第6章:敵討ち
残す敵はローエテッドだけになった。
「さぁ、あとはお前だけだ、ローエテッド!」
「へぇ…。7人がかりのリンチなら俺様に勝てるとでも思っているのか。」
「先にリンチしてきたのは…姉貴を殺すよう仕向けたのは…お前だろうが!」
「ん?何のことかな?お前らだって、蟻を潰すことくらい、覚えているはずもないだろ?あぁ、そういえばお前らも蟻だったか!」
「この野郎...!」
「さぁ、さっさと蟻酸を出しまくれ!このゴミ虫ども!」
トゥーリが踏み込んだ。途端、ローエテッドがフリスビーを投げた。トゥーリは屈んで避けたが、かまいたちがトゥーリの刀を切り刻んだ。トゥーリの背に、カッターナイフのようになった刀が突き刺さった。
マシューが金棒を振り上げて飛び出していった。対して、ローエテッドは犬のような生物を召喚した。帯電しているようだった。
「俺様のペット、ウィリーだ。この電気は、全ての攻撃を防ぐ。」
その言葉に構わず、マシューが金棒を振り上げた。その隙を狙って、ウィリーがマシューに電撃を与えた。マシューは一瞬硬直したが、帯電が薄れた間を逃さず、ウィリーを叩き潰した。しかし...抜けない。
「ウィリーは忠犬でなぁ。死してなお、相手を足止めするよう訓練されてんだ。」
途端、ローエテッドから翼が生えた。それで部屋の上から逃げようとしていた。
「まぁ良い。ゴミ虫の相手は飽きた。これで帰るぞ。」
アレンとニールが2人で射撃をするも、弾がローエテッドが再び投げたフリスビーのかまいたちで切り刻まれた。2人が同時に前線から下がってきた。
「「すまない、弾切れだ!」」
「分かった、俺が出る!」
代わりにフランカールが前に出て、音波砲を出した。ローエテッドはやや縮こまった。その隙を活かして、俺は飛び蹴りを試みた。途端、俺は地面にたたきつけられた。
「ローエテッド・ムル・エンドーー。俺様が皇帝に就いた理由だ。俺様は、1分に1回、時を遅くできるんだ。お前らなんか、屁でもねぇよ。」
アスターが、残っていた石を投げた。それが、ローエテッドの頭上で爆発した。その隙に俺は起き上がって飛び掛かったが...。ローエテッドの胴が白く固まっていた。
「ローエテッド・ケープ・インポーターー。煙幕の影からなら襲えるとでも思ったのかな?...あぁ、やpっぱりこの程度か。やっぱりゴミ虫はゴミ虫だ...な!」
ローエテッドが俺を振り払おうとした瞬間、ナシュのナイフが、ローエテッドの顔面の中央に突き刺さった。顔を覆うマスクが紅に染まっていた。ローエテッドは倒れこんだ。
「まさか...全部これのための演技だったのか...。」
「さぁ。どうだろうな。」
俺らは部屋を後にした。宮殿の外に出ると、そこで、ゼータの一行が待っていた。
「お、アッセ。貴殿の方も終わったか。」
「あぁ。そちらは?」
「こちらは、コイツが色々とやらかしていたな。フライズの四肢を足で串刺しにして、1000度越えのビームをぶっ放ちやがったんだ。そりゃ見ものだったがなぁ...おかげで教会は崩壊して、命からがら脱出したんだ。」
「...それは大変だったな。」