第1章12
朝、4時前第一運動場にて…
「おはようございます。」
第一運動場にはすでに伊川先生が待っていた。
「あ、一途屋くん〜来たのね〜時間通りこれてよかったわ〜」
ジャージ姿だ。
伊川先生の見た目は、髪の色は栗色で髪はロング、体型はモデル体型だ。
「えっと、どんなことをするんですか?」
「そうね〜まずはここを5周走り回ってもらおうかしら〜」
「ここを!?」
この第一運動場は一周4キロだ。
つまり20キロ走ることになる…死ぬわ!!
「安心してね〜倒れたら保健室につれていきますから〜」
安心という言葉の意味!!
「時間は5時までよ〜」
一時間だけ!?鬼か!!
「それじゃあ…よーいはじめ〜!」
「やるしかないかぁ…」
…今更だけど…やめとけばよかった…いや、ここでやめてどうするんだ。
器も強くしないといけないんだからやらないと…!!
1時間後…朝5時
「はぁ…!!はぁ…!!はぁ…!!」
…し、しぬ…一周12分で走るのはきつ、い…
「あら〜よく頑張りましたね〜途中で倒れると思っていましたよ〜」
実際倒れたと思ったわ。
「そうね〜学校が始まるのが8時30分だから…20分まで訓練ね〜」
…今なんて言ったこの先生。
あと3時間30分も訓練すんの!?死ぬわ!!
「つ、次は…なにを…?」
呼吸を整えながら恐る恐る聞く。
「次は…腕立て伏せ50回ぐらいかしら?」
…この体力で?
「無理ですよ!!」
「無理じゃないわ〜はい、はじめなさーい。」
鬼畜だ…見た目と違ってすごく黒い…
そう思いながらとりあえず腕立て伏せをする…しないといけないけど腕がプルプルする!!
というか、持ち上がらない!!
「ぐぎぎぎぎ…!!」
その理由は…何故か伊川先生が僕の上に乗っています。
「ほら〜まだ1回もできてませんよ〜」
で、きる…か!!
腕…折れる、わ!!
「あぁぁあ゙!!」
「あら、1回目ですね〜」
1回…1回目…あと49回…
これは…無理だわ…
「は〜い、30回目よ〜」
あれから何分たったか…なんとか30…あとにじゅ、う?
ドサッ
「あ…え?」
前回スキルが発動したときと同じように体が動かなくなる。
「あら〜オーバーワークですか〜まだ6時ですよ〜」
…始めてから1時間たってたのか…時間の感覚がおかしくなってきてる…
「仕方ないですね〜保健室につれていきますからね〜」
そう言って、背負って…なはず無く近くにおいてあったタイヤ付き担架に僕を乗せ、保健室に向かう。
「…初めてには上出来でしたよ〜もっと最初の方で音を上げるかと思ってましたよ。」
「は、は…それ、は…よかった、です…」
予想の上に行けてよかったよほんと。
「さて〜ここで筋肉を癒やしてもらって〜8時まで寝て、体を休ませてくださいね〜」
そういった瞬間、奥から人が出てくる。
「お?宵子か…って、後ろの担架はどうした?」
紫髪の白衣を着た女性だ。
…誰だろうか…いや、保健室の先生だろうけど。
「あ、結衣〜一途屋くんの治療をしてくれない?」
「…おい、宵子…もしかして「あれ」、やらせたのか?」
「あれ」?
「えぇ〜速く強くなってもらうためにね〜」
あぁ…訓練の話か…
「…一途屋だったか?」
そう言って、僕の方を向く。
「は、い…」
「私は煌蘭結衣、スキルは「聖天」だ…手遅れだが、頑張れ。」
…「聖天」は魔法神のスキルで、攻撃と治癒と守りができるんだよな…
というか、最後の言葉よ…
「手遅れって…言い方ひどいよ〜?」
「ははっ…その仕方で何人倒れたか覚えてるか?」
…何人もいるのか…
「…3じゃない?」
「…30人だ。」
…あれ、僕6日後生きてるかなぁ…
「……まぁいいわ〜私は職員室に行くわ〜今日の朝の訓練は終了よ〜」
あ、逃げた…って、終了…終了!?よし!!
僕は嬉しすぎて心のなかでガッツポーズをした。
って、言わないと
「その、先生…あ、ありがとう…ござい、ました…」
喋るのがすごく難しいほど疲れた。
考えるのもだるい。
「!……いいわよ〜また後で教室で会いましょうね〜」
そう言って、伊川先生は保健室から出ていった。
「…今年も良い生徒を持ったな…宵子。」
小さな声で煌蘭先生がなにか言う。
「どう、か…しました、か?」
声を絞り出して言う…眠りそう。
「ん?あぁ…なんでもない。時間になったら起こしてやるから、寝ときな。「セラピア」」
そう言った瞬間、体が楽になったのが感じれた。
「ありが…とう、ございます…」
「しっかり寝ろよ?」
その言葉を最後に、僕は暗闇へと沈んだ。
登場キャラ
煌蘭結衣
スキル説明
魔法神のスキル「聖天」
攻撃、守り、治癒の3点ができる万能型




