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砂漠の月(第一部 碧沿)  作者: kohama
第一章 幼少
39/40

第39話 受容

ユエが十八になると、スターとなっていたユエは、何と、新しく即位した国王から求婚された。

こんな娘を持つ事があるだろうかと、母は思った。

大変な栄誉だと思った。

母が城の結婚式へ行くと、自分の夫と同じ年齢位の新郎が、娘の夫になる王だった。

言動を見ていると心根の優しい人のようだったが、何だか不健康そうだった。


母 (ユエ…! あんた、あんな顔色の悪いオッサン…じゃない、あのひとを好きになれんのかいね? あぁ、あんたは栄誉と引き換えに、愛も知らずに女として終わるんじゃないだろうね、可哀想に…!)

母は、家まで送って来てくれた事のある、後ろに控える青い目の護衛の方が、年齢的にもよっぽどお似合いだと思った。が、母は密かに頭を降って、その考えをかき消した。

母 (あんたが選んだ道なんだ。どう転んだとしても、私はあんたの判断を信じるよ)



式が終わると、花嫁姿の娘が 政治的な挨拶回りを抜けて、ちょこちょことイタズラっぽく母の元にやって来た。

娘の後ろには、例の青い目の護衛が影のように付いていた。

美しく着飾った花嫁姿の娘は、もう昔 一緒に綿花を摘んだ、あの小さな天真爛漫な娘ではないような気がした。

母は、また更に娘が遠くに行ってしまったような気がした。

実際に、それは本当の事だった。

今後はもう、そう易々(やすやす)と娘に会えない事は確かだった。

母は 息が苦しくなってくると、胸にそっと手を当てた。そして、できるだけそれを表に出さないように笑顔を作った。

後ろの若い護衛は わずかに目を動かして、警護対象の母親の呼吸が苦しそうなのを見てとった。

護衛 (以前 送った時もそうだったな…。胸が悪いのか…?)


母「おめでとう、ユエ」

母は、満面の笑顔で言った。

ユエ「ありがとう、母さま」

母 (か…、母さまだって!?)

目を丸くする母の耳元にユエは口を寄せると、こっそりと言った。

ユエ「じゃなくて、母ちゃん!」

母は、ハッとしてカラカラと笑った。ユエも笑った。

ユエは、がんじがらめの王妃教育に辟易へきえきしていた所へ、久々に母の明るい笑い声が聞けて、心底嬉しかった。


ユエはまた、母の耳元で囁いた。

ユエ「また遠くに行っちゃった、って思ったでしょ?」

母「ハッ! なぁに言ってんだい! 城つったって、すぐそばじゃないか。

あぁそうだ、あんたが王妃になったって事は、私にも少し俸給が来るのかいね? それを貯めて、旅行にでも行こうかな。一度、違う国にも行ってみたいと思ってたんだよ」

ユエ「えぇっ?! 母ちゃん一人で?! 危ないよ!」

母「いや、例えばだよ、例えば。母ちゃんは一人で楽しくやるから、心配すんなってこと」

ユエは、母の華奢になった両肩をギュッと掴むと、真っ直ぐに母を見て言った。

ユエ「ねぇ、母ちゃん。お城に一緒に住まない? 王様もそう言って下さってるわ」


母は一瞬黙った。が、すぐに返事をした。

母「いやいや、あたしゃ自由で気楽な生活が一番好きなんだよ。

あんたこそ、大丈夫なのかい、王妃になんてなっちゃって…! 王家に嫁ぐって事は、家庭もろとも政治的になるんだよ? …って、そんなこと今更言ってもって話か…」

ユエ「覚悟しているわ。王様もお優しいし、私、幸せになるわ」

母「うん…。そうだね。うん…!」

母は、できる限りの笑顔でうなずいた。



結婚してから、ユエは城の舞い手を辞めた。

毎日 公務公務で、慣れない気を使う日々に、本当にクタクタだった。

王妃という職業は、踊り手とは全く違う世界だった。息が詰まった。

彼女に学が無いのも、急いで補填ほてんされることになった。

ユエは頭は悪くなかったが、それでも彼女の頭は暗記でパンパンだった。

何かと失敗をやらかす度に、腹心のカルファがフォローをしてくれた。

いつもそっと助けてくれる彼は、右も左も分からないユエの心の支えだった。


そうこうしている内に、ユエは身籠った。

アイラが産まれ、ゼダが生まれた。

誕生のお披露目会には、母が来てくれた。

母「可愛いねぇ! やだよぉ、まぁ可愛いったら! 私に孫ができたなんてねぇ!」

母は孫を、目尻を下げて嬉しそうに抱いた。



城からの帰り道、母は乾いた道を 一人トボトボと歩いた。

母 (これでユエの立場も安泰だね。孫達は ここの人達が皆で面倒見てくれる…。国王の子だよ? 私なんかが養育に手を出して良い訳が無い。……。私はもう…、用済み、か…)

母はため息をついた。寂しかった。

近くに居た犬が、ワンと吠えた。

母 (よぉおし! そんならそれで、良いじゃないか!)

母は、乾いた風を胸いっぱいに吸い込んだ。



城のユエの元に、多少 学のある農民の誰かに書いてもらったらしい短い手紙が届いたのは、それから一週間も経たない内だった。

そこには、「しばらくたびにでる。しんはいむよう。はは」とあった。

ユエはギョッとした。


ユエは王に頼み込み、乳飲子を城の乳母うば達に預けて、お忍びで城から出させて貰った。

ユエが慣れ親しんだ実家のガタついた戸を勢い勇んで開けると、母は今まさに荷造りをしている所だった。

ユエ「か…母ちゃん!! ど、どこに行くの?!」


母は目を丸くして娘を見た。

母「嘘だろ…、やだよ、どうやって…!」

母は手を止めてソロソロと立ち上がり、入口の娘に抱きついた。

ユエも母を抱きしめた。

後ろに居た青い目の護衛は、うつむいてそっと微笑んだ。


ユエは母の肩を両手でガシリと掴むと、問いただした。

ユエ「ねぇ! どこへ行くの?」

母は、どこかバツ悪そうに娘から離れると、家の中に入って行った。

母「まぁ座りなよ。あの…〈後ろの護衛二人に〉お二人も、狭いですが良かったら…」

青い目の護衛「いえ、我々は外におりますので、ごゆっくり」

母「そうですか? ありがとうございます」

護衛達は戸を閉めた。



母は娘に茶を出した。それは昔から飲んでいた物だった。家の中を見ても、暮らしぶりは全く変わっていなかった。座ると言っても一つしかない寝台の上で、そこへ盆に乗せた茶が二つ乗っかっていた。

ユエ「母ちゃん、お茶、もっと良いの飲めるでしょ? ここだって、もう少し広い部屋へ引っ越せるわ」

母「あぁ、うん…。でも私はお茶にはそこまでこだわりがないから。それに一人暮らしだしね、これで十分。良いお茶を買うお金で、旅行した方がいいんだ」

ユエ「旅行って…! だから、どこへ行くの?!」

母は苦笑いしたが、その瞳は楽しそうだった。

母「いやぁ、とりあえず隣の国へね。本当に旅に出られるなんて思わなかったよ。親孝行な娘を持ったもんだ!」

ユエ「じ…、じゃあ、護衛の人を手配してもらうから…!」

母「あぁ、いや。綿花を出荷する荷車の手伝いとして乗っけてもらうんだ。半分仕事なんだよ」

ユエ「だ、だって、盗賊だって出るし、危ないよ!」

母「盗賊が狙うのは、もっと小さくて金になる物とか、食べられる物が多いんじゃないかねぇ? 綿花はかさ張って、逃げづらいし。そんなに心配しないでいいよ」

母はカラカラと笑った。


ユエ「じ…じゃあ、いつ帰ってくるの?」

母「分からないけど…、もうこんな機会も無いだろうし、体力がある内に、行ける所まで行ってみたいんだ」

母の目には、いつか見たキャラバンの積荷つみにが写っているようだった。

ユエ「行ける所までって…! じゃあ、隣の国から、また先に行くかもしれないの?」

母「うん…、まぁ…行けそうならね」

ユエ「どうして? 私には母ちゃんが必要だよ! 近くに居てよ! ねぇ、やっぱり一緒に住もうよ…!」

母「うん…。ありがとうね…。こんな孝行娘がいるもんかねぇ」

母は、ユエの香油で美しくとかされた黒髪を、ガサガサした手で撫でた。


母「ユエ、人生は一度きりだろ? あんたは踊りに賭けた。私はこれまで、あんたを育てるので手一杯だったけど、実は小さい頃からずっと、旅をしてみたいと思ってたんだ。そんな事できる訳 無いと思ってきたけど、でもあんたがお金を運んで来てくれた。本当に感謝してる。きっと、今がチャンスだよ」

ユエ「母ちゃん…」

母「あんたのそばに居てやりたいけど、私ゃ自由が無いと、どうも気が詰まってしまうし…。だから実際にはそばに居てやれない。

でも、あんたの事は心配してないよ? あんたならちゃんとやるだろ。孫の事も…、城の人達がちゃんと面倒見てくれる」

ユエ「うん…」

母「ここでこうして、あんたがひょっこり来るのを待つのもね…。どうも待つのは苦手だよ…」

ユエ「うん…」

ユエはしょんぼりした。



母は娘を横目で見ると、少し考えてから話し始めた。

母「あんたの父ちゃんね…」

ユエ「えっ?」

ユエは母の方を見た。

母「良い男だったんだよ? 優しくて、ハンサムで、歌が上手くて。頭も良かったよ? 仕事もできた。ただね、ある時ひょっこり居なくなっちゃうの」

ユエ「?」

母「帰ったらね、居ないんだよ、家に。で、何日しても帰って来ないの。で、ある時またひょっこり帰って来て、その日からまた家に居るの。でもまた、その内に居なくなっちゃうの」

ユエ「……。」

ユエは、目をパチパチさせて母を見た。


母「私はそのたびに待ってたの。いつ帰ってくるか、今どこにいるか、どうしているか、どうしたら出ていかないんだろうか、何が悪かったのか、とかね。

で、そういう事が何度か続いてね、私はもう、疲れちゃったの。あんたの父ちゃんと一緒に居ることにね。あぁ、こんなに振り回される関係は、私にとって良いものじゃない。私は こうやって、都合良く帰って来られるような扱いを受けるべきじゃない、ってね。

まず自分が大事。私はさ、軸を自分に戻したんだよ。もう二度と、誰かに振り回されないようにね。じゃないと、私が潰れたら、一体誰があんたを育てるんだい? 私は、潰れる訳にはいかなかったんだ。

で、次に彼が帰って来た時に、もう帰って来なくて良いと伝えた」

ユエ「……。」

ユエは、初めて聞く話に、目をパチパチしていた。


母「世の中には、そういう男を許せる女も居るんだと思うよ? 私の気がもっと長かったら、あんたに寂しい思いをさせないで済んだのかもしれなかった。子供にとっては、たまに帰ってくるなら、帰って来ないよりマシなんじゃないかとも、何度も思った。でもダメ。私はそれを容認できなかった。もしあの時、そのままにしていたら、今頃 私の方がダメになっていたよ。後悔はしていない。

だから、あんたには小さい頃から苦労かけちまったけど、こんなに立派に育ってくれてさ…、どういう訳なんだろね、これは!」

母は涙ぐんで娘を見ると、今度は両手で娘の頭を撫でた。

ユエ「母ちゃん…」

ユエは、母をじっと見つめた。

ユエ「母ちゃん…、母ちゃん、私…」

母「ん?」

ユエ「ちっとも寂しくなかったよ? 母ちゃんがいつも明るかったから、ちっとも不安じゃなかったよ。毎日楽しくて、いつも一緒で、私の事いつだって信じてくれて、ずっとずっと、幸せだったよ!」

母「ユエ…!」

母は、娘を抱きしめた。ユエも、母をギュッと抱きしめた。

母のシワのある目尻から、涙が溢れた。


ユエ「なら…、今度は私の番だね」

母「?」

ユエ「母ちゃんを信じるよ。母ちゃんが無事に、土産話をいっぱい持って帰って来てくれるって。行ってらっしゃい母ちゃん! くれぐれも、気をつけてよね?」

母「! ん…!」



・・・・・・・



ユエは、ここで思い出すのを止めた。

ユエ (あぁ、ここまでだ…)

彼女は思った。

ユエ (ここから、苦しい事が始まったんだった…)

ユエは、母が旅に出た時にとどまった。


ユエ (待って、ダメよ。もっと前だわ。そう、王様と結婚する前までよ)

ユエは空想の中で、新即位の王から求婚を受けた時へ戻った。

ユエ「私は、踊る事が何よりの喜びでございます。どうか、お許し下さい」

ユエは新王の前にひざまずいた。

王「そうか…。そうか…、いや、分かった。うん…、分かった…」

王は、カクカクとぎこちなくユエに背を向けた。


ユエ「あの…、王様…?」

王は、消え入りそうな声で後ろを向いたまま答えた。

王「…何だ?」

ユエ「あの…、厚かましい事をお聞きしますが、その…、私はもうここには居られないのでしょうか…?」

王は驚いて振り返った。

王「そ…、そんな事はない! 私はそなたの舞をいつも楽しみにしている。今後も存分にこの国の為に力を振るってくれ。周りの者にも、くれぐれもそなたを排除しないよう、伝えておく」

ユエはパァッと明るい顔になった。

ユエ「ありがとうございます! 王様、私、がんばります!」

王「ん? あ、あぁ…。宜しく頼む」

王はたじたじとして、またユエに背を向けた。

王 (私は…、お人好しなのか…?)

ユエは王の前を辞した。

ユエ (これで…、良かったんだわ)



ユエは、二十代を目一杯 仕事に集中し、交易路の商人達に"碧沿へきえんの光る舞姫"とうたわれる程、東西に名をとどろかせて大活躍した。

十年余りに渡る最前線の活躍の後、三十手前になり、もう目一杯 咲いた、今度は そろそろ子供を産まないと、という段になって、折良く求婚してきた男と結婚した。

彼は、楽士の中で 前からユエに好意を寄せていた男だった。これまでも、もっと身分の高い男から言い寄られる事も沢山あったが、この男に決めたのは、ただ単にタイミング的なものだった。


家庭生活は、それなりに幸せだった。

その内に、子供ができた。

子供の顔は、……顔は…?

ユエは、子供の顔が想像できなかった。



・・・・・・・・



アイラ「母さま? ねぇ母さまってば! 見てた?!」

王妃「へっ?!」

目の前には、アイラがまた母の膝を揺らして、不満げに頰を膨らませていた。

王妃「……アイラ…?」

アイラ「ねぇ、母さま見てなかったでしょ? アイラ、一生懸命踊ったのに! この所、母さま ずっと上の空だよ」

王妃「えっ…、そうね…、そう…よね…」

アイラ「そうだよ! ねぇ、またキュン達の事考えてたの? アイラがいるじゃない! キュンもカルファもゼダもいなくなっちゃったけど、まだアイラがここにいるじゃない! 母さまは、アイラより、キュン達の方が大事なの?!」

母は首を振った。

アイラ「本当?」

母は、首を縦に降った。

アイラ「ねぇ、じゃあ上の空、やめてよ。アイラのこと、ちゃんと見ててよ! アイラは母さまのこと、いつもずっと見てるんだよ? アイラはいつだって、母さまが大好きで、ずっとついて行きたいんだから!」

王妃「えっ…」

母は、アイラをじっと見つめた。

王妃 (あぁ、この子だわ。私の子供はこの顔、この子だったわ…!)

母の目から涙が溢れた。

王妃「あなたが居ないなんて、私には考えられなかったわ」

そう言うと、母はアイラを力一杯 抱きしめた。

アイラ「母さま…?」

王妃「あなたが居て、ゼダがいて、キュンがいて…、私…、私…、その他の人生なんて、思いつかない…!」

アイラ「うん。当たり前だよ。母さまは、元からアイラの母さまだよ。しっかりしてよ!」

王妃「そうよね…。そうだわ…」

母は娘を抱きしめて、わんわん泣いた。



・・・・・・・・



それから幾月かが経った、月の美しいある夜、王は、中庭の東屋に座り ぼんやりと宵の風に吹かれる妻のそばへ寄った。

王「また…、アイラに稽古をつけてやるようになったんだな…」

王妃「はい…」

王「風が冷えてきた。中へ入れ」

王はそれだけ言うと、立ち去ろうとした。

王妃「あなた…」

背中にかけられた言葉に、王は少しだけ振り返った。

王妃「酷い事を申しました。あなたの心を…どれだけ傷付ければ良いのか…。どうか…、どうかお許し下さい…」

王妃は夫を真っ直ぐに見つめると、目を伏せ、心から謝罪した。


王「いや…。まぁ良い。愛は…、楽しんだか?」

王妃は目を伏せたまま、わずかに目を見開いた。

王妃「は…い…」

王妃の双眸そうぼうが潤んだ。

王「そうか。それなら、良かった」

王は、瞳の奥に愛を秘め、月を見上げてかすかに笑った。


王「カルファもキュンも救えなかった。許せ、これが私の力量だ…」

王妃「滅相も…ございません…」

王は、目を伏せたままの妻を、真っ直ぐに見た。

白い月の光が、王の瞳に揺らいだ。

王は暫く逡巡しゅんじゅんしていたが、口を開いた。

王「カルファは、生きている」

王妃「……えっ?!」

王妃は、胸を矢で射抜かれたような感じがした。

王「谷へ落ちたが、救出したと報告を受けている。もう碧沿ここには戻れんが、ごうへ渡り子供を見守れと伝えた。あいつのことだ。抜かりなくやるだろう」

王妃「……!」

王妃は、驚きのあまり、息ができなかった。


王は目を伏せて聞いた。

王「…奴を…追いたいか?」

王妃は暫くした後、ゆっくりと首を振った。

王妃「いいえ。もうこれで…、これで十分でございます。何とお礼を…申し上げてよいのか…」

王妃は放心して言った。涙が頰を伝った。

王「そうか…。伝えようかずっと迷っていた。お前の苦しみを、一つ増やすのではないかと思ってな。お前が何もかも捨てて、追っていくのではないかと。それは…、許してやれない」

王妃は暫く何も言えずにいたが、やっと口を開いた。

王妃「感謝の言葉もございません…。私は…、あなたとアイラのそばにおります。居させて…下さいますか…?」

王「分かった」

王はそう言うと、わずかにうつむき、立ち去った。

王妃は、影になった夫のその表情を、読み取れなかった。


<砂漠の月 第一章「幼少」終わり>

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