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第一章 第25話 魔獣狩り①

 早速、俺達は傭兵団【鋼の剣】に滞在するべく、行動を開始する。

 先ずは、ずっと留守にしていた降下艇に戻り、留守番をしていたリンナとリンネに事情を話し、暫くの間、傭兵団【鋼の剣】の拠点ホームに滞在する事を告げる。


 「へー、傭兵団の拠点ホームでこれから生活するんだー、じゃあ私達は何をすれば良いのかな?」


 「特に決まってはいないが、二人には君達より幼い子供達が居るから、その子達に文字の読み聞かせと書き取りの勉強を教えて貰いたい。

 何でもラングの話では、最近、大公国の首都に様々な知識人が呼び出されてしまい、この街の私塾や学者連中が軒並みに居ないんだそうだ。

 だから、子供達が暇を持て余しているそうだよ、そして空いた時間には乗馬訓練をすると良いよ。

 なんたって此処には、傭兵の乗る馬が30頭も居るんだし、馬の世話を学ぶのも良い経験になると思うよ」


 「判ったわ、何だか面白そうだし、勉強を教える代わりに乗馬が学べるなんて、中々良い条件よ!」


 そう言って、二人共了承してくれたので、誰も居ない空き地で彼女達に馬車に乗って貰い、拠点ホームに戻り空いていた長屋の一棟を、女性専用にして貰いラング達の子供達と共に寝泊まりしてもらう事が決まった。


 居住問題を解決させると、俺とラング達は仕事内容を相談する・・・。


 何でも、この世界では特に戦争も無い時期は、傭兵は【冒険者】と同様に街の周囲で悪さをする魔獣や、盗賊の類を狩って役人に突き出したり、魔獣は魔石を取り出して【冒険者ギルド】に売り、魔獣の素材は冒険者ギルドや【商会ギルド】、【魔術ギルド】に売る事になるそうだ。


 非常に興味が有るので、早速、魔獣狩りをしてみたいとラングに願い、手の空いている傭兵5人に付き合って貰い、国境の門を出て近くに有る樹海に向かう事になった。

 騎乗した傭兵達5人に対し、俺達は全員荷馬車に搭乗して行く事になった。

 此れには理由があって、俺達はまだ商人用の鑑札しか無いので、魔獣を狩るには傭兵のギルドカードと冒険者のギルドカードを得る必要があり、俺達は荷運びのポーターとしての役割しか本日は与えられないからだ。

 まあ、本日中には両方申請して、近日中に2枚のカードを得るつもりだ。


 「今日のところは、我慢していて下さいよヴァンさん達、それに不意に魔獣に襲われたからと云う理由で、抵抗する為に戦ったなら誰も文句なんて言えないですからね・・・」


 と笑いながら、今回の部隊の隊長である【ゲイル】殿が、言ってくれたので見物だけでは無く、魔獣狩りにも参加させて貰おう。


 街道を10キロメートル程進み、1キロメートル程左方向に行くと、やがて鬱蒼とした森林が見えて来た・・・。

 此れが樹海【ヘルムの森林】である。

 此処には、様々な動植物が生い茂る為に、其れ等を食す魔獣達も存在して居り、かなりの数が繁殖しているらしいが、それ程極端に強力な個体は滅多に出てこないので、森林の周りを探索する分には、それ程恐れる必要は無いそうだ。


 「まあ、本日は試しという意味合いが強いから、浅くしか森林には入らない予定なので、時々馬から降りて探索するだけにしよう」


 とゲイル殿が提案したので、午前10時くらいから森林周囲を、俺達は馬車の中から森林を眺めながら過ごす・・・。


 (・・・ふ~む、流石に近くにある街道が整備されているので、こんなところには魔獣の棲家などは、破壊し尽くされているんだろうな。

 まるで気配を感じない・・・)


 そんな事を思いながら、亜空間から幾つかの魔導具を取り出し、アンジー達と打ち合わせをしておく。

 12時近くになったので、一旦、森林から離れて、馬車を中心にして昼食を摂る事にした。

 本日のお昼は、朝食に出たパンに野菜や乾燥ハムを挟んだ、簡易なサンドイッチである。

 それに俺が提供した果物ジュースを全員で飲み干し、一息ついたタイミングでゲイル殿に提案してみた。


 「皆さん、実は俺の持つ商品の内で、この様な魔獣狩りに適していると思われる魔導具が存在します。

 売りつける相手も居なくなってしまったので、是非、試して見て下さい!」


 と申し込んで、幾つかの魔導具を馬車から出して、傭兵達に見せる。


 「これ等は?」


 「【簡易型魔力探知レーダー】と【強化型魔力探知レーダー】ですよ。

 簡易型の方は、単純に500メートル範囲の大きな魔力を持つ生命体に反応し、そいつがどのくらいの距離に居るか?を測定できて、強化型はそいつがどのくらいの魔力量か?と移動している方向を割り出します!

 ただ、このままだと味方にも反応しますので、予め此の【マーカー】を手に巻き付けて置くと、味方は青色で表示する様になります。

 では、試して見ましょう!」


 と説明し、実際に味方の青色の反応を拾うか確認する。


 「これは素晴らしいな! 例え別の魔力反応を拾えなくても、味方の位置関係が判るのは、戦場では本当に役立つ筈だ!

 ヴァン殿! 午後はこれを使用して魔獣を探索しましょう!」


 と興奮しながらゲイル殿が提案して来たので、了解の意を伝えて、早速魔力探知レーダーを使い魔獣を探査する。

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