第5章:宮殿の武闘界
↓一応載せておきます↓
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フォーメーション
~革命軍 陣営~
前衛
・マシュー(所持武器:金棒)
・アレン(所持武器:チェーンソー&猫型兵器「PoC」)
・トゥーリ(所持武器:刀)
中衛
・フランカール(所持武器:エレキギター)
・アッセ(所持武器:なし→今回は司令のため下がっている)
後衛
・ブースト(所持武器:投石)
・ニール(所持武器:大砲)
・ナシュ(所持武器:ナイフ→そもそも回復担当)
~Loe-Frize帝国 陣営~
前衛
・シンク(所持武器:長剣)
・クロス(所持武器:鍵爪)
中衛
・ネイテン(所持武器:槍)
・ネイ(所持武器:双鎌)
後衛
・セシー(所持武器:弓)
・皇帝ローエテッド(所持武器:フリスビーによる風斬)
・ヤギー(所持武器:卵型擲弾発射器)
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ローエテッドが声を張り上げて言った。
「シンク!クロス!かかれ!」
シンクと呼ばれた男が左から、クロスと呼ばれた男が右から、シンクロしたかのように飛びかかってきた。
左翼では、シンクに対してトゥーリが応戦していた。
「其方の相手は拙者がする!」
「はっ!笑わせるなよ。剣戟ってのはな...リーチが全てなんだよ!」
シンクが大振りのそぶりを見せた。トゥーリはすかさず踏み込んだ。すると、突然シンクの足元の周囲に棘が現れた。トゥーリは飛びのいた。
「距離を詰めようだなんて甘いなぁ...。よし、一太刀で楽にしてやる。」
シンクが回転しながら、水平に長剣を振るった。が、トゥーリは跳ね飛んで上からシンクを刺し、棘に刺さらなくするために、その屍の上に着地した。
「ふぅ...。やはり拙者も老いてきたな。雑魚相手にこれだけの手間をかけてしまうとは...。」
一方、右翼ではアレンが応戦していた。
「いけ!PoC!」
「機械仕掛けの猫...まずはお前からだ。」
クロスはPoCにとびかかった。PoCは高さがたったの30cmしかないため、鍵爪で粉砕しようとすると、極度の前傾姿勢を強いられる。そこを...
「パワー・イズ・パワーーー!」
アレンの横に立っていたマシューが金棒を振り上げて叩きつぶした。クロスの頭蓋骨は一撃で粉砕した。しかし、その下敷きとなったPoCも、クロスの頭と同じくらい粉々になってしまった。
ローエテッドは、部下を2人も失ったのにも関わらず、狼狽える様子がない。むしろ、威勢よく、次の命令を下した。
「ネイテン、ネイ!いけぇぇぇぇぇぇぇ!」
今度はネイテンが左から、ネイが右からとびかかってきた。しかも、何故か後衛のセシー、ヤギーも攻撃に参加している。本来、自軍の前衛や中衛への誤射を防ぐため、前衛や中衛が戦っているときは攻撃には参加しないのだが...。
左翼では、ネイテンが、クロスの屍の上に立っていたトゥーリを槍で突いた。さらに、セシーの放った矢が、次々と飛んできていた。トゥーリは軽々と避けてはいるが、攻撃に転じることはできない。ここは俺が...。
「待って、アッセは出ないで。"縄跳び"の参加者が2人になるだけよ。」
ナシュが止めてきた。そうだ。これは模擬戦ではない。無防備な俺が前線に行くのは危険すぎる。
考えろ...俺...司令担当だろ...そうだ!
「トゥーリ、前線を離脱しろ!」
「アッセ!?さっき"出ないで"って...」
「アスター!いけ!」
「了解!」
アスターは投石の名手だ。しかし、ただ投げるのが上手いだけじゃない。石の中に爆薬やらなんやらを詰め込み、ぶつけるのと同時に爆発させたり、投げた瞬間に石に火をつけたりと、色々な機能を自由自在につけられるのだ。彼によると、子供のころは、いたずらのつもりで、領主の豪邸をたった数分で木っ端微塵したこともあるそうだ。
アスターの投げた石が、クロスの遺体の数m上で破裂した。細かくて鋭利な破片が、赤いカーペットの上に降り注いだ。ネイテンは飛びのいた。その隙を見逃すことなく、トゥーリがネイテンとセシーを斬った。ネイテンとセシーは重なるように倒れた。
振り返ると、右翼では、アレンとマシューが未だにネイと戦っていた。2人がかりで挑んでいるが、軽々と避けられ、むしろ双鎌によって金棒とチェーンソーの刃が削がれている印象だ。
「どうだ?俺様のネイは。」
「フランク!ニール!」
ローエテッドが後方から煽ってくる。6人だった部下が残り2人にもなっているのに、動じる様子がない。余裕を見せているようだ。
ニールが大砲を放つが、弾はネイによって斬られ、フランクの"マヨネーズ"も、ヤギーの卵型擲弾発射器に燃やされてしまう。
「アスター!こちらの加勢も頼む。」
アスターが散弾銃の弾丸(のような構造にした石)を投げる。しかし、それもネイが切り刻んでしまう。5vs1なのに劣勢なのは、紛れもなく双鎌のためだ。両端に刃がついた槍のようなこの武器は、全く隙を与えてくれない。
「どうだ。これは掘り出し物だろう?ネイの双鎌は、ある有名な工匠が希少金属で作ったものでな~。万物を切り刻めるのさ。さぁ、吠えろ負け犬ども!」
突然ネイが倒れた。ネイの足元には、アスターが巻き菱に作った石が散らばり刺さっている。この隙を見逃さず、フランクが"マヨネーズ"をネイの背中にぶっかけ、ニールが大砲を撃ち込んで燃やした。ネイは動かなかった。
気が付くと、ヤギーのいた場所に、トゥーリが立っていた。
「まったく、拙者の存在を忘れたのか?其方は5vs1なのに、こちらは1vs1だったぞ。」
「すまなかった。弁解の余地もない。」
「まぁ良いだろう。さぁ、もうひと振るいするか。」
「あぁ。残る敵は、あと一人だ!」