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第1章2



「すみませんでした!!前を向いていなく本当にすみませんでした!!」

僕のスキルは攻撃用でもないし、なんなら発動条件も知らない。

なら、できることは一つ…謝るだけ!!


「てめぇ…どっかで見たことあると思ったら、あの「カススキル」の一途屋じゃねぇか!!」

あー…ご近所の方でしょうかね…最悪よ本当に…入学して一日目だよほんと…


「わかってるよな?俺にぶつかったんだ。」


「は、はい?」

この男は金髪で…なんていう髪型だろうか、サ◯ヤ人みたいな髪型だ。


「はい?じゃねぇよ。金を出せ!!お前のせいで汚れたんだよ!!」

…いやどこが?汚れてないじゃん。目腐ってんだろ


「ど、どこにも…」


「うっせぇな!!お前の匂いがついてんだろうが!!」

うっさいのはお前の方だ!!朝っぱらから正門前で叫びやがって…


「さっさと金出せよ。」


「う…」

本当に、世の中はクソだと思う。

スキルのせいでこんなやつに弱気でいないといけないだなんて…

僕が仕方なくお金を出そうとした時…


「待ちなさい!!」

後ろから、女性の声がした。


「あぁ!?なんだて、め…ぇ…」

男がその女性を見るとどんどん声が小さくなる。

つられて僕も後ろを見ると、そこには…


「弱いものいじめして何が楽しいの?今すぐ彼に謝りなさい。」

銀色の髪が腰まである、きれいな女性だった。


「て、てめぇ…いや、貴方様は…」

…さっきまで荒い言葉遣いだったはずの男までもがかしこまるこの女性は、今学園が注目している生徒の一人、武神に選ばれた者が扱えるスキルの内のSランクスキル…「一思断刀」をもつ蔵義姉真梨耶だった。


武神Sランクスキル「一思断刀」

自身が切れると思ったものはすべて切れるという意味がわかりたくもないスキル。

そして、それを所持している人は、現日本の総理大臣の娘の蔵義姉真梨耶だ。


「あら?私が誰だか知ってるのね?話は早いわ。すぐに彼に謝りなさい。」


「で、ですが…こいつはあのカススキル持ちなんで」


「知らないわ。あなたが彼を脅しているのと関係ないわ。」

バッサリ、ここでもスキルが発動しているかのように話を切る。


「謝りなさい。」

そう言われ、男はこちらをすごく睨みながら


「…悪かった。」

そう言って、すぐさま校舎に入っていくのだった。


「…た、助かったぁ…」

僕は肺にためていた空気を全て吐く。

あいつが持っているスキルを使われると、僕は何回死んだか…


「あなた…大丈夫だった?」

そうだった、僕にはまだ壁があった。


「あ…その、今回はどうもありがとうございます…蔵義姉様。」

できる限り、尺に触らないように作り笑いでお礼を言う。

…お礼については本当に思っているが。


「様なんて、同じクラスなんだからいらないわ…一途屋さん。」

どうやら僕の名前も知っているみたいだ。


「あなたも可愛そうね。初日から絡まれて。」


「はは…しょっちゅうですから…」

実際、あれはまだ可愛い方だ。


「…そう、私は教室に戻るわ。あなたも早く戻らないと遅れるわよ。」

そう言って、僕達の校舎に戻る。


「…はぁ…教室、かぁ…めんどくさい…」

重い足を何とか動かしながら、僕もその後を追うのだった。

今思えば、この日から…全てが動き始めていたんだと思う…



登場キャラ

蔵義姉真梨耶くらぎしまりや


スキル説明

武神のスキル「一思断刀」

自身が切れると思ったものはすべて切れる。

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