第1章20
さぁて、待ちに待ったお昼…だが、その前に蔵義姉さんに紅茶を準備しないといけない。
ちなみにだが、ディルはお兄さんとご飯を食べている。
他の人?蔵義姉さんの圧に負けて逃げたよ?
僕も連れて行ってくれ…現在、父さんに厨房を借りて、紅茶を作らせてもらっている。
ちゃんと父さんから紅茶の茶葉を買って。
ちゃんと高いやつだからね。
まずかったら僕の入れ方の問題と言う事で。
そう思いながら、父さんに礼をいい、紅茶と料理を持って蔵義姉さんが座っている机に向かう。
「蔵義姉さん、紅茶できましたよ。」
うつ伏せになっている蔵義姉さんを起こす。
「…あ、ありがとう…」
…まだ疲労で頭がしっかりしていないのかな…?
「大丈夫?」
「えぇ…」
そう言いながら、紅茶を飲む。
「…あら、美味しいわ。」
「それはよかった。」
まずいって言われたら、もう父さんに入れてもらうしかなかった。
「…ふぅ、さて、話をしましょう…一途屋くん、あなたはどうして魔眼に魔力は映らないのに魔力が使えるのかしら。」
「…魔力が視えないのは、僕も原因はわからない。」
「魔力ゼロと言われていた理由はなにかしら?」
「それは、魔力測定機に反応がなかったからなんだ。その後に、使えることを言っても取り繕ってくれなかった。」
「…なるほどね…観察院のせいね。」
やっぱり、蔵義姉さんから見てもそうなるのか。
「あなたが魔力を使える理由はわかったわ。あと、もう一つ…どうやって生徒会長のスキルを突破したのかしら?」
…それは、答えれないんだけど…僕自身も良くわかってないしさ…
「それについては」
「あ、一途屋さん。」
話そうとした時、後ろから声をかけられる。
「あ、君は確か…」
その子はローブを着ている…あ、名前は知らないや。
「昨日はありがとうございました。」
「いいよ、今日はちゃんとできた?」
「はい、教えていただいたとおりにさせてもらってます。」
「…一途屋くん、その子は?」
蔵義姉さんがジト目で僕のことを見つめる。
話を途中で終わったのはごめんだけどさぁ…
「昨日困ってたから助けた人だね。」
「えっと、今日もご一緒させてもらっても?」
「あ、うんいいよ。」
蔵義姉さんが何か言いかけたが、そのまま僕が言う。
なぜか、僕の横だが。
蔵義姉さんちょっと顔がすごい事になってるよ!?
「あら?あなた…確か亜人国家の…」
「蔵義姉さん」
蔵義姉さんが多分、その子の名前を言おうとしたんだろうから、エアーで口を塞ぐ。
「…そう、お忍びなのね。ごめんなさい。」
どうやら伝わったようだ。
…ん?お忍び?名前言いたくないだけじゃないの?
「いえ…お気遣いありがとうございます。」
「一途屋くん、彼女とのご関係は?」
え?なんでそんなこ…あ、はいいいますから。
「昨日知り合って、一緒にご飯食べたぐらいかな。」
「そうですね、色々教えてもらいました。私も聞きたいのですが、彼女とはどのような関係で?」
まぁ、そりゃそうなるか。
「彼とは仲良くさせてもらってるわ。」
僕が言おうとした瞬間、蔵義姉さんが入ってくる。
「あら、私は一途屋さんに聞いたのですが…?」
「いえ、それぐらいなら私が答えれますので。」
なんか、二人の間にバチバチと火花が舞ってるように見える。
なんだこれ…ディル、助けてくれ。
ディルの方を見ると、ちょうど目があい、逸らされる。
「嘘でしょ…」
周りの目も痛い。
「何が嘘なの?」
「お話ちゃんと聞いてましたか?一途屋さん。」
「あ、はいもちろんです。」
…隙見て逃げよ…おにぎりは…あ、食べられ…逃げる前に買いに行こ。
「それで、私達になんのよう?」
「いえ、私は別にあなたには用がなく。」
そんな話をしているが、僕は黙って父さんのところに行く。
「父さん、おにぎり2個お願い。」
「ん?あぁ、わかった。」
そう言って、カウンターの下から2個取り出す。
「これ、代金…ありがとう。」
「おう、修羅場だな。」
「違うよ?」
そう言って、食堂をあとにした。
「へぇ…彼になんのようなの?」
私、蔵義姉真梨耶は目の前で忍んでいるつもりの亜人国家の王女アリアリス・ウェア・アルダムに話しかける。
「昨日助けてもらった方にお礼を言うのはおかしいでしょうか?」
「…いえ、なにもおかしくないわ。」
お互いに顔を何度か会わせたことがあるので、言葉ぐらいなら崩せるが…今は他の人が回りにいる。
「では、どうしてお聞きに?」
「…一つ言うわ。彼はね、ふとした時に面白いの。彼は私のものよ?手を出さないでもらえる?」
あんな面白いものを私が手放すはずがないじゃない。
ま、あっちもおんなじでしょうけど。
「あら、あなたのものではありませんよ?私のですもの。ねぇ、一途屋さ、ん…?あれ、どこに…?」
アリアが横を見るが、一途屋くんはいない。
「…逃げましたね…ここは一旦終わりにしましょう。時間もそろそろですしね。」
後で一発殴るぐらいはいてもいいでしょうか。
「…そうですね。私も護衛の方に見つかると面倒ですので、それでは。」
そう言って、私の横を横切る時…小さく何かを言ってくる。
「…彼は、私のです…か…あのアリアが大きく出たわね。」
あの臆病だったアリアは、どこに行ったのかしら?
登場キャラ
アリアリス・ウェア・アルダム




