっけ…ここにするか。」

窓際で外の景色がきれいに見える場所に座ろうと荷物を置こうとした。

同時に、もう一つの荷物が置かれる。


「え?」

席を見ていて周りを見ていなかった。

いわゆる灯台下暗しか…(?)



登場キャラ

入元理久いりもとりく

一途屋慎也の父


スキル説明

機械神のスキル「機械精通」(入元理久のスキル)

機械を見ると、どう使えばいいのかが一瞬でわかる。


知識神のスキル「料理」(一途屋慎也の父のスキル)

食材を見ると、どう調理すれば美味しくなるかがわかる。

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