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第一章 第54話 守護機士【アテナス】の復元とパワーアップ

 いよいよ守護機士【アテナス】の復元とパワーアップに取り掛かる。


 場所は、傭兵団【鋼の剣】の拠点ホームに、隣接している広大な空き地に建てる事にした。


 此処は元々ラング団長、副団長、参謀と相談していて、今後製作予定の魔導兵器やインフラ整備用の魔導具開発の拠点にする予定の場所だったのだが、計画を前倒しして近代的な工場を作る事にした。


 国境の砦での戦争が始まる前から、其の場所は整地を行い周囲を簡易な木材で囲っていた。


 其処に守護機士【アテナス】を、残存王国軍に放棄されていた専用キャリアーと、それを運んで来た牛数十頭を確保していたので、其れ等を利用して運び入れて周りを遮蔽する為に、余っている木材と隠蔽シートを使用して取り敢えずの壁を作成し他人の目から隠す事にした。


 その工事は他の人員には見せられないので、傭兵団の手隙の者と密かに母艦から降ろした人形パペットで行う事となった。

 母艦から降ろした人形パペットは、見た目が此の世界に存在する鉄人形アイアンゴーレムに酷似していたので、少しも疑われずに運用出来るのは非常に有り難かった。

 此の世界に存在する鉄人形アイアンゴーレムとは、硬さと力強さに定評が有るのだが、俺達が人形パペットにさせようと思っている作業は、かなり繊細な作業も行わせる予定なので、色々と配慮して取り敢えずは高性能な鉄人形アイアンゴーレムだと関係者には説明しておこう。


 工事を開始して3日後には、工場の外壁は出来上がり天井にも、見た目は木材に見えるエネルギーフィールドで覆う事で完成した。


 此の間にも、守護機士【アテナス】の構造解析と様々な技術解析が、軌道上に配置している【探査ブイ】と、至近距離で外敵等を監視している降下艇と小型ドローンが、詳細な探査を行っていた。


 その結果を受けて母艦たる【天鳥船アメノトリフネ】は、守護機士【アテナス】を駆動させている【魔導発動機マギウス・エンジン】の理論、莫大な魔力を消費する【ブラスト・キャノン】を、何故連射出来たのか?と云う疑問点を解消すべく、様々な解析を行った。

 一週間に渡っての母艦たる【天鳥船アメノトリフネ】の誇る量子型推論主幹演算器【アカシックコンピューター】による考察を経て、魔力、魔法、マナエネルギー、【魔導発動機マギウス・エンジン】の理論が解き明かされた。


 その数々の理論を用いて、いよいよ守護機士【アテナス】の復元とパワーアップに、俺達は取り掛かった。

 当然アンジーを守護機士【アテナス】のメインパイロットとするのは規定路線だが、妹のリンナとリンネもサブパイロットとして登録しておく事とした。

 今後守護機士【アテナス】は、俺の母艦【天鳥船アメノトリフネ】と強力な【超越連携ハイパーリンクシステム】で繋がるので、此の惑星の何処に居ても常に小型ドローンや探査ブイによって、守護される事を意味する。

 その措置を取る事で、守護機士【アテナス】の操縦席コックピットが無人であっても、近くに居れば自動制御での防衛システムで、自動で此の姉妹達は守護機士【アテナス】によって守られるのだ。

 つまり、守護機士【アテナス】に守護されている彼女達は、現状俺よりも圧倒的に安全な立場に有ると言って良いだろう。

 

 此の基幹システムを中枢に取り入れた操縦席コックピットは、以前よりも1.5倍に拡張されていて、更に安全面を考慮した重力制御を盛り込む事で、殆どの機体からの揺れは無くす事とした。

 此の操縦席コックピットを、守護機士【アテナス】の背中部分に配置し、【ブラスト・キャノン】は従来通りに胸部に設けている。

 両肩にはオプショナルパーツを取り付け易い様に掛けラッチを設けていて、PSパワードスーツ用の様々な兵器等を取り付けられる様にして、それは両腰と両脚の部分にも設けている。


 其れ等を問題無く使用出来る様に、従来よりも両腕部と両脚部は1.3倍程に太くして、【魔導発動機マギウス・エンジン】は重くなった分、通常出力は1.5倍に上げてある。


 そして、守護機士【アテナス】の最強モードである、仮称【獅子変化】を円滑に利用できる様に、変形を無駄無く出来る様に簡略化を施していて、飛翔したい時以外は翼は展開しないようにした。


 此れ等のパワーアップを守護機士【アテナス】に施して、更に各部の損傷し易い関節部に流体金属を充填しているので、以前の状態よりも格段の耐久性を得られている。


 その作業は、母艦から降ろした人形パペットと俺、そして調整の為にアンジー達に協力してもらいながら、3ヶ月掛けて完成させる事に成功した。


 その間、周辺の状況も激変していて、大公国の各地は額面上大公を擁する首都に臣従する選択を取る行動を取った地域と、中立の立場を取る地域に別れたのであった・・・。


 つまり、公然と首都に対して反旗を翻す地域は、我々の地域以外には皆無で、主要な都市等は首都に臣従し、それ以外の地域は中立という分布図となった。


 そんな中、首都からこの街に対しての討伐軍が編成されたとのニュースが、大公国全土に広がって行った。

 そう、今この時、大公国内乱の火蓋が切られようとしているのであった・・・。

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