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第一章 第78話 大公国内乱㉔

 大型パネルに映し出された動画内容は、余りにもショッキングな映像が含まれていたので、此れまで俺以外にはフェイクを混ぜて置いた代物である。


 しかし、後3日後には否応なく首都で目にする羽目になると考え、取り敢えずアンジーに見せた上で判断しようと思ったのだ。

 その動画内容とは、


  昨日通り過ぎたゴーストタウンの様な街は、確かに此れまでも物流や人流が途絶えたので、街が寂れていたのだが一応まだ人は少ないながら住んでいた・・・。


 今から一週間前の或る朝の事、首都から50キロメートル圏内の凡そ20の街々の中央に、前日には存在しなかった奇妙なが生えていた・・・。


 そのは、通常の木と違い枝にぶら下がった奇妙な実から、紫煙の様なスモッグを吐き出していて、そのスモッグは時間が経てば経つほど徐々に街を覆い尽くして行き、夕方までには街を全て覆い尽くしてしまったのだ。

 そんな街々だが、翌日には綺麗サッパリ紫煙の様なスモッグは晴れていて、件の木もまるで最初から存在していなかったかの様に、無くなってしまっていた。

 然も綺麗サッパリ消え去ったのはスモッグと木だけでは無かった。

 まだ少ないながら住んでいた街の住人も、諸共に消え去ってしまっていた。


 そして此処からがショッキングな映像なのだが、街が紫煙の様なスモッグに覆われてしまった夕刻から、突然数少なく残っていた住人達が家々から徐々に出てきて、一様に虚ろな目をしながらゆっくりと街路に出て、そのまま首都方向に向かって歩き出したのである・・・。

 そのまま、彼等は一夜にして50キロメートルの距離を踏破して、首都の城門に吸い込まれる様に入城していったのだ。


 彼等は歩いている間も明らかに自意識は無さそうで、他者から操られていると想像出来る行動だが、それでもそんな強力な魔法は此れまでの判明している催眠魔法系の【クラス魔法】は存在しない!


 そうするとあからさまに怪しいと思われるが胡散臭いのだが、調べようにも既に消えてしまっているので、調べようが無い。


 然も、首都に向かった住民達は首都の城門に吸い込まれる様に入城して以来、一体何処に行ってしまったのか、【探査ブイ】と【ランドジグ】のセンサーにも一切反応せずに居る・・・。


 そして此処からが肝心なのだが、実は今朝から首都全体を紫煙の様なスモッグが覆い尽くしてしまい、【探査ブイ】と【ランドジグ】のセンサーは首都を覆う紫煙の様なスモッグの内部を、一切探査出来ないでいるのだ。

 

 余りにも異常な状況な上に、一週間前の人々の行動を考慮すると、下手をすると強力な未知の催眠魔法で首都の住民全てが、現在の首都首脳部によって操られてしまい、我々と敵対しかねない状況だ!


 だが、我々には此の状況を離れた此の場からでは、変え様が無いのも又事実である。


 如何に俺が【星人ほしびと】と云う、此の世界に於いて格別の存在であろうと、【神】では無い以上全て望むままに出来る訳では無いのだ。


 所詮は一生命体でしか無い以上は、俺も精一杯持てる技術と実力の範疇でしか、事態を進める事は出来ない。


 その事を、俺は以前の【魔人ブレスト】との対戦以来、思い知らされてばかりいる・・・。


 だが、俺はそれも当然だと思い直してもいて、より努力を重ねてもいた。


 (結局はどの様な存在であろうと、生きている以上はその出来る範囲など、己の存在以上の事は出来ないのだ! 

 ならば、悔いを残さない程の努力をした上で、目標に届かなければ致し方無いと諦めが着くというものだ!)


 そう思いながら、隠していた動画を見終わったアンジーが、俺に向き直って聞いてきた。


 「・・・ヴァン・・・、貴方が私達に此の動画を見せなかったのは、まるでゾンビの様に操られる大公国民の人々が、操られるままに私達に向かって攻撃して来かねないという事ね!」


 「嗚呼、然も現在首都を覆い尽くしている同様の紫煙の様なスモッグは、明らかにその密度と濃度を増して首都を覆い尽くしている上に、まるでドームの様に俺の持つオーバーテクノロジーで以ってすら探査出来ない様にしている!

 恐らく、敵は俺の存在とその能力をある程度把握していて、それを上回ろうとしている!

 アンジーと話しながら、俺も決断したよ。

 明日、全軍に此の状況を教えた上で作戦を練り直して、新たなる作戦の元で首都を攻略しよう」


 「そうね、此の状況を首都直前で知らされるよりも、3日前に知れたから私も少しは落ち着いて首都攻略戦に臨めそうよ!

 きっとみんなもそう感じると思うし、覚悟も着くと思うの」


 そうアンジーが答えてくれたので、早速、俺は参謀のミケルを呼び出して、ラング団長とカイル副団長を執務室に来て貰う事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] また、新たな敵を作りましたな、それも検知できない、魔物?を映像には映っているけど、どんな展開になるか、いやぁ~想像できませんがな、、
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