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第一章 第7話 荒野からの脱出②

 

 (ふむ、【インナースーツ】での擬態マスクは、上手く作動している様だな)


 俺は、自分の顔に手を当てて、[ヘルメス]が脳内に描いてくれた、変貌後の背格好と顔の造形を確認する。

 

 「・・・これが、俺の30歳くらいの予想図か・・・?」


 《いえ、マスターとは違う此の惑星での、ごく一般的な顔立ちです》


 「そうか・・・、まあ申し訳ないが、今の段階で俺の顔を晒してしまうと、デメリットが生じかねないからな」


 《そうですね、確固たる立場を構築して、何の憂いも無くなれば問題無いのですが、状況から非常に不安定そうな彼女達の立場を考慮すると、真実を明かすのはもう少ししてからに致しましょう》


 そう脳内で確認しながら、俺は始めての荷馬車操縦に挑んで見る。

 故郷の【アース】でも、遥かなる過去には荷馬車が物流の主役だった時代があったらしいし、今後此の惑星で生活していく為にも、慣れて行く必要がある。


 当初は、[ヘルメス]からのアースでの、資料からのフィードバックで動画を確認し、見様見真似で操縦してみたが、力加減の把握が難しくて四苦八苦してしまった。


 しかし、15分も努力していると慣れてきて、馬達も俺に慣れてきたのか非常に言う事を訊いてくれて、ドンドン楽に操縦出来始めた。

 すると楽しくなってきて、馬自身のペースで走らす様にすると、馬達が非常に楽になった様だ。


 そうこうしている内に、荒野を踏破出来て森林地帯が見えて来たので、安全そうな場所で一旦休憩を取る事にした。

 馬達に荷に有った飼い葉を与え、我々も休む事にするが近くに水場も無いので、水分補給は我慢するのかな?

 と思っていると、アンジーが馬用の桶に手を翳している。

 何をするのかと気になり、俺も他の作業をしながら、何とはなしに見ていると、

 突然アンジーが何かを呟き始めて5秒後に、手の先の何も無い空間から水が少しづつ出始める!


 (どういう事だ?! 手の先の何も無い空間から水が出るなんて、あり得るのか?!)


 と内心酷く混乱しながら、[ヘルメス]と脳内の中で会話する。


 「何が起こったんだ? 水を出す前にアンジーは何か呟いていたが、何かのキーワードなのか?」


 《自分にも解りません! どうやら【アース】に於ける言語分析にかけた処、もしかすると【精霊語ドルイド】による精霊魔法と呼ばれた代物かも知れません・・・》


 「・・・精霊魔法?!・・・、つまり【アース】に於いては否定された魔法を、此の惑星の住人は使用できるという事か、なんて事だ!」


 《これは非常に重要な情報なので、此の惑星に於ける探査にも、魔法に関する事項を設けます》


 「頼むぞ! 俺もそれとなく聞き出そうと思う」


 そう脳内会話を交わし、俺の分も用意された水を木のジョッキで受け取った。

 その信じられない事に、冷えてするいる水を飲み込んで、感動した様子で感謝の言葉をアンジーに贈ると、アンジーははにかんだ様子で答えてくれた。


 「・・・私の得意魔法なんですよ【水魔法】は!

 その代わりに【火魔法】や【土魔法】は不得意でして、同僚に頼らないと複合的な魔法は構築出来ないんですよ・・・」


 「―――そうなんですか? 護衛の仕事をする際には、その様に同僚に得意魔法を教え合うのですか?」


 「はい、そうですね―――、ですがどちらの魔法も使えなかったりした場合には、【魔石】に魔法が封入された【魔法石】を予め準備して、敵軍・・・、あ、いや野盗や魔獣への備えとします」


 「成る程・・・、つまり外敵に有効な魔法を予め準備しておいて、自分たちの被害を少なくするのですね」


 「そうしておかないと、支払うのは自分の命となるのですよ」


 結構、魔法談義に花が咲き、かなり際どい質問をしてしまったが、アンジー殿は殆ど気にしてない様で、詳しく教えてくれた。


 お陰で、魔法を使用するには魔力を感じ、魔力を溜め込める魔石を身体の中に持っている必要があるそうだ。

 つまり、母艦で調査して不思議だった、アンジー達が体内に持つ石は【魔石】と云う名前で、此の惑星で使用されている技術たる魔法を行使するには、必須なものらしい。

 但し、【魔石】を体外でも魔法さえ封入していれば、魔法を使用出来る訳だ・・・。

 

 (・・・この辺の情報は、もっと徹底的に収集する必要が有るな・・・)


 そう魔法に関しては総括して、いよいよ交易都市の情報を得る事にした。

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― 新着の感想 ―
[一言] なるほど、次の話で30歳の理由が、、魔法のある世界とSFの混在、、まぁ伊藤先生が元祖でしょうけど、言語はいきなり話せるんですね(笑)、、AI解析結果でしょうけど!いえいえ、別に気にしてません…
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